湖畔の修道院と、草原の墓地【アルメニア旅行記4】
こんにちは!yukiです。
今日でアルメニア旅行記は
最終回となります。
1週間程度と短い滞在だったものの、
草原の墓地
「明日、エレバンを出て、
マラカンっていう人々の
村に行こうと思ってるんだ。」
数日前、同じ宿にやってきた
ケイさんが言いました。
「マラカン?
どんな人なんですか?」
「もともとロシアから来た人たちで、
アルメニア人との接触を絶って
自給自足で暮らしてるそうなんだよ」
「へえー…
行きたいところがスゴイですね…」
「セヴァン湖の近くに住んでるらいんだ。
yukiくんもセヴァン湖行くんだよね?
途中まで一緒にどう?」
「もちろんです、
一緒に行きましょう!」
ということで、ケイさんと一緒に、
セヴァン湖へ行くことになったのです。
翌朝。
ケイさんはここ数日と同じように、
豆を挽くところから
コーヒーを淹れてくれました。
リダさんの家を出て、
乗り合いバンが発着する
駅前の広場へ向かいます。
この日の空は、
どんよりと暗い雲がたちこめ、
今にも雨が降ってきそうな気配でした。
乗り合いバンに乗って1時間ほどで、
セヴァン湖畔の小さな町に到着。
そこで乗り換えて、
ノラドゥスという集落を目指すのですが…
どこから公共交通が
出ているのか分かりません。
「何もないとこで
降ろされちゃいましたねえ」
「そうだね…
誰かに聞いてみようか」
2人で歩き始めたところ、
シャーッと走ってきた車が停まりました。
「やあ、どこに向かってるんだい?」
中から若いお兄さんが
声をかけてきます。
「ノラドゥスに行きたくて。
どこから乗り合いバンが出てるか、
知ってますか?」
「ノラドゥスなら、
今から向かう方面だよ!
乗っていきなよ。」
「いいんですか?!」
親切すぎる!
ヒッチが成立してしまい、
ありがたく乗せていただいたのでした。
車は、湖畔の道を
ぐんぐん飛ばしていきます。
(ストリートビューは綺麗ですが、
実際は曇天で怪しげでした笑)
「ノラドゥスの墓地を見に行くのかい?」
「はい、そうなんです!」
「じゃあそこまで行って降ろすよ」
墓地に行くの?って感じですが、
ノラドゥスの墓地では
歴史的価値のある彫刻が見られるのです。
乗せてくれたお兄さんは、
本当に墓地の目の前まで
わざわざ行って降ろしてくれました。
「わざわざここまで、
本当ありがとうございました!」
「どういたしまして!
良い1日をね!」
お兄さんは走り去っていき、
ケイさんと墓地に足を踏み入れます。
あたりには遠くまで
草原が広がっていました。
その中に立ち並ぶ墓石、
そしてハチュカル(十字架の彫刻)。
あの世との境目に
来てしまったかのようです。
観光客が来るからなのか、
色とりどりのお土産を全身にまとった
おばあちゃんがお墓に立っていて、
こちらへ近づいてきました。
ちょっと怖い…
英語を話さない方でしたが、
ついておいで、と手招きされます。
おばあちゃんは、
歩いて十数メートルほどで立ち止まり、
ある彫刻が施された石を指差しました。
よくよく見ると、
馬に乗った兵士が描かれています。
おばあちゃんのお話しから、
“チンギスハン”に近い言葉が
聞き取れました。
確かにモンゴル帝国はここまで足を伸ばし、
アルメニアに大打撃を与えています。
この石にはモンゴルの襲来が
描かれているのかもしれません。
欲しいものがなかったので
お土産買わず恐縮ですが、
おばあちゃんありがとう!
湖畔の教会
つぎはセヴァナバンクという
湖畔の聖堂へ向かうのですが、
そちらも少し離れた町にあります。
「・・・またヒッチしますか」
「そうだね」
お墓の前の道路で、
ヒッチをはじめます。
5分ほどで車が停まってくれました。
乗っていたのは、
お父さんと、10歳くらいの息子さん。
「セヴァナバンクね!
乗ってきな!」
言葉はほぼ通じませんでしたが、
陽気なお父さんと
かわいい息子さんで楽しかった!
このお父さんも、
わざわざセヴァナバンクの前まで
行ってくれました。
いやあ本当にありがたい。
お礼を言ってお別れし、
聖堂のある湖畔の丘を登っていきます。
ポツポツと、
雨が降りはじめました。
湖を見渡す丘のうえには、
だいぶ見慣れてきたフォルムの
古い聖堂が建っていました。
ここは、9世紀ころに
建てられたのだそうです。
それにしてもすごいロケーション。
雨はだんだんと
強くなっていきました。
野良犬が1匹、
ピチャピチャと雨の中を
ついてきます。
犬は何かをくわえていました。
まじまじと見て、ギョッとします。
なんと鶏の頭…!
教会の中で雨宿りしたものの、
キリがないので丘をくだり、
ふもとにある食堂に入りました。
「ケイさん、
マラカンのところへは
どうやって行くんですか?」
「この辺りで村のこと聞いてみて、
分かったらタクシーで行ってみるよ。」
お店の人からも
情報収集していました。
「知らないな〜」
と言われてましたが…汗
僕はそろそろエレバンへ帰ろう。
「また会えるといいね、元気で!
数日間ありがとね!」
「ありがとうございました、
ケイさんこそお元気で。
マラカンの人に会えるといいですね!」
ケイさんと別れ、
乗り合いバンでエレバンに戻ります。
そろそろアルメニアを出て、
ジョージアへ移動しようかな。
よし、
明日は情報収集の日にして、
明後日出発しよう!
顔なじみの皆さん
2日後。
しばらく滞在していた
リダさんの家を離れるときがきました。
今日はお孫さんが遊びに来ていて、
朝からとても賑やかです。
ここ、居心地が良すぎるし、
リダさん優しすぎるし、
出ていくのがちょっとツライ…
リダさんは家の外まで
見送ってくれ、握手をしました。
「気をつけてね。またおいで。」
「リダさんお元気で。
ありがとうございました…!」
何度も振り返って
手を振ってしまった…
リダさんは、
お茶目でほっこりさせられる
とてもあたたかい方でした。
幸せに長生きされますように。
毎日通っていた食堂に寄り、
いつも明るく相手をしてくれた
ブロンド美人のおばちゃんにも
お別れを言います。
写真撮っていいか聞くと、
「私なんて撮ってもしょうがないわ!」
と顔を隠されてしまいました笑
毎日通ったパン屋にも行き、
移動中に食べるパンを買います。
いつものお兄さんとお姉さんに、
「これからジョージア行くんです」
とお別れを。
パンで攻撃しようとするお兄さん…笑
「もっとエレバンにいればいいのに。
Facebook教えてよ!」
と言ってくれました。
(あとで写真も送りました!)
さて、
ジョージア行きの乗合バンは、
駅前でかんたんに見つかりました。
ジョージアの首都トビリシまでは、
午前中に出れば
夕方に着くくらいの距離。
走り出した車は、
エレバンの街を離れていきます。
窓の外には草原が広がっていく。
たった7日ほどでしたが、
あたたかい人々に助けられて、
素敵な記憶ばかりが残ったのでした。
いつかまた、
ゆっくり旅したいな。
次回はジョージア編に移ります!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは今日も良い1日を!
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