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1-6RTAのリセマラについて

 こんにちは。ぺぺです。
 私が艦これを卒業して半年以上が経ちましたが、海域RTA界隈との繋がりはゆるゆると維持しながら楽しく過ごしています。プレイヤーとしては一線を退きましたが、今年は裏方での活動もしつつ界隈の盛り上がりを応援していきたいと思います。特に、海域RTAのテクニカルな解説記事を書いていけたら良いなと思っています。

 さて、先日私は久しぶりに艦これにログインしました。年末年始休みに一週間余りの期間限定復帰ということで、EORTAや全海域RTAを走るなど久しぶりの艦これを楽しみました。その期間中にこっそり1-6RTAも走り、全一記録を更新することができました。(なお1日で抜かれて全一は陥落しました…。) 今回はもともと1-6RTAを走る予定はなかったのですが、1-6RTAの現状について少し思うところがあったので走ることにしました。今回は1-6RTAにおけるリセマラ編成がテーマです。

先に結論を述べます。

海防リセマラは意味無いからやめましょう!!



・1-6RTAとは

 1-6RTA とは EORTA の一競技で、1-6のゲージをいかに早く割るかを競うものです。2021年10月に星貝氏が走ったのが初出で、この時のレギュレーションが以降の走者に踏襲されています。2024年1月現在、10名の走者が記録を申告しています。ゲージが7回と長い上に最短固定編成の自由度が少なく、道中の戦闘も代わり映えしないため一部では「おもんない」と評されることもありますが、2024年の記録申告数は5-5RTAよりも多くそこそこの人気がある競技です。

・海防リセマラ

 1-6では最短ルート固定条件が「軽巡1かつ(駆逐+海防)5」と非常に厳しい制約があるため、1-6RTAでは多くの走者が「軽巡1駆逐5編成」を用います。ただし、Gマスでの75%のランダム分岐を許容すればそこそこ編成自由度が上がるため、75%編成を1~2回使用することがあります。特に、リセット可能な1周目に特殊編成を用意してリセマラする走者が多いです。その中でもよく行われているのが「海防リセマラ」です。

 海防リセマラは未改造海防艦など索敵値の低い海防艦を複数用いて索敵カットを可能にした編成で行います。具体的な編成内容は様々で、軽巡や水母で先制雷撃をするものや、隻数を減らして索敵カット率を上げる代わりに道中を煙幕で凌ぐものなどのバリエーションがあります。2022年秋頃に登場して以来多くの走者が海防リセマラを行っています。

・海防リセマラの実態

 そんなに多くの走者が海防リセマラを行っているということは、さぞ有効なチャートなんだろうと思われるかもしれませんが、残念ながらこのリセマラ、全く意味無いです。理由は簡単、大変な割に遅いからです。

 本記事の執筆時点(2025年1月7日現在)で、海防リセマラを使用した1-6RTAの出走は動画として確認できるだけで7件あります。おそらく相当厳しいリセマラを駆け抜けたであろう1周目のタイムは、はっきり言って悲惨というほかありません。こちらのデータをご覧ください。

海防編成を用いた1-6RTAの周回タイム
(出撃~ゲージ削りまでのタイム)

 おわかりいただけただろうか。全てのケースにおいて、海防編成を使った1周目のタイムと同等以上のタイムが、その後の固定編成で出ています。酷い場合は半分以上の周回が1周目より速いものもあります。場合によっては数時間もかけて行うリセマラですが、その結果がこのタイムとは…悲しくなりますね。これなら固定編成で上振れ厳選した方が良いのです。

 海防リセマラで用いられる編成は索敵カットによってタイム短縮を図るというというコンセプトに基づいています。それ自体は良いのですが、1-6という海域では海防艦があまりにも弱すぎます。その結果航空戦マスや水雷マスで壊れたり、砲撃火力が足りなくてグダったりで索敵カットで得した分を簡単に吐き出してしまいます。そもそもまともに通らないのでリセマラは苛烈を極め、結局途中で心が折れて妥協した内容でスタートしてしまうことも多いでしょう。

 1-6RTAのタイムを決める主な要素は、潜水マスの隻数、中破演出の回数、水雷マスの敵編成と戦闘内容です。海防編成は水雷マスとの相性が特に悪く、ここをうまくケアできる編成が見出されていないのが現状です。一方で、固定編成やより強い75%編成は水雷マスでの上振れが強く優秀なタイムが比較的簡単に出せるので、これらの編成で戦闘厳選リセマラをする方が良いと思います。

・リセマラは悪い文化

 私はEORTAでのリセマラは悪い文化と言い続けています。厳しいリセマラが当たり前になってしまうと、EORTAを走るハードルが上がってしまうからです。たしかに、全一記録の更新を至上命題として挑戦する場合にはどうしても必要になる場合もあるでしょうし、私自身リセマラを行うことが多かったです。それでも、「皆やってるからやらないといけない」みたいな風潮が広まるのはやはり良くないと思います。1-6RTAの現状はそういうリセマラ文化の悪い所が出てしまっていると感じました。実際、過去の事例のタイムを調べれば何時間もかけて海防リセマラをするのは無意味だと気付けたはずなのに、何人もの走者が海防リセマラに走ってしまいました。(ちなみに、私は2023年に行ったEORTA解説会において既にこの点を指摘していたのですが、誰も覚えてないでしょうね…。) 少なくとも全一記録を目指すレベルの人は、タイムを短縮するための戦術として"美しい"リセマラを心掛けてもらいたいと思います。

 この記事が皆様の参考になれば幸いです。ぜひ楽しくEORTAを走ってください。


・補足

 この記事の執筆中に1-6RTAの記録が更新されていました。(焦りました…。) 新記録のチャートでは1周目に全艦中破状態の海防艦隊が使用されており、中破演出を一切出さない構想になっています。この工夫自体はとても素晴らしいと思いますが、明らかに準備が大変なうえリセットも容易ではなく、タイムも固定編成や強い75%編成で十分出せる水準なのでやはり割に合っていないと思います。(周回タイムデータは上記表に反映済みです。)

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