8時間以内に女優だけで映画を撮るoctopus laboという場所を作ってみた。
2024年3月に企画を立てた。
octopus labo という企画だ。
ルール
・8時間以内に映画を撮る。
・監督|出演|撮影|脚本|照明|録音|美術|編集の8つの部署を、タコ足が生えたごとく、とにかく西尾友希が自分で全部やる。
この2つのルールで始めた本企画は、
3月〜9月の約半年間で9本の短編映画を撮ることができた。
大体は10分前後の話だ。
vol.04『この人生は夢だらけ』は
シアターカフェ4周年開放祭で上映後、ジーンシアターさんにて独占配信が決定した。
vol.05『きみは私のもの』はYouTubeで現在7.1万回再生以上されている。
そもそもの私がやりたかった事。
2020年〜2021年の年始時にぼんやりと、初監督作品撮り終わった後に、もっとコンスタントに映画を撮って、私の映画で女優さんを育てたい!って考えてました。
占いにもハマっていたので、それを駆使して女優さんを売り出す事をやりたい!プロデュースしたい!と思ってました。
で、やっと2024年の3月から半年やってみて気がついたんです。
全部、向いてないって。
半年を過ぎて気がついた。
プロデュースと、育てる事は向いてないと思いました。
なんでなら、私がまだ何者でもないし、何にもなれてないからです😂
人って人を助ける時って2つあると思って、
①もう既に全てを手に入れたものが、そうじゃない人たちを助けるのと、
②本当は自分が1番助かりたいのに、人を助ける事で自分の存在を肯定しようとする
その2種類あると思っていて、紛れもなく私は後者なんですよね😂
で、本来、助かるという行為は、①の人がやるからこそ意味があって、そして実際に上手くいくんだと思います。
②の人がすると、共依存関係になる恐れもあるのであんまり健全ではないんですよね。
それに気づいた時に、ヤバいなと思って、この思考をやめました。
演技がしたくても、その場所がない女優さんを助けたいと思って、当初この企画を立てました。
それが誰かの助けになると思っていたんです。
当初は!
でもね、その思考ってあんまり良くないなと思って。
それって特定の人と継続してやるからこそ意味があると思います。
単発的な事ではないんです。長期的で持続的だからこそ育てるって言えるしプロデュースになるんです。
だってね、会社だって部下を育てるのに1年や2年などの年単位でつきっきりになるんじゃないですか。
バイトでも3か月から半年くらいは育てますよね。
でも実際、2020年に構想してた時は、
そう考えてたんです。周りに居た女優さんを売り出すために年単位で持続的に色んな映画を撮ろうって。
でもみんな、そんなの私に望んでないんですよ。
それに気がついたんです。
私ではなく、もっと結果が出ていて、もっと経歴がある人にしてもらいたいんです。
そう。私よりも経験も結果も経歴もある人が本来ならやる事に意味があり意義があるんです。
単発で私の映画に出るくらいなら良いと思います。
だけどそう。私がやることではないんです。それは。
自己満足以前に、今の私がやってはいけない領域だと思うんです。
あと私の元に来る子は
色んな面含めて、私より恵まれてる子が多いので、私が逆に助けてもらわないといけない立場なんじゃない???なのに人助け?と気がついたのが大きいです。
理想と現実と、分散しすぎてる。
そもそも私が何故、自分1人だけで制作してるかって、それは全部自分の思い通りにしたいからです。
何度かチームも組みました。
それはそれで、楽しかった。
でも結局、私の監督の始まりは身近にいた女優たちだけで技術部を兼任して作品を作る方法から始めたんです。
そんな始まり方をしてしまったので、DIY感覚が抜けないんでしょうね。
ワシは何でも1人でするので、
まるでDIY映画監督だな、と。
もっと上を目指すなら、もちろんプロの技術部の方の力を結集させた方がいいですよ。
そりゃだって、もう画面からして出来上がりが格段と違いますから。
分かった上で、この手法をとってるんです。
しかも、自分も出たいんです。
演技が好きっていうよりかは、自分の作品に出たいんです。
1人芝居の映像も何度か撮ったんですが、
それだと満足しないんですね。
私が欲しいものではなかったんです。
結果、私は人を必要としてるんだなというのが理解しました。
で、自分も出たいし、自分の思い通りの映画も作りたいし、女優さんも育てたい。
……欲張りすぎやね?
そして私は当初考えていた事の1つに
色んな女優さんが出てくる図鑑みたいな映画をこの企画で作りたい!
でした。
そう。矛盾してるんです。
育てたいのに、色んな人とコラボしたい。
しかも自分も出たい。
上記したように育てるってのは単発的な事じゃなくて、継続的で持続的なことです。
そして1番大事なのは、それを望むのは私ではなく女優さん自身からなのです。
それを望まれてないのに!
