ライブレコーディングの活用方法
下北沢Music Island Oでは開店当初より「レコーディングができるライブハウス」をコンセプトに作った経緯もあり、ライブ本番をレコーディングできる設備が標準で備わっています。
本ページでは、ライブレコーディングの利点や使い方、注意点、レコーディング後の活用方法などについて解説していきます。
具体的には、録音の設定方法や音質の調整、データの保存と管理、そして録音後の編集方法などを詳しくご紹介していきます。
本記事は一般公開しておりますので、外部の方にもレコーディングにおけるヒントとなれば嬉しく思います。特に目次5.〜は一般の方にも楽しんでいただける内容になっているかなと思います。
また、ライブレコーディングによって得られるメリットや活用事例についても触れ、出演者さまの活動における可能性を広げるヒントを提案いたします。
ライブレコーディングをより効果的に活用したい方、初めて利用する方は必見の内容です。どうぞお楽しみに。
初心者の方でも分かりやすいように、本ページでは階層に分けまして詳しく説明しています。長文ではありますが、一つひとつの説明を丁寧に進めていくので安心してください。
1. Music Island Oでのライブレコーディングとは
当店では出演する際に音響担当より「ライブレコーディングしますか?」と尋ねられることがあります。
これは「本番をマルチトラックで録音」することを意味しており、通常のライブハウスでの「ライン録音」とは一線を画した内容になっています。
1度の録音に2000円掛かります。
録音という単位は、1バンドの1ステージを指します。
(例えばワンマンライブで2ステージを考えている場合には、2度の録音とカウントされます)
この録音方法は様々なメリットがあるので、当店ではご好評いただいているオプションとなっております。
2. ライブレコーディングのメリット
現場での録音手配が容易!
通常のレコーディングよりもお得!
マイキングや音響も万全の状態!
後日ご自身でのミキシングや整音、追加録音などが可能!
ライブ用にマイキングや音響を整えた状態が完成している中で録音手配を行うことになるため、通常のレコーディングに比べると低価格でのオプションご利用が可能です。
本番に向けアーティストのパフォーマンスが高まっている状態でライブ本番中意識することなく録音を進めることができます。
マルチトラック録音なので、データお渡し後ご自身でミックスが可能です。一部の差し替えや録り直しなども含め、後日ご自身で簡単に編集することができます。
マルチトラックは各位の演奏も鮮明に収録されるため、楽曲のアレンジ検討などにもご利用いただけます。
スタジオなどでのセルフレコーディングなどにトライしたことのある方ならこの利便性と価値を一発で感じていただけるかと思います。
※当店では営業時間外にレコーディングスタジオとして利用可能、ミックス・マスタリング作業の代行も行っていますので、興味のある方は直接ご相談ください。
3. ライブレコーディングのデメリット
イベントの時間配分などによりお受けできない場合がある
通常のレコーディングと違い「制約」は存在する
通常のレコーディングと違い「一発勝負」
ミスやトラブルが発生する場合がある
後日受け取ったデータはご自身で編集する必要がある
レコーディングしたデータの扱いは多少の知識が必要
イベントご利用の際に、ステージ転換時間を最小限に設定されている場合や収録困難な編成などの場合にはお受けできかねるレコーディング案件もございます。
「制約」とありますが。
あくまでもライブ本番そのものを行うためのセッティングを最優先していますので、通常レコーディング時に用いるような位置にマイキングができない、などの都合がでてきます。それ以外にも、目的以外の音がマイクに回り込んだり、通常のレコーディングでは起こり得ないことが起こります。これはライブレコーディングの宿命と考えることもでき、むしろ客席の雰囲気や想定外も含めたセットとして考えておくと良いでしょう。「これはどうやって収録するんだろう?」といった疑問やご心配などありましたら、本番を迎える前に音響担当までお気軽にご相談ください。ライブレコーディングなのでチャンスは一度きりです。これはライブでのレコーディングが通常のレコーディングと最も違う部分だと思います。通常のレコーディングであれば、テイクを重ねたりして1番良いテイクを選ぶことができますし、仮にトラブルなどが発生しても次のテイクにチャンスがあります。しかしライブの場合、お客様を前にして録り直すわけにもいきません。
