海域RTA走者としてやったこと
お久しぶりです。
私が艦これを引退してから4か月が経ちました。その間に夏イベントが開催され、私は16春以来はじめてイベントをスルーしたわけですが、見てる分にはなかなか楽しかったです。ただ、自分で攻略するには昨今の熱量では手に負えないと感じたので、引退は丁度良いタイミングだったと思います。一方で、海域RTAについては今でも気になることが多く、イベントが終わり大会やRTAの話題を目にするたびに胸がざわついたりしています。やっぱり私はRTAが好きなんだと実感します。
さて、引退する間際に某提督から「自叙伝を書け」と脅されていたので、今回はそんな感じの記事になります。私が海域RTA走者としてどんなことをしてきたか振り返り、残しておきたいことをまとめました。ぶっちゃけ老人の自慢話みたいな内容なので、そういうのが苦手な人はブラウザバックしてください。
はじめに
私は海域RTA走者としてはそこそこ実績があるとは思いますが、とくに記録面で突出した結果を残せたわけではありません。どちらかというと、私が海域RTA走者として残した成果はRTAとしての編成・チャートの研究という側面が大きいと思いますし、それが自分で一番頑張ったことだと思います。
現在海域RTAで使われている様々な編成やチャートは、λ杯以降5年に亘る歴史の中で各種ユーザ大会やEORTAなどの多くの走者による海域研究の成果として確立してきました。そのごく一部ではありますが、いろいろな海域に私の編成・チャート研究の影響が残っています。この記事では、私のRTA編成への貢献を歴史的経緯も含めて海域ごとに書いていきます。
※編成、チャート、歴史の解釈には諸説あります。
※この記事では、EORTAも海域RTAに類するものとして扱っています。
第一海域
第一海域は第3回λ杯から第3回るせる杯までチーム戦で走り続けた海域であり、私の専門とする海域のひとつです。個人戦も含めれば大会で9回走りました。ここでの編成研究と成功体験のおかげで海域RTAという遊び方にハマり、4年以上に亘り艦これモチベを支えていました。
私が初めて海域RTAの大会に参加した第3回λ杯当時、通常海域におけるRTAの考察を真面目にやってる人はごく少数で、RTAの知見はほとんど確立されていない更地のような状態でした。そこで、自分でテンプレを作ってやるぜと息巻いて独自に編成研究を進め、第4回λ杯までに第一海域の最も基礎となる編成のいくつかを確立しました。るせる杯時代になり最新形の編成が変化しても、有用な編成を追求し大会の度に新編成を用意してきました。
1-1
現在ではいろいろな海域で実用化されている「索敵カット」を海域RTAで初めて用いたのがこの海域です。索敵失敗によって時間短縮をするテクニックはそれ以前から5-2-1レベリングで用いられていたらしいですが、海域RTA大会においては私が第3回λ杯で用いた次の編成が初出だと思います。
この編成は索敵カット率が60%です。その後索敵カット率100%の編成を発見し第4回λ杯で披露しました。それが「明石金剛編成」です。
この編成は索敵カットというテクニックの目新しさと明石が編成されているインパクトから結構な反響がありました。その後索敵カットは他海域でも応用され、"RTAらしい" テクニックの代名詞となって普及しました。1-1においても様々な編成バリエーションが登場し、現在ではT不利確殺まで見れる100%カット編成まで考察されているようです。
私自身は一隻教という制約から未改造艦を新たに用意できないため最新形の編成を用意し辛くなりました。そこで、明石や未改造艦といった特殊艦を使わない100%カット編成として、次ような編成を考案しました。個人的に結構お気に入りの編成です。福江はこの装備でホ級反航確殺まで見れます。
1-2
現在では明石や未改造秋月型などを用いた索敵カット編成が普及しており非常に洗練されている海域です。ただ編成難度が高いため、より容易に編成できる「戦艦1駆逐4編成」が今でも人気でよく使われます。