やろうとしてるのは違うなと思ったので、やめました。
結局、私は何を得たかったのか?
私にとって得たかったのは仲間なのだなと思います。
これからも一緒に映画を撮り続けていける仲間。
映画祭に勝てるような作品を一緒に作れる仲間。
色んな意見を交わし合って、映画を純粋に一緒に制作する仲間が欲しかった。
育てるんじゃなくて、色んな面で一緒に面白い作品を作ることをできる、賞を目指して戦える仲間が欲しかった。
そしてそういう相手は、1回2回一緒にやった程度で手に入るもんじゃない。
し、それってもうお互いがそういう気持ちにならんとなれないんです。
私も多分相手にあなたとずっと撮りたいですって言わんと伝わらんのです!!!
んで、育てるってのは、まだ早いんですね。
この段階の私がやることではないんですね。
百歩譲って、一緒に成長できる相手を探すなら今の私に必要だとは思います。
育てるのフェーズにいくには、
ちょっと気が早くなりすぎた。
おそらくあと10年以上くらいは色々して経験してから言って欲しい。
そう。私は何でも気が早いんです。
みんなを置いていくロケットみたいな感じです。
宇宙飛行士乗ってないのに、もう宇宙まで飛び立ってしまった!みたいな。
それに気がついた半年でした。
映画9本と、自分の望みの理解を深めることを手に入れました。
season01〜03のまとめ
9本撮って、それを前半戦にする事にしました。
3本ずつをseason01.02.03と区切って
9本できたので、ちょうど半年も過ぎたしこれを前半戦としようかなと思って。
とにかく前半戦の総括として、
①音に悩まされました。
音はね、本当、素人が録ると聞いてられないです。
色々と悩み悩み悩み、vol.08とvol.09あたりで改善されてきたと思います。
②vol.06辺りから画面のクオリティが上がってきた。
原因不明なんですが、おそらくちょっと慣れてきたのでクオリティが上がった気がします。
③役者さんの自主性を重視しまくって最低限の演出しかしてなかった。
もうほぼ、自由に思うままにやってもらってました。
特に要望も出さずに。好きなように楽しんでもらってました。
これからどうするか?
①演出をしっかりつけたい
前半戦では役者さんの自主性に結構お任せしていたんですが、後半戦ではしっかり演出もつけたいなと思いました。
役者さんのもってきた演技を底上げするように、最後の仕上げをやりたいなと思って。
②2人芝居ではなく3人芝居もやりたい
2人芝居に、こだわり抜いて、9本全てを2人芝居にしたんですが、
そろそろ!3人芝居とかもやりたいなと思ってます。
1人で全てやる撮影の手順に慣れてきたので、人が増えても大丈夫だなと最近思ってきたので。
あと単純に3人芝居って面白い。
基本は2人芝居の脚本ばっかり思いつくので、
たまに3人芝居思いついたら出来たらいいなと思います。
③映画祭に勝てるようなクオリティを追求する
実際、勝てるかどうかは置いといて。
前半線が映画制作の楽しさの追求だったならば、後半戦はクオリティを重視していくフェーズにいきたいなと思ってます。
最後に
映画制作なんてね、自分の見たくないものを見る事が多々ありますね。
それが作品を作るってことかもしれないですね。
これからも自分の嫌な部分めっちゃ見えてくるし、それが見えると他人の嫌な部分も山ほど目につくんですよ。
でもそれが創作の醍醐味だと思います。
色々考えた末に、私はoctopus laboで色んな人とコラボしたいんだなと思いました。
育てるとか、プロデュースとか、そんなんはもう出来ないんですけど、向いてないし、
今は、色んな人とコラボしたいです。
色んな人の考えとか話を聞くのは好きなので。
そして悩みたいんだと思います。
他人ってやっぱわけわかんねえな!と思って、理解しようと頑張りたいんだと思います。
それをする場所にしたいですね。
シンプルに。
最初立ち上げた時は、女優俳優図鑑作りたい!みたいな事を言ってたと思うんで、
その原点に立ち帰ります。
そしてその出会いの中で成長したいです。
私たちの仕事の醍醐味って、
色んな人と出会って、色んな現場を経て、
変わっていく、何かを得たり、与えたり、与えられたり、失ったり、捨てたり、選んでいく……そういう楽しさがあると思うんです。
色んな出会いや経験を経て、
また過去に一緒に作品を作った人と再会して、
お互いにその経験を持ち寄って、作品を作れたら1番面白いですね。
octopus labo シリーズ。