赤い屋根のサフランボル【トルコ旅行記3】
こんにちは!yukiです。
今日はトルコ旅行記の3回目です。
世界遺産の町・サフランボルの様子や、
出会った人々とのお話をしていきますね。
楽しんでいただけますように!
雨。そしてこれからの道
ギョレメを出発したバスは、
重い雲が被った雨の平原をひた走ります。
イヤホンから流れるショパンが、
もの悲しい雰囲気を増長させていく。
(ピアノソナタ3番:第3楽章を聴くと、
雨の平原の風景を思い出すのです)
数時間で首都アンカラに到着し、
バスを乗り換え、さらに先へ進みます。
夕方ころにようやく、
サフランボルへ到着。
良かった、
ギリギリ明るいうちに来られた!
しとしとと、
雨が降り続いていました。
サフランボルって、
可愛い響きですよね。
サフランの花が群生していたから、
この名前が付けられたのだとか。
オトガル(バスターミナル)から
セルヴィス(乗り合いバン)に乗って
町の中心地へ行き、旧市街へ歩きます。
坂を登ったり降りたり、
ずいぶんと起伏の激しい土地!
旧市街に入ると、
足元は石畳になり、
一気に雰囲気が変わります。
立ち並ぶ伝統家屋は、
赤い屋根、白い壁の可愛らしい家。
サフランボル旧市街全体が、
世界遺産に登録されているのです。
もう暗くなってきたので、
よく見えませんが…笑
せっかくなので、
宿も伝統建築のところを
予約していました。
伝統家屋は、
靴を脱いで上がるタイプの、
木の香りが心地よい建物。
(靴を脱ぐのって、
海外だと当たり前ではないので…笑)
もう夜のなので、
歩き回るのは明日にしよう。
そして、
移動中もずっと考えていたことを、
宿の部屋でも考えていました。
「ヨーロッパに入る前から、
すでに綺麗な街並みに飽きてる…
どうしたことだろう」
ここしばらく
抱いていた感情です。
「体力あるんだし、
もっとハードなところを
旅すれば良いんじゃないか?」
カッパドキアで会った李さんは、
アフリカが最高だったと言ってました。
・・・僕もアフリカ行きたい。
トルコからヨーロッパに進まず、
南のヨルダンに行ってしまえば、
あとは飛行機を使わずアフリカに行けます。
というか時間をかければ、
ヨルダンから陸路で
アフリカ最南端まで行けるはず。
目の前に、
道が開けたかのようでした。
「よし、南に行こう」
そしてその場で、
イスタンブール→アンマン(ヨルダン)
のチケットを取ったのです。
トルコ出発は6日後。
わくわくしてきました。
サフランボルの時間
翌朝。
起きてカーテンを開け、
窓から見えた空は、曇りでした。
雨は止んでるみたい、良かった!
朝食を食べにリビングへ行くと、
なんと2人も日本人がいて驚きます。
ひとりは男性の大学教授。
半年ほど、サフランボルの大学に
授業をしに来ているのだそう。
もうひとりは少し年上の女性。
会社の休みを使って
トルコに来ているそうです。
初めて会う3人なのに、
何だかとても良い空気になって、
こういうのがご縁なのかもなあ、と。
女性は、朝食を食べたらすぐ、
カッパドキアへ出発してしまいます。
「昨日会いたかったですね…」
と3人で口々に言いました。
教授と一緒に、
タクシーに乗る女性を見送ります。
女性が走り去ってしまったあと、
「せっかくなので、
この町の資料館に行きませんか?
ご案内しますよ」
というお言葉に甘えて、
連れて行ってもらうことにしました。
明るい時間のサフランボルは、
ヨーロッパの田舎町みたいな雰囲気で、
(行ったことないので想像ですが笑)
歩いていてワクワクします。
歩きながら、
教授がいいました。
「この辺りの家屋の感じ、
なんだか日本的じゃないですか?