「戦艦1駆逐4編成」は私が第3回λ杯から使用していました。(それ以前に使用例があるかは不明。) 第4回λ杯時点でもほとんどのチームが航空戦を用いた編成を使用しており、「戦艦1駆逐4編成」を使用したのは私だけでした。この編成が本格的に普及したのは第5回λ杯からということになります。
そもそもλ杯黎明期は「航空戦カット」というテクニック自体が一般的ではなく、1-1や1-2でもほとんどの走者が航空戦を用いていました。その中で積極的に航空戦カットを取り入れ、のちに2-4や3-1などでも新チャートとして採用しているあたり航空戦カットの研究は海域RTA全体で見てもかなり先行していたと思います。
1-3
第一海域の中で最も苦戦(迷走)した海域です。
第3回λ杯から置物空母、航空戦カット、戦艦による単発砲撃を主軸としたかなり前衛的な編成を用いました。当時は航巡によるルート固定が発見されておらず「軽空2駆逐4編成」などが多く使用されていましたが、航空戦があまりにも安定せず「こんなんだったら航空戦無しで戦艦で殴らせた方が良いや」と考えて採用しました。これは第4回λ杯まで使用しましたが、結果的に失敗に終わりました。その後航巡ルートが発見され航空戦が安定するようになったため軽空母と航巡を主軸とする編成がテンプレとなり、航空戦カット編成は破棄せざるを得ませんでした。
その後第1回るせる杯では新編成として「雷撃6編成」を用意しました。羅針盤が悉くランダムになりますが、最短ルートを通れば現在でも最速クラスのタイムが出る編成です。しかし、本番で羅針盤に全敗して失敗しました。
そして第2回るせる杯のために開発したのが次の「雷撃5軽空1編成」です。
λ杯時代に破棄した置物空母がまさかの形で復活を遂げました。初手羅針盤固定、T不利回避をしつつ雷撃編成の速さを維持できる実用的で完成度の高い編成だと思います。λ杯時代から失敗を積み重ねてたどり着いた編成であり、個人的にもお気に入りの編成です。(ひとつだけ「ペペ編成」と名付けられるならこの編成にしたいです。)
1-5
第4回λ杯で未改造海防艦を用いた100%索敵カット編成を披露しました。1-1の「明石金剛編成」とともに反響があり、その後1-5RTAも含めて多くの走者が使用するお馴染みの編成となりました。アイデアこそシンプルですが時間短縮効果は非常に大きく、第一海域や1-5RTAのタイム水準を大きく向上させました。その後装備やシステム面での変化はあったものの、未改造海防艦を旗艦に置いた「海防4編成」は現在でも多くの走者が使用するテンプレとなっています。
第二海域
第二海域を通しで走ったのは、大会では鈴熊聖夜杯と第3回鈴熊杯の2回だけです。走るだけなら楽な海域ですが、最新形の編成をしっかり組み上げる難度は高く、個人的には苦手意識が強いです。
2-4
第二海域の編成に関して私が大きく貢献したのが2-4編成だと思います。鈴熊聖夜杯で次の編成を用いました。
航空戦をカットする代わりに先制雷撃を撃つ編成ですが、この編成により海域RTAのチャート構築においてブレークスルーとなる重要な発見がありました。
この時期には水雷環境が強くなり2-4では専ら最短ルートが用いられるようになりましたが、水雷戦隊で戦艦3隻を擁するボス戦に昼戦S勝利するには良い交戦形態を引き巡洋艦の連撃で戦艦を落とさないと困難という状況でした。また、夜戦に突入するのは大きなロスであり失敗という考えが強く、制空を取り積極的に昼終了を狙うチャートが主流でした。しかし、航空戦カットにより1戦目とボス昼戦の速度が上がり、夜戦に行っても十分なタイムが得られることを見出しました。鈴熊聖夜杯本番では上振れて昼戦終了し、2-4ではトップタイムを出したことによりこれが有用なチャートとして評価されました。
昼戦までをコンパクトに終わらせることにより夜戦に行っても十分なタイムが出ることを利用した「夜戦前提チャート」は、その後3-4, 5-3, 7-4などに応用され、海域RTAのチャート構築における考え方のひとつとして整備されました。その点で、この編成は私が開発した編成の中でも特に重要な成果だと思います。
第三海域
第三海域を通しで走ったのは、大会では第1回るせる杯、第1回キウイ杯、第1回ほっぽ杯の3回です。るせる杯では区間記録、ほっぽ杯では大会初優勝を達成した縁のある海域です。
