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カリブ海の島へ【キューバ旅行記1】
こんにちは!yukiです。
今回から、全3回とコンパクトに
キューバ旅行記をお届けしていきます。
日本からはるか遠い、カリブ海の島。
その空気を楽しんでいただけるよう、
頑張って書いていきますね!
今回の旅行記では、事情により、
前書きのようなものを付けました。
それでは、どうぞ!
前書きのようなもの
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カリブ海に浮かぶ島、キューバ。
降り注ぐ太陽、サルサ音楽、
ラム酒、葉巻、クラシックカーが走る街…
僕が見たキューバの姿は、
そんなイメージ通りのものでした。
キューバへ行ったのは2016年。
アメリカとの国交が回復した直後で、
これからの明るい未来への希望から、
陽気なムードが漂っている時期でした。
しかしその後、状況は一変。
トランプ大統領が再び国交を断絶、
さらに経済制裁を課したことにより、
キューバ経済は苦しい状況となります。
現在は、生活物資が不足し、
厳しい生活を強いられているようです。
また、ここ数年で、
若者の国外流出が続いているとのこと。
(参照元:NHKの特集記事)
そのため、
この旅行記で紹介するキューバは、
現在とは違うのではないかと思います。
しかし、歴史上、
変化が起きない国はありません。
たとえ今とは違うにせよ、
ある時期における様子を伝えることには
価値があると思っています。
前書きが長くなってしまいましたが、
ここから旅行記に移ります。
楽しんでいただけますように!
時が止まった街
飛行機の窓から見渡す青い海に、
緑に包まれた大地が見えてきます。
キューバは、かなり大きな島。
ポツポツ小さな町が見えていましたが、
やがて大きな街が現れました。
首都・ハバナです。
飛行機から降りて、伸びをします。
「やっと着いた〜」
11月だったのもありますが、
想像していたより暑くありません。
心地よい湿気を含んだ風が吹いています。
やや古びた空港を出て、バスに乗り、
ハバナの中心地へ向かいました。
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「うわっ、かっこいい!」
道路には、クラシックカーがたくさん。
まるでタイムスリップしたかのよう!
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キューバは社会主義の国です。
貧富の差のない社会を目指しているため、
街なかに企業の広告はありません。
だから、街じゅう、
どこを写真に撮っても絵になるのです。
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水準の高い医療など
公的サービスは充実しているものの、
自由に使えるお金はあまり稼げません。
クラシックカーがたくさん残っているのも、
“買い替えられないから”
という消極的な理由もあるのだそう。
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とはいえ、道ゆく人たちは、
カリブ海の国らしく
なんだか明るい雰囲気です。
人生の愉しみ
目星をつけていた宿に行き、
荷物を置きます。
宿は古い建物の2階にあり、
少し古びていながらも広々としていて、
いくつかのテーブルセットが置かれた
コミュニティスペースがありました。
出かけようとしていると、
そこに座っていたアジア人の
男性に声をかけられます。
話してみると、日本人!
「一緒に歩きませんか?」
と誘ってくれたので、
2人で外に出ます。
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彼は、しゅーさんと言いました。
30代前半なので、ちょっとお兄さん。
「今回の旅は長いんですか?」
と聞くと、
「3ヶ月くらいかな。
まだ始まったばかりだよ。」
「ながっ!
お仕事は何されてるんですか?」
「レタス農家だよ。
暖かい時期に1年分の仕事して、
冬はいつも旅してるんだ。」
「へえー!いい働き方ですね。」
「日本帰ったら、
農業どんな感じか見においでよ。
旅で会った人はよく来てくれるんだ。」
農家×旅人という組み合わせ。
僕にとってはなんだか新鮮で、
いろいろな生き方があるんだな、と
目からウロコだったのでした。
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街を歩いていると、
いろいろなところから
音楽が聞こえてきます。
レストランだったり、
カフェだったり、
路上だったり。
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路上で突然サルサなどの演奏がはじまり、
近くの誰かが踊りだして、
やがて当たり前のように解散するのです。
こういう文化、
めっちゃうらやましい!
さて、話は変わって、
キューバの名産品・葉巻のこと。

現地の人たちは、
当たり前のように葉巻を吸っています。
新鮮な光景だなあ。
入ったカフェのメニューにも、
「葉巻+コーヒー」のセットが!
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普段はタバコも吸わないのですが、
これも経験ってことで、
葉巻セットを頼んでみることに。
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ケースに入った葉巻を渡されます。
なんだかカッコイイですね!
吸う側をハサミでちょんと切って、
口にくわえて火をつけます。
葉巻を楽しむときは、
煙を肺までいれず、
口に含むようにするのだそう。
しばらく吸ってみましたが、
うーん、何とも言いがたい…
まあ、タバコ吸わない人が、
美味しいと感じるわけもないか。
なんだか、
お酒に酔ったような感じになりました。
(調べたらニコチン酔いらしいです汗)
葉巻に酔って、ふらふらと、
夕暮れの海沿いへ歩いて行きます。
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「なんだかさ、キューバの人たちは、
人生を思いきり愉しんでる感じだよね。
こういうの、いいなあ」
しゅーさんがつぶやきます。
僕も、確かにそう感じていました。
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ハバナの夜。
私たちは、
かのヘミングウェイが常連だったバーで、
彼が愛したモヒートを飲んでいました。
爽やかなライムとミント、
ピリッとした炭酸、
まろやかな甘さとラム酒の香り。
ラテン音楽、ダンス、葉巻、ラム酒…
なかなか刺激的な街ですよね。
革命家の死
キューバに着いて3日目に、
フィデル・カストロが亡くなられました。
享年90歳。
カストロは、
チェ・ゲバラと共にキューバ革命を成功させ、
首相として現在のキューバを築いてきた、
伝説的な人物です。
数日間、国中が喪に服し、
至るところで鳴っていた音楽は止んで、
酒屋もすべて休業に。
ハバナの「革命広場」では、
追悼式典が行われました。
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友好国の代表者が、順に話していきます。
熱のこもったスピーチ。
集まった人々は、
カストロへの賞賛の言葉に対して
惜しみない歓声をあげているのでした。
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日本じゃ、
追悼式典でこんな歓声はあげないな。
でも僕は、
「こういうのも良いかも…」
とも感じたのです。
国の英雄なのだから、
その功績を讃えて、
精一杯に感謝の意を示す。
それもまた、
素敵な送り方だと思います。
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30代前半で革命を成し遂げ、
首相になったカストロ。
そして彼より年下だったゲバラ。
若き2人が立ち上げたキューバは、
歴史上の大きな区切りを迎えたのでした。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは、今日もよい1日を!
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