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ベンチャーキャピタルのコミュニティマネージャーになるまで|自己紹介
インキュベイトファンドというシードVCでコミュニティマネージャー・広報として働いています、清水夕稀(しみずゆき)と申します。最初のnoteなので、自己紹介をしたいと思います!
「自分がなぜこの仕事をしているのか」は、超簡潔にいうと「インキュベイトファンドの和田さんと仕事してみたいと思ったから」です。
▲和田さんにIFの投資スタイルについて伺ったラジオ、よかったら聞いてください〜🎧
そして経緯をちゃんとお話しようとすると、幼少期の原体験から学生時代の環境・偶然の縁まで自分の人生全てが繋がって今のお仕事をしている感覚があるため、それらをまとめるのが大変だったのと、「自分がなぜこの仕事をしているのか」をちゃんと書きたいと思ったタイミングがようやく今だったのでこのタイミング(転職して2年半)の転職noteになりました。笑
VCコミュニティマネージャーとはなにか
今のお仕事についての説明です。自分が働いているインキュベイトファンドは、創業初期のスタートアップに投資をしている独立系ベンチャーキャピタルです。“First Round, Lead Position, Build an Industories"という投資哲学を掲げ、起業家の最初かつ最大の応援者として伴走しています。ご参考までに、2019年の活動実績です👇
コミュニティマネージャーの仕事としては主に以下の2つ。
①外部の才能・タレントとの接点構築:事業アイデアやシーズを持っているタレントとの接点作りから各種プログラム運営・発信まで
②ポートフォリオコミュニティの構築:投資先向け勉強会やイベントの運営を通して、事業・組織の成長に繋げる
ベンチャーキャピタルの中で投資業務以外の業務をしている人たちを「Platform Team」と表現したりします。VCのPlatform Teamの歴史としては海外(シリコンバレー)の方が先行しており、日本ではここ2-3年で一気に増えてきたのではないでしょうか。
自分たちの取り組みがきっかけで、志を持って起業する人が増え、起業家同士の相互の助け合いが増え、結果として日本により多くの素敵なスタートアップが生まれていく。VC Platform Teamはそんな一つのきっかけを生み出すことが出来る可能性のある仕事だと思っています。
▲支援先の宇宙ベンチャー3社に登壇いただき、これからの宇宙業界についてお話しするイベントを開催した際の様子。イベントや発信を通してスタートアップ業界を盛り上げます💪
ここからはベンチャーキャピタルで働くなんて1ミリも想像していなかった自分が、なぜ今のお仕事をするに至ったのか?についての自己紹介をします!
IFと出会うまで(1)幼少期:相手の背景を想像し、異なる価値観を尊重し合うことの大切さ
父の仕事の都合で小学校の時にアメリカに3年間滞在したのは、今の仕事に繋がっている1つの大きな経験になりました。大変さもありましたが、「自分の意思が無い人、発言しない人は存在価値が無い」と叩き込まれ、お互いの個性やルーツを尊重し合う教育や文化の中で色んな国籍の友人と過ごした時間は貴重な経験となりました。
▲こんな感じの緑いっぱいの環境でした🌿
日本に帰国した直後もかなり自由なスタンスで過ごしてしまい、再入学した際に少しだけ苦労しました。逆カルチャーショックで「人が可能性の芽を潰されず、思い切りやりたいことにエネルギーを注げる、そんな社会にしたい」と漠然と思ったのが今の仕事に繋がっています。
IFと出会うまで(2)大学時代:スタートアップが大好きに
話は一気に大学時代に飛びます。私が大学生だった2010-2014年頃、早稲田や自分の周りでは学生起業が盛り上がっていました。私も大学2年生の時にひょんなことがきっかけでスタートアップ界隈を知り、魅了された1人です。
初めてスタートアップを知り、アポをとってインターン(と呼べるのか不明ですがw)したのが大学2年生の時にTwitterで見つけたアトコレでした。自分はまじで何も貢献出来ませんでしたが、、アトコレの人たちとの出会いは衝撃でした。サムライインキュベートから資金調達も行い、初めてベンチャーキャピタルの存在を知ったのもこの時でした。