3-1
第1回るせる杯にて、新編成として次の編成を使用しました。
私はよく「単発ペチペチ編成」と呼んでいます。3-1と3-3で航空戦力の配分に悩んでいたところ航空戦カットを思いつき、試したら感触が良かったので採用しました。3-1には「にんこく編成」という非常に優秀な編成が存在するので、無理なく組めるならそちらの方が良いと思いますが、「単発ペチペチ編成」もタイムの振れ幅が少なく使い勝手が良いので有力な選択肢になっていると思います。第三海域では他で使わない戦艦が主軸の編成なのでリソース的に無理なく組める点で特に有用です。
3-4
第1回るせる杯にて、次の「制空カット雷撃編成」を使用しました。
この編成が大当たりで、本番でぶっ壊れタイムをたたき出したことにより当時の第三海域区間記録を更新しました。
この編成、私に第三海域の知識が全く無かった故に生まれました(※)。
第1回るせる杯では第三海域担当のチームメンバーが決まらなかったため仕方なく私が走ることにしたのですが、その結果 1-3-5 の3海域を走らなければならなくなり、第三海域の編成については下調べする余裕もありませんでした。結局突貫で組みましたが、3-4については瑞雲で制空を取るということを本当に何も知らず2-4と同じ感覚で「制空カット雷撃編成」が出来上がりました。あとで他走者の編成を見て愕然としました。
しかし、結果として好タイムが出たことから改めて分析し、チャートとして有効であることが分かりました。現在ではより改良された編成も考案され、3-4における有力な編成のひとつとして確立されています。
(※)3-4水雷における「制空カット雷撃編成」自体は、それ以前から3-4戦果の編成として考察されていたようです。
第四海域
第四海域を通しで走ったのは、大会では第2回鈴熊杯のみです。その際に結構勉強したので知識はそれなりに身に着けているつもりです。また、全海域RTAを含めれば4回走ってますが、4-3ボス前で逸れたことは無いのでまだ才能はあると思います。(ガバって変なルート行った?知らんがな。)
なお、某海域RTAの解説記事は第四海域が特に解像度が高く初心者でもちゃんとした知識を身に着けやすいため、個人的には初めて海域RTAを走る人におススメの海域です。
4-4
第2回鈴熊杯で次の編成を使用しました。
航空戦の下振れを雷撃でカバーでき、ソ爆対潜を4枚入れている安定寄りの編成です。特に優秀な編成と言うわけではないですが、使い勝手が良く大会での使用実績も複数あります。全海域RTAでも組みやすいので私は好んで使っています。
ちなみにこの編成「ぺぺ式4-4編成」と呼ばれることあり、ぺぺの名前を冠した唯一の編成となっています。
4-5
現在では広く普及した編成として「大和武蔵空2編成」がありますが、私は4-5RTAへの挑戦の中でその基本形となるチャートを確立しました。このチャートの発案~普及までの経緯は個人的に思い出深いものなのでここで記述しておきます。
私が4-5RTAに挑戦し始めたのは2022年5月です。当時4-5RTAの全一記録はローグ氏の16分21秒で、編成は「航巡2空4編成」(ラスダンのみ「ネルソンタッチ編成」)でした。ローグ氏の動画を見ると道中航空戦がかなり上振れており、これを更新するのは困難だと思われました。しかし細かくタイムを分析するとボス戦が足を引っ張っており、ここに更新余地があると考えました。つまり、「ボス戦を如何に早く終わらせるか」が記録更新の鍵であると考えました。そこであれこれ考えたわけですが、残念ながら当時は環境が追いついておらず有効な編成は見出せませんでした。
しかし翌2022年6月、時代が大きく進みます。「大和改二/重」と「大和タッチ」が実装されました。私は大和タッチ実装を聞いた瞬間、「ボス戦を大和タッチで瞬殺するチャート」が有効であると確信しました。早速編成を組んで4-5RTAで実践し始めました。なお、私は当時武蔵を持っていなかったので、編成は大和アイオワでした。私が組めた編成が弱かったのもあり、タッチ不発や道中撤退に悩まされすぐには結果が出なかったものの、海域純タイムで3分を切ることができるなどチャートとしての有効性は十分確認できました。また、当初デメリットと思われていた開幕航空戦の弱さもそれほど問題にならないことが分かりました(※)。
