#6【経営雑感】昔ながらの中小企業が取り組むべき中途採用・育成ノウハウ
こんにちは。
noteの読者層に、中小企業のおっちゃん的な人はいないような気もするので、意味がないかもしれないと思いましたが、自分のノウハウ整理のために記録しておきます。
昨今、人手不足倒産とか、採用難とか言われます。これは厳密に言えば、『今まで通りの方法で採用できなくなった』というのが正しい言い方です。前回の記事にも書いた、デジタル世代とアナログ世代の、すり合わせようのない意識格差が、採用難につながっているように思います。
さて、そんな今日は、僕が社長を務めている会社で、2か月で男性中途営業を7名採用した方法について、記載をしたいと思います。
1.何を使うか ~どこに求人を載せるか~
人材を採用するためには、当然ですがまず求人媒体を使う必要があります。何らかしらの媒体に求人情報を掲載するのです。
採用が成功するか否かは、まずこの求人媒体選びにかかっています。しかし、日本に数多ある求人媒体の中で、何を選べばいいのか…
この選定によって成否は50%決まっています。そしてもう一つ、どんな人から求人媒体を買うのか、これが残りの成功の秘訣の50%を占めています。
まず、どこに掲載するか?についてですが、地域別で強い・弱い媒体が異なるようです。当社の場合、はじめに同時期に異なる2つの媒体に掲載しましたが、露骨に差がでました。
A社 応募ゼロ 金額2か月で50万円
ちなみにここは2度と使うつもりはありません笑
B社 応募10件 掲載期間1.5か月(キャンペーン)で50万円
結果、B社からの応募で4名面接して、1名内定を出し、1名入社となりました。これは、2019年2月のことで、この2社の比較をしたことで、媒体別に同時期でもここまで差があることを実感しました。
さて、続いて媒体をどこから買うのか?という問いについて答えます。
採用媒体を購入する方法は2通りあります。1つは直販といい、M社やR社、E社などの営業と直接商談をして契約する方法(直販)、もう1つが媒体を販売している営業代理店から買うという方法です。
結論、1番成果が出るのは、代理店として小さくやっている会社(または個人)です。
代理店で、特に立ち上げして間もない代理店の場合、即成果を出さないとリピートで購入されません。独立したてはみんなそうだと思いますが、まずは結果を出して、繰り返し依頼・注文を受けられる信頼関係を作ることが重要なのです。
当社の場合、ある大手代理店から独立して、個人で営業会社を立ち上げた方にお願いしたのですが、スカウトサービスも代行でやってくれるし、マメに情報提供もしてくれる、求人原稿のアドバイスから、面接の状況確認まで、ホントに丁寧にやってくれました。
2019年の秋に新卒採用をあきらめて、中途採用にシフト、10月半ばから掲載して、12月中旬までのべ15件程度の応募が来ました。また当社の場合、採用サイトも作成しているので、そこからも応募が来ました。
「採用難」の時代、そもそもまず応募が来ない。というのが現状です。まずは「応募が集まること」が媒体掲載の価値です。当社に協力してくれた彼は、その価値を最大化してくれました。
2.どう面接するか ~自社をどう魅せるか~
さて、採用もKPIで考えると下記のような式になります。
①応募数×②面接率×③合格率×④(1-内定辞退率)=入社数
①の応募数は、1で解説した通りです。②の面接率は、応募の質にもよりますが、当社の場合は80%くらいは面接できました。単純に、社長の私個人がショートメールで日程のやり取りをしていたからでしょう。
③の合格率と④の内定辞退率が面接におけるキーサクセスファクターです。
どういう人を合格とするか、どうやって内定辞退率を下げるか、この2点はほぼ面接で決まります。
面接の目的は、「自社への魅力付け」です。私は1次面接で自分が全員面接しました。
面接の内容は以下の通りです。
1)今日の流れについて説明する
2)自社のPRする動画を見せる。
3)軽く雑談しながら、応募までの経緯を聞いたりする。
4)当社の価値観を説明する。
5)仕事内容・待遇を説明する。
6)次回に向けた課題を提示する。
と大体この流れで全員行いました。1人あたり90~120分くらいかかっていると思います。
動画は、たまたま地域のケーブルテレビの取材で作成してくれたものを購入し使用しました。資料もパワポで作って配布しています。
この時に重要なのは、1)の当日の流れの説明です。今日は面接ではなく、お互いの価値観を知る面談であること、そして当社の価値観に共感し、次のステップに進みたいと思えれば、その説明をする、という話をします。
もう1つ重要なのは、6)の次回に向けた課題です。応募者は、応募企業について浅い調査しかしてきていません。その際に、当社で何がしたい?とかこれから何をやりたい?みたいなことを聞いても意味がありません。だって絶対調べてないもの。
だから、1~5で魅力付けして、最後に次の面接でプレゼンをして欲しいということを宿題とします。宿題の内容は
1)当社に関する印象
2)調べた範囲で分かったあなたが感じる当社の強みについて
3)当社でどんな仕事をしてみたいか
4)仕事を通じてどんな生き方をしていきたいか
この4つです。
この4つを次回の面接でプレゼンしてもらう訳です。プレゼンには資料も付けていいよと添えて、面接に向けた意欲を測定します。(入りたければちゃんと作りますし)
なお、この時点で次に進んでも、中途半端な魅力付けだったり、気後れする人はこの後辞退してきます。
このように、一定の時間をかけて魅力付け、そして意欲は次の面接で測る、というのが今回成功した黄金パターンです。
3.どう育成するか ~育つ仕組みづくり~
そして、採用後に重要なのがこの「育成」フェーズです。ほとんどの会社は、このノウハウがありません。ちなみに、育成というと、横について教えるイメージがありますが、方法論はそれだけではありません。また教えることがすべて育成ではありません。
自分もやってみて、自分や誰か中心的な人だけがやっている場合、再現性がなく、育成に偏りが出ます。教えあい、育つ環境を作るのが経営者の仕事かなと感じました。
さて、具体的な育成ノウハウですが、育つ仕組みづくりとして以下の計画やツールの作成を推奨します。
1)入社1年目の数字目標設定シート
2)習得すべきスキルリスト
3)動画教材
当社はこの3つを使い、あとは各チームへの配属によるOJTで育成しました。特に3)は結構力入れて作りました。自撮り棒でiPhoneを固定し、ホワイトボードにむけて研修している内容を録画、それを動画編集者にテロップを付けてもらい、YouTubeで限定公開して、新人スタッフに見てもらいました。
これらの準備により、最初に何もすることが無い!とかいう状況は無くなりました。とりあえず新人向け動画は10個くらい作りました。業界のこととか、仕事の基本とか、マインド基本とか、当社のルール基本とか。
編集してくれるフリーランサーがいるんですが、1動画7~8000円でやってくれました。変なコンサルに頼むと1日20万とかですから、自分でしゃべってそれを編集してもらった方が、何倍もコスパいいですよね。
あとは現場のOJTで色々同行してもらいながら実務は覚えてもらいます。こんな感じで育成をして、当社の営業スタッフは現在スクスクと成長中です。
採用・育成に困っている方がいれば共有してあげてください(^▽^)/
では!
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