その代わり、1回限りの「その場の空気感を切り取れる」という醍醐味も存在します。これは通常のレコーディングには当てはまらない考え方かもしれませんが、考えようによってはむしろメリットとも言い換えられます。録音をする側(当店)も一度きりのチャンスが台無しにならないよう、慎重に確認をして収録作業を行なっております。それでも稀に録音失敗が起きることがございます。
万一録音物に不備があった場合には、返金にて対応させていただいております。そちら以外の補償はお受けしておりませんので予めご了承くださいませ。録音完了後は、後日整理したデータをお手元にダウンロードしていただく作業がございます。ダウンロードしたデータは、各チャンネルが個別の音声ファイルにて出力されています。これら個別の音声ファイルを扱うためのDAWソフトという専用編集ソフトが存在します。
これらを使用してご自身で編集していただく必要があります。
DAWソフトは、簡単に行えるものからプロダクションレベルで使えるものまで多岐に渡ります。どのソフトも基本的にできることは同じです。これらを使用して編集・ミックスなどをご自身で行なっていただくことで初めてライブレコーディングの価値を発揮します。なお当店でも編集・ミックス・マスタリング作業などは別途お受けしておりますので、ミックスする手立てがないなどの場合にはご相談いただけますが、是非ご自身で一度トライしてみていただけると嬉しいです。
4. ライブレコーディングの段取りと進め方
基本的には当日のサウンドチェックを迎えた際に、音響担当よりお伺いします。
イベントの開場までに音響担当までお申し出ください。
※編成が複雑で困難だったり、当日のセット自体を録音向きに設営していない、時間配分的に録音作業を並行して行えないなどの場合には、お受けできないことがございます。ライブレコーディングを当初よりお考えの場合は事前にご相談いただくと安心です。
録音手配は音響担当の方で独自に進めていきます。本番中に録音を意識することはまずありません。気にせずライブに集中していただければと思います。
終演後に出演者ごと個別に精算をいたします。データは整理して後日クラウド経由(DropBox)でのお渡しとなりますので、連絡先をお伺いします。
データを分かりやすく整理してからアップロードいたしますので、通常3日〜1週間ほどお時間をいただいております。
万一2週間程度経っても連絡が来ない場合にはお手数ですがご連絡ください。
連絡が来ましたら、記載のリンクからダウンロードを進めてください。併せてお渡しするデータの詳細な説明も添付いたします。
ダウンロード期限はご連絡より1ヶ月間となっており、以降こちらでファイルの管理・保管はしておりません。
ダウンロードリンクを知っている方はどなたでもダウンロードが可能です。必要に応じてバンドメンバー間でご共有ください。また共有の際は自己責任にて外部に漏洩しないよう、十分ご注意ください。
なおデータのダウンロードから、作業環境の整備につきましては以前動画を作成しましたのでこちらも参考にしていただければ幸いです。
5. データを受け取ったあとの活用方法
Music Island O店頭でのライブレコーディングに関する情報は基本的に以上となります。
無事データを受け取りましたら、ファイルを用いてご自身で再度ミックスすることが可能となりますので、下記リンクより詳しい情報を覗いてみてください。
上記リンクの内容は、普段データをお送りする際にお付けしている記事になります。
ここからお伝えする内容はいわゆるDAW入門的な記事になるのですが、本編では巷によくあるレビュー・レッスン的な視点よりも、あくまでライブレコーディング音源を使ってなにができるのか?というポイントに絞ってお伝えしたいと思います。なのでググると出てくる「DAWにはこれが必要」といった記事とは根本的に異質な内容になっています。
ここでは実際にミックスするためにどんな環境が必要なのか。
どんなDAWソフトがあっておすすめはどれか。
ミックス・編集を始めるにあたってどんな準備をするのか、どんな作業ができるかなどを、順を追って詳しく説明していますので、興味のある方は是非ご覧ください!