しかしこのチャート、当初はあまり評判が良くなかったという印象です。特に開幕航空戦が弱くなる点がなかなか受け入れられなかったように思います。一部の4-5RTA走者には評価されていたようですが、懐疑的な意見も結構目にしました。その後、第2回鈴熊杯~第2回るせる杯にかけて一部走者が使用して成果を上げるなどで徐々に評価され普及していったというのが私の見方です。なお、4-5RTAでは2023年3月に鈴熊氏が「大和武蔵空2編成」で全一記録を更新し、その後多くの走者がこの編成で16分台前半を記録しています。私自身も2024年6月に16分01秒を出して全一記録を更新しました。2年がかりで取り組んで来た成果が出て報われた気持ちです。
(※)大和型の単発砲撃の火力が高く演出も早いため道中のロスが大きくないこと、ボス戦では開幕2隻落とせばタッチ+1手程度で終わる可能性が高いことから開幕航空戦の要求ラインが低いため。
第五海域
第五海域は私の最大の専門海域であり、とどろき杯以来3年間に亘り走ってきた、私の魂が溶け込んだ海域です。通しで走った大会は、とどろき杯、第2回なまこ杯、第1回~第3回るせる杯の5回と、第4回鈴熊杯エキシビジョンの2回です。
とどろき杯~第2回なまこ杯で走ったことがきっかけで第五海域の面白さに気付き、以来第五海域RTAが私の艦これの最大テーマとなりました。いろいろな大会に出て経験を積んだりEORTAを走るようになったのも、第五海域を走るための基礎体力をつけたいという理由がありました。編成・チャート研究にも他海域とは比較にならない時間を注ぎました。イベントのために貯めた10万単位の資源を試走に熱中するあまり数日で溶かしたこともありました。また、大会後の感想戦ではできるだけ詳細に現状と課題を解説するように努めました。
なお、私にとって第五海域の編成・チャート研究の出発点は第2回なまこ杯です。この大会で着想を得てその後形になったものが複数あります。また、この大会で私は全走者の海域純タイムを記録していましたが、このデータは私の艦これ人生を変える重要なものとなりました。
5-2
チャートとして「道中支援カット」を本格的に導入した海域です。第2回なまこ杯のデータから支援のための母港操作が大きな負担になっていることが分かり、支援カットを検討し始めました。第1回るせる杯では従来の「戦2空2編成」を開幕航空戦に振った形で調整したプロトタイプ編成を採用して成功し、その後改良を重ねて第3回るせる杯で「支援カット疑似空4編成」として確立しました。
ここまで開幕特化すると道中は極めて安定し道中支援が不要になるため、支援カットが前提の編成となります。道中支援カットを前提とすることにより、母港操作の負担が軽減されるだけでなく、支援が来ないことを心配する必要がなくなるという点もメリットです。
「5-2支援カット疑似空4チャート」は、海域RTAの歴史上でもトップクラスに深い研究に基づいた優秀なチャートだと思っています。私は大会と全海域RTAを合わせて本番で8回使用していますが、失敗したことは皆無で大会ではしっかり上位タイムを出し続けています。5-2でここまで安定した結果を出せるチャートは他にありません。(しかし、なぜかあまり受け入れられていないのが悲しいです…。)
なお、支援による母港操作については短縮すべき要素という考えがそれなりに普及し、別の支援カット編成が試されたり支援艦隊を複数用意する走者が現れるなど、第五海域RTAでは最近のホットなテーマとなっています。
5-4
5-4はとどろき杯の頃からいろいろな編成を検討してきた海域ですが、第1回るせる杯で披露した「中央輸送高速+編成」が最もインパクトがあり普及した編成となりました。
歴史的に5-4は上ルートと下ルートが長らく使われており、「速度の下」「安定の上」などと言われていました。λ杯時代には中央ルートを使う走者も居ましたが、上ルートよりもさらに道中の安定を取った編成でありタイム面では劣ると考えられていました。
