「鯛焼」が冬の季語ってご存知でしたか?
日曜日の朝は短歌・俳句、落語を
テレビやラジオで楽しむところから始まります。
今朝の俳句の番組で、
「鯛焼」が冬の季語だと初めて知りました。
そういえば、夏に
吉祥寺の人気のお店「天音」を
通りかかった時、
珍しく行列がなくすぐに買えたので
「日曜日に、珍しいですね」
と聞いたら、
「夏場はやっぱり、お客さん減るんですよ」
とおっしゃっていました。
確かに、暑い時よりも、
寒くなった時に
ほっこりと暖かい鯛焼きをいただく方が
嬉しいですよね。
今日の番組で紹介されていたのは
「鯛焼の頭は君にわれは尾を」 飯島晴子
ぱっと見たときには
「心優しい奥さんが
鯛焼きが好きな旦那様に
いつもあんがたっぷり詰まった
頭の方をあげて
自分はしっぽの方を食べている」
という句なのかな、と思ったのです。
でも、実はこの句は
作者が前年に亡くなったご主人を
偲んでよんだ句なのだとか。
わたしがうっかり誤解したのとは違い、
鯛焼きの頭を相手に譲った
「われ」は亡くなったご主人、
「君」はこの句の作者であった
奥様だったのです。
もしかしたら、まだ若い時、
お金がなくて、
たまの楽しみの鯛焼きも1匹しか
買えなかったのかもしれません。
そんな時、いつも半分こして、
あんの詰まった頭の方を
「はい」と差し出してくれた
ご主人の優しさ。
「鯛焼」の季節になって、
街角で鯛焼き屋さんを見かけるたびに
思い出していらしたのかもしれませんね。
番組を見た後、
ふと気になって
「鯛焼き」を季語につかっている
俳句を探してみました。
これが、どれも味わい深い句ばかり!
・「鯛焼きの鯛誕生に立ち会へり」 今井春生
確かに!
店先で鯛焼きの「誕生」に
立ち会っているのですよね。
・「三匹の鯛焼抱へ戻りけり」 片岡祥子
両親と子供の3人家族なのか
3人の子供のために買って帰るのでしょうか?
・「鯛焼を宙泳がせて子の食める」 西村梛子
「見てみて、泳いでる~!」
といって手に持った鯛焼きを空に掲げて
泳がせて見せる子供の笑顔が
見えるようですね(^^)
・「旧交を又鯛焼と暖めき」 相生垣瓜人
しばらくぶりの友達との再会、
お土産の鯛焼きのあたたかさが
場を和ませ、
「美味しいねえ。
そういえばあの時・・・」
と会話も弾みそうですね。
・「鯛焼をわれら食ひをれば背の子醒む」
安住敦
おんぶ紐で背中に背負った子供が
眠ったところで、ご夫婦が
「鯛焼きでも食べようか」
とちょっと落ち着いてお茶を飲んでいると、
大人たちの話声か
鯛焼きの香ばしい香りで目を覚ました
背中の子がぐずりだす。
そんな光景が見えるようです。
・「四谷にて鯛焼を買ふ出来ごころ」
能村登四郎
四谷の鯛焼きといえば、四谷には
「わかば」という鯛焼きの名店があります。
(写真は「わかば」さんのHPからお借りしました)
社訓は演劇評論家安藤鶴夫先生からいただいた
「鯛焼きのしっぽにはいつもあんこがありますやうに」を
社訓とされているのだそうです。
社訓の通り、
つぶあんがこれでもか!と詰まった鯛焼きは、
わたしの「鯛焼きランキング」の中で
1、2位を争います。
それは、出来心もあれば、
四谷の「わかば」に鯛焼きも
買いに行くでしょうとも!
(ただし、これはわたしの妄想で、
どこにも「わかば」だとは
書かれていないのですが)
鯛焼きの句を味わっていると、
すっかり鯛焼きが食べたくなってしまいました。
あとで図書館に行く時に吉祥寺の「天音」で
「鯛菓子」という名の
羽根つきの鯛焼きを
買って食べようと思います。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
*ナマケモノ?が万年筆にしがみついている
絵葉書を見ると、
「かじりついてでも書くんだ!
がんばれ!」
と言われているように感じます。
いつも机の前に貼って眺めています。
がんばれ、自分!
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