その後、自分たちでも何かやってみたいと友人と一緒にパジャマのファッションショーを立ち上げてみたり、私の真の「1社目」なのではと思っているくらいお世話になったクラウドワークスでは広報やイベント運営を教えていただいたり。また、イーロンマスクの記事を読んで青山の店舗に突撃しTesla Moters Japanで働かせていただくなど、何も武器を持っていない学生なりにとにかくスタートアップが好きという思いで行動していました。
▲テスラ株、買っておけばよかったな?🤔
様々な出会いの中で、スタートアップの人たちと働くのはめちゃくちゃ面白かった一方、思ったように貢献出来ないのがすごく悔しかった。いま思うと学生だから当たり前といえばそうなのかもしれないですが…、この経験からスタートアップ業界に貢献できる自分でありたい、そうなれるように仕事したいという思いを強く抱きました。
色んなことを考えて、新卒でビズリーチという会社を志望しました。当時従業員数100名台、自分が新卒一期生という時代。急成長中の事業会社でまずは数年経験し、事業作りや組織作りを中から学び、一定経験を積んで自分の武器を増やしてから、またゼロイチの新規事業創出に挑戦したい。そんなキャリアを漠然と描きました。
IFと出会うまで(3)ビズリーチ:趣味でやっていたイベントが本業に
ビズリーチには新卒1期生として入社し、1日100〜200件テレアポ(今風に言うとインサイドセールス)電話をかける日々で社会人生活のスタートを切りました。法人営業はとても大好きな仕事で、みっちり営業の基礎を叩き込んでいただけたことやキャリア構築についてたくさんの先輩から考え方を教えていただいたこと、今でもすごく財産になってます。
前々職のビズリーチの企業文化は、青いR(リクルート)と赤いR(楽天)のミックスだった。採用力が高く、優秀で気持ち良い性格の人が沢山いた。営業組織はイケイケだけど開発組織は洗練されており、対立する事の多い営業組織と開発組織がお互いにリスペクトし合う、稀有なカルチャーだった。
— tairo | メルカリ→ SmartNews | 🦄 ユニコーン転職日記 (@tairo) June 18, 2020
転機となったのは、2年目の終わりに企画・実行した人事・人材業界交流会。飲み会の延長で始めた清水の個人企画だったので、赤字が出たら自分が被るというスリルがありつつも、初回イベントは準備期間1ヶ月で400人(+100人のキャンセル待ち)集客することが出来ました。実績が無い状態にも関わらず、このとき最初から最後まで成功を信じて一緒に仕事してくれた仲間(特に同期の石井美紅)の存在の大きさが凄く大きかった。アイデア段階から自分を信じてくれ、一緒に走ってくれる存在の尊さを身を以て学びました。
▲第一回目の運営メンバー。人生で初めて胴上げしてもらったときの気持ちは一生忘れられません😭
人事・人材業界交流会は本業の営業業務にアドオン(というか趣味)で3ヶ月に1回実施し、年間1,000人以上の方にいらしていただきました🙏「環境と機会を提供する」という南さんの言葉通り、思い切りやりたいことをやらせていただき、本当に感謝しています。
そんなことをしていたら、当時の部長で大好きな恩師・中嶋さんに「しみちゃんがやってることってコミュニティマネージャーっていうんだよ」と教えていただき、この時に初めてコミュニティマネージャーという仕事が世の中にあることを知って。国内では事例が少なかったので書籍やネットで調べ、本業でも兼任させていただくようになりました。
IFとの出会い(1)VC Platform Teamの存在を知る
第3回人事・人材業界交流会で出会ったのがインキュベイトファンドのHRマネージャー壁谷さんでした。「投資先人材支援のためにインキュベイトファンド内にタレントプールを作りたい」という話を伺い、初めてインハウスでHR専任者を採用しているVCの存在を知りました。
学生時代の「スタートアップ/新規事業創出に貢献したい」という思いもあり、何か出来ることはないかと、インキュベイト以外にも10社以上のVCを訪問し今後のインハウスリクルーターの採用への温度感をヒアリングしました。
海外ではVC投資金額の増加と共に投資先人材支援の機運が高まり、インハウスリクルーターを抱えるVCが年々増加している。もし日本でも同様の動きが加速すれば、そして彼らとビズリーチが連携することが出来れば、優秀な人材がスタートアップへ参画する動きが加速し益々スタートアップを産み出すことに貢献できる。
そんなことを妄想しこのためなら24時間自分のエネルギーを注ぎたいと強く思っていたのですが…、残念ながらこの取り組みは私の力不足で思うように前に進めることが出来ませんでした。