しかし、第2回なまこ杯で新編成が登場しました。輸送高速+の「戦1雷撃5編成」で中央ルートを通るもので、すがく氏、しろ氏が用いました。私は「すがく・白編成」と呼んでいます。タイムも非常に優秀で、しろ氏はこの大会で5-4区間賞を受賞されました。ただし、この大会ではλ杯ルールと異なり決戦支援が使用できたことにより登場した編成であり、決戦支援が使えない場合が課題として残りました。
私は第2回なまこ杯直後からすがく・白編成を改良しλ杯ルールで通用する形に調整することを考えました。そして数十回の試走による実測を重ねて「戦艦2雷撃4」の形が有効であることを見出しました。当時は大和改二実装前だったので適当な高速戦艦で検討していましたが、のちに大和改二が実装され道中タッチで安定を図るチャートとして仕上がりました。
この編成、一見中途半端で弱そうなので机上の検討だけでは気づきにくく、地道な実測を重ねる私のスタイルが嵌った編成だと思います。個人的にとても愛着のある編成です。(しかし皮肉なことに、だいぶ普及してしまったことや私の艦隊では組み辛い編成であることから最近自分では使わなくなってしまいました…。)
5-5
5-5RTAにおいてジェット機を大量に使用する「空6ジェット編成」を開発しました。
このチャートではジェットフェイズを支援代わりに使うので、「支援カット」とセットになります。一応、理屈としてはジェット攻撃で1~2隻落とせれば開幕航空戦のタゲが減るので、支援が無くても砲撃戦前に十分な敵数を撃沈できるだろうというものです。5-5RTAとしてこの編成を3周分用いたチャートで25分を切れることは実証済みです。
この編成はまだ発展途上だと思いますが、非常に残念なことに、このチャートを使っている走者は現状私以外に居ません。今後私の遺志を継いでジェット機チャートを用いて5-5RTAの記録更新に挑む走者が現れることを期待します。(S熊提督あたりがやってくれると信じてる。)
第六海域
第六海域は全海域RTAでしか走ったことはありません。誰か大会開いてください。
ちなみに、全海域RTA中に計測した第六海域通しタイムの自己ベストは24分28秒です。このタイムは奇しくも、第3回るせる杯で我がチーム「#ぺぺさん今までありがとう」の第六海域(走者:HASHIさん)の公式記録と同タイムです。(区間4位相当。) 私の艦隊で、しかも全海域RTAのチャートに組み込んだ編成でこのタイムが出せるのですから、本当に海域RTAは強い艦隊や装備が無くても十分に戦えます。
第七海域
第七海域を通しで走ったのは、第4回鈴熊杯の1回だけです。この大会は私の艦これ引退記念で鈴熊提督が企画してくれたもので、私が希望して第七海域が舞台になりました。RTAとしては非常に難度が高くテクニカルな海域ですが、その分とても面白い海域だと思いました。
7-2-1
最終ゲージのみが対象となる海域RTAでは使われない場所ですが、「7-2-1RTA」なる競技が存在します。2022年秋頃に突如として流行してRTA勢のおもちゃにされました。なぜか現在私が全一記録7分35秒を持っています。この7-2-1RTAで次の編成を用いました。
先制雷撃を2本飛ばすために「軽巡+雷巡」を使っています。この組み合わせを7-2-1RTAで使ったのは私が最初ですが、なぜか当初はこの編成では最短ルートを通らないと思われていたらしいです。(雷撃を2本飛ばすためには水母が使われていました。) wikiをよく読むと最短でボスに行くと分かったのですが、当時のwikiは非常に紛らわしい書き方になっていたので誰も気付かなかったのだと思います。当時この編成で最短ルートを通ること自体が驚かれていてちょっと面白かったです。
7-4
第4回鈴熊杯で次の編成を用いました。
いわゆる「金玉編成」のアレンジですが、海域純タイムで5分を切ることを目標に開発しました。本番では見事に4分58分を出しました。