安心感があるんですよね。」
そう言われると、
日本っぽい気もしてきます。
「これは!」と思ったら、
本当に日本の建物のようです。
日本語書いてあるし笑
さて、到着した資料館には、
いきなり動き出す
リアルな人形がたくさんいました。
何度も驚いてのけぞってしまったほど、
前触れもなく動き出すのです汗
「昼から仕事があるので、私はこれで。
気をつけて旅してくださいね。」
「お会いできて良かったです。
案内までしていただいて、
ありがとうございました!」
穏やかで素敵な人だったなあ。
教授とお別れしてから、
街を見渡す丘に登ってみます。
赤い屋根、白い壁、黒い窓、緑の草木…
絶妙に美しい、色のハーモニー。
丘では、若者の集団が
記念撮影をしていました。
みんな晴れ着のような姿で、
一人ずつ順番に撮られているよう。
景色を眺めていると、
スーツの男の子たちに
話しかけられました。
「どこから来たの?旅行?」
「日本からだよ。
君たちは、何の撮影してるの?」
「ハイスクールを卒業するから、
その記念写真なんだ!」
ハイスクール。
スーツだから大人びて見えたけど、
確かに幼い顔立ちの子もいる…
「一緒に写真撮ろうよ!」
って言われました。
みんなビシッと決めてるのに、
混ざるのがお恥ずかしい…汗
(襟付きのシャツは着てましたが汗)
そうしているうちに、
「女子とも一緒に撮ろう!」
ということに。
女の子たちも、
とても綺麗なお姿です。
カタコトの男の子と比べて、
女の子は英語ペラペラな子が多く、
なんだか精神年齢の違いも感じます。
どこの国でも、
若者のこの傾向は同じなのか…笑
一緒に写真を撮ったあと、
皆さんだけでも撮らせてもらいました。
男女のあいだにスキマがあったので、
「スキマあるから詰めたら?」
と聞くと、
「いや、それはダメ!」
って言ってました。
宗教的なものでしょうか。
それにしても、皆さん、
本当に晴れ晴れした表情ですね!
こちらまで明るい気持ちになりました。
卒業おめでとう!
大きく手を振ってお別れしました。
サフランボルからイスタンブルへ
かなり強行ですが、
午後にイスタンブールへ
行くことにしました。
急遽ヨルダン行きを決めたので、
早くイスタンブールに行って、
情報収集や準備をしたかったのです。
心の奥には、
「もっと落ち着いて旅がしたい…」
という気持ちがあるのにも気づいている。
一方で、
いま表に強く出てきているのは、
「限りある時間で、
もっと別のどこかへ」
という気持ちでした。
サフランボルから
イスタンブールへは、
バスで4時間弱。
窓ガラスの先にある
広大な大地を眺めながら、
アフリカに思いを馳せるのでした。
辺りが暗くなったころ、
バスは市街地に入ります。
どこまでも続く、家やお店。
賑やかな人々の往来。
イスタンブールに近づいてきたのです。
大都市に近づいているときって、
何とも言えぬ高揚感があります。
徐々に賑わいが増していくのは、
音楽でクライマックスへ
向かっているかのよう。
そしてバスは、
ボスポラス海峡にかかる吊り橋を渡り、
“ヨーロッパ”に入りました。
ああ、ヨーロッパ!
オトガルでバスを降りて
セルヴィスに乗り込み、
トラム(路面電車)の駅まで移動します。
(呪文みたいですみません)
トラムに乗って、中心部へ。
ここまでいくつか街を見てきて、
よく聞く、
「アジアから来た人にとっては、
トルコはヨーロッパ」
というのは言い得て妙だなあ、
と感じたのでした。
今日は、
“本場のケバブ屋さん”で
ケバブサンドを買って夕飯にします。
刃物を持ったおじちゃんは、
「俺はトルキッシュ・サムライだぜ」
って得意げに言ってきます。
なんて反応すればいいのやら笑
次回は、
イスタンブールの様子をお伝えし、
トルコ編の最終回とします。
やや落ち着いた旅が続いてましたが、
トルコから先は激動になります。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは、今日も良い1日を!
【関連記事】