旅の音楽・イスラメイ(東洋風幻想曲)【クラシックピアノを聴いて感性を磨く】
こんにちは!yukiです。
今日は、
「クラシックピアノを聴いて感性を磨く」
シリーズの13回目。
クラシックに馴染みのない方も、
気軽に楽しめるように書いていきます!
今回のテーマは、旅の音楽です。
ご紹介するのは、バラキレフ作曲の、
「イスラメイ(東洋風幻想曲)」。
バラキレフは、
コーカサス地方の民俗音楽を素材にして、
激烈な曲を作ってしまいました笑
楽しんでいただけますように!
【この企画への想いはこちらに綴っています】
イスラメイ(東洋風幻想曲)
さっそく作品を聴いてみましょう!
バラキレフ作曲、
「イスラメイ(東洋風幻想曲)」です。
強烈!!
冒頭の打楽器的なメロディーからして、
すでに民俗音楽の雰囲気ですね。
この打楽器的メロディーが、
変化しながら何度も繰り返されます。
それでも飽きないのは、
やはりこのメロディーに
親しみやすい魅力があるからでしょう。
途中からは、
もうひとつの主要メロディーも加わります。
(2:20あたり〜)
こちらもまた民族音楽的で、
つい口ずさんでしまいそう。
この辺りはとってもロマンティックで、
厳しい自然に生きる人々が
目に浮かんでくるようです。
後半は2つのメロディーが組み合わさり、
にやけてしまうほど圧倒的な
クライマックスを作り上げます。
この曲は、長らくの間、
「世界で最も難しいピアノ曲」
と言われていました。
まあ聴けば納得ですよね…笑
もちろん楽譜は真っ黒です。
民俗音楽を大事にした
音楽家たち
クラシック音楽界では、
19〜20世紀に、
「母国に昔から伝わる音楽を
もっと大事にしよう!」
という流れがありました。
それまで、
クラシック音楽の中心となっていたのは
ドイツ、フランス、イタリア。
上記の国の音楽が
どんどん広がっていくなかで、
各国の音楽家たちは、
「母国の民俗音楽が衰退しかねない…」
という危機感をもっていたんですね。
「もともと素晴らしい文化があるのに、
それを生かさないでどうするのか」
とも考えていたと思います。
さて、
そういった思想をもった音楽家は、
国民楽派と呼ばれていました。
有名な方だと、
チェコ:ドヴォルザーク
フィンランド:シベリウス
スペイン:アルベニス
などです。
今回のバラキレフも、
ロシア国民楽派の1人でした。
コーカサス地方の民謡
バラキレフは、
黒海とカスピ海の間にある
コーカサス地方を何度か旅していました。
この辺りは山が多い地域です。
バラキレフは、コーカサスの
美しい大自然や人々の暮らしから
大いにインスピレーションを受けたのだそう。
コーカサスにおける“元々のイスラメイ”は、
様々な楽器による舞踏音楽だといいます。
原曲は見つけられそうもないですが、
「こんな感じかな?」
というものを見つけました。
どことなく雰囲気が近いような。
チェチェン共和国の
舞踏音楽だそうです!
コーカサスには、
たくさんの国々があります。
アルメニア、ジョージア、アゼルバイジャンは、
正式に独立しているので
聞いたことがあるかもしれません。
それらの国の他にも、
名前を聞いたこともないような国々が
入り乱れているのです。
例えば、
カバルダ・バルカル共和国
アブハジア共和国
アディゲ共和国
カラチャイ・チェルケス共和国
南オセチア共和国
など。
まだまだあります。
アルメニア、ジョージアには行きましたが、
地図を見て「この地域どうなってるんだ…」と
衝撃を受けたのをよく覚えています。
バラキレフのイスラメイには
「東洋的幻想曲」という副題がついていますが、
コーカサスって東洋なの?って感じですよね。
“東洋”の定義自体が曖昧ですが、
古代から「オリエント」と呼ばれていたように、
ローマ帝国から見て東方は“東洋”なのでしょう。
コーカサスにはキリスト教国家が多く、
僕としては“西洋”のイメージなんですけどね笑
なお、コーカサスについては、
近いうちに旅行記を書く予定です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは今日も良い1日を!
(今回のカバー写真は、
ジョージアの山間部の村でした!)
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