7-4は「作長編成」が非常に優秀で、この大会でも多くの走者が使用しました。「金玉編成」は非常に安定するものの「作長編成」にタイムで劣ると考えられていたため、「作長編成」に対抗できる5分以内までタイムを縮めるべく改良を考えました。まあ…あまり普及することはないと思いますが一応実績は作ったので、今後使ってくれる人が現れることを期待します。
既存のテンプレを改良してタイムを短縮することができるのもRTAの楽しさです。この「金玉編成」のアレンジは編成改良のやり方としてうまく行った例になったと思い個人的に満足しています。
心残り
私が海域RTA走者としてやりたかったこと、目指していたことはいろいろありましたが、この記事で書いてきた編成研究の成果などを含め結構達成できたものは多くわりと満足しています。しかし、私には心残りがあります。それは、「第五海域は敷居が高いというイメージを払拭できなかった」という点です。
第五海域のイメージといっても人それぞれだとは思いますが、一般論として、敷居が高いという旨の意見をよく聞きます。第五海域は「艦隊が強くないと走れない海域」というイメージで語る人は多く、極端なものだと「大和型と強い大口径主砲を大量に作ることが全て」「大和武蔵を並べるだけのゲーム」「最低でも大和型〇セットGFCS砲×本無いと参加資格が無い」などひどい意見を実際に目にしたことがあります。また、このようなイメージが障壁となって大会の舞台にも選ばれにくくなっていると感じます。
私はこのような第五海域のイメージに強く反発してきました。私は艦これのプレイスタイルとして、「一隻教」「限定婚」「牧場禁止」「ネジ・増設課金禁止」の縛りを課しており、上位ランカーでもないので "強い艦隊" とは程遠いです。このような艦隊でも第五海域でトップレベルの走りができますし、完走するだけならよりハードルは低いです。第五海域を走るために必要な艦隊レベルは他の海域と比べ特別高くはありません。もちろん、持っていると便利な艦や装備はありますがそれは他海域でも同じことです。
第五海域はとても自由度が高く艦隊の強さに拘わらず楽しめる海域だと私は思います。編成やチャートの工夫の余地もまだまだ残っていると思います。私は自分の艦隊で第五海域を走ることにより多くの人にそのことを知ってもらいたかったのですが、十分な結果を残せず忸怩たる思いです。
今後第五海域の大会があれば出るつもりです。「引退勢でも走れる」と喧伝して、敷居を下げて回ろうと思います。
おわりに
海域RTAは昨今Youtube配信者などの参入も多くとても盛り上がっていると感じます。λ杯時代から関わり、「冬の時代」も経験した者としては非常に嬉しいです。編成やチャートの解説記事なども書かれるようになり新規参入者も最新の情報が入手しやすくなったと思います。その編成・チャートの中には、この記事で書いたような私の頑張りの爪跡が残っていると思います。これは海域RTA走者として私が残した紛れもない成果です。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」ではありますが、海域RTAという界隈にペペという走者が居た証としてこの記事を残しておきます。
海域RTAの今後の発展と盛り上がりを心より祈っています。
補遺
この記事では私自身の話で完結する内容を中心に書いたので他の提督との関わりについてはほとんど書くことができませんでしたが、海域RTAを通じて多くの提督と出会って刺激を貰ったりモチベーションに繋がったということをここに記しておきます。この記事に書いた編成研究の過程でも多くの走者の編成やアイデアを参考にしたり、プレイスタイルや考え方に影響を受けたりしました。海域RTAに限らずいろいろな艦これの景色が見られてとても楽しかったです。とくに、ヤマチン提督はじめ「東山動物園」の人たち、るせる杯でのチーム「攻めないと抜けない」「#ぺぺさん今までありがとう」のメンバー、盛大な壮行会となる大会まで開いていただいた鈴熊提督には大変お世話になり語りたいこともたくさんあるのですが、書ききれないのでここでは割愛します。代えてひとことお礼を述べて締の言葉にします。本当にありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?