IFとの出会い(2)和田さんについていこう
そんな中で、ふとした雑談から、壁谷さんから聞いたのが「IFでコミュニティマネージャーを募集している」というお話でした。
もともとゼロイチの事業立ち上げに興味があったので、パートナー自身が自ら事業を構想し立ち上げにコミットしているIFの投資スタンスは魅力的でしたし、日本でもこれから増えると思われるPlatform Teamの立ち上げに関われるのは、実現できた時のインパクトの大きさを考えるととても面白そうだ、と思いました。加えて、(少なくとも当時、自分が何社かVCを回った中では)インキュベイトファンドが最もPlatform Teamの価値を信じてそこに投資していることも感じていました。
そうして、実際にコミュニティ関係をみてる和田さんを始めインキュベイトのメンバーや起業家にお会いし、自分が好きでやっていたイベント運営やコミュニティづくりで大好きなスタートアップ業界に貢献できるならやってみたい、何より和田さんやインキュベイトのメンバーについて行きたいと強く魅力を感じたので、「やりたいです!」と手を挙げ、IFに入ったらやりたいことや自分の強みをEvernoteにまとめてアピールしました。
入社してから:VCに入ったところで何が出来るのか?
周りに転職を報告した時、友人やビズリーチの同僚から「清水らしい道だね」「天職だと思う」と祝福の言葉をたくさんいただき嬉しかったです。
▲最終日が10/31だったので仮装で締めるというビズリーチらしい最後🎃
しかし、スタートアップ起業家でもある友人から「起業家の気持ちは起業家にしか分からない。自分は起業経験やましてやVC経験も無い人に支援されたいとは思わない」*と言われたことがあり、このたった1人に言われた言葉が深く突き刺さって胸から抜けた日はその日から今まで一度もありませんでした。
「VCにいったところで自分は本当に価値のある仕事が出来るのか」ということについてかなり葛藤し時間をかけて考えましたし、今も本当の意味でバリューを出せているのかどうか省みない日はありません。起業経験の無い自分が起業家を理解し、何かプラスの貢献をすることは出来ているのか。キャピタリストの仕事を理解し、会社にとって価値のある仕事が出来ているのか。
転職して最初の2年半は、翌日が楽しみ過ぎて眠れなかった夜と、葛藤で悩む夜が交互に来てましたが🤣最近は社内からも社外からも嬉しい言葉をいただくことが増え、やってきてよかったなぁと思えています。先述の起業家には本当に感謝しています(今も仲良しで相談にのってもらったりしています)。
*(2020/06/23 追記)「支援側をがんばりたい」という人の存在の大きさや尊さを感じているので、わたしは挑戦者を応援する側の人たちも大好きですし尊敬しています。私への喝という意味合いでの言葉でした。
いまの心境
いまのお仕事では、起業準備中の方など、創業前後の起業家とひたすら会っています。そんな未来の革命家たちに対して、私たちの経験や知見・ネットワークを提供することで、彼らがこれから進んでいく道に対して確信を得られたり、自信がついたり、次のステップがクリアになったり。そんな機会を作っていくことで、挑戦者の才能を爆発的に開花させ、彼らが世界を前進させていくための最初の後押しをしていきたい。
起業家が本当に背負っているものは起業家にしか分からないと思います。しかし、少なくとも力になれることがあるのであれば何でも力になりたい。数々のスタートアップを上場に導いてきた経験豊富なパートナー陣を始め、アソシエイトや専門家など、インキュベイトファンドのチーム全員が起業家を最優先に、産業創造を本気で目指しています。
転職して2年半も経つと、そろそろ次のキャリアを考えてたりする?と聞かれることもありますが、世の中を大きく変える可能性を秘めているスタートアップが大きく成長していくために、私自身もっとやれることをもっと増やしたいと思っていますし、そして、今の仕事に至るまでにたくさんの方々に道を作っていただいているので、この環境でもっともっと恩を返せる自分になりたいと思っています。
今後このnoteで書いていくこと
読んでいただきありがとうございました!今回は自己紹介ということで、インキュベイトファンドに入社した経緯と今の気持ちについて書きました。次からは今の仕事やインキュベイトファンドの中の人たちについて投稿していきたいと思います。
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