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メタップス佐藤さんの『お金2.0』を読んで

 昨日出たばかりのメタップスCEO佐藤航陽さんの『お金2.0』を読みました。ちなみにメタップスは皆さんも使っているネットショッピング決済システムや、仮想通貨の取引所の裏側のシステムを構築していたりします。

「お金とは?」「働くとは?」「価値とは?」「経済とは?」…など、テクノロジーの発達と人類が歩んできた歴史を掛け合わせて分かりやすく書かれた名著です。物凄く面白かったので全日本人におすすめです。

以下、超超超ざっくり南なりの学びです。詳しくはぜひ本を読んで欲しいです!一緒に議論しましょう。

①既存のお金の価値はどんどん下がっていく。

なぜなら中央銀行が発行する中央集権的な構造は崩壊し、個々人が自律して権力が分散する自律分散社会になるため。(過去の歴史から見てもそうなることは自明)
また、現在用いられているPL/BSなどの財務諸表が作られた産業革命の時代には、インターネットやSNSが存在しなかった。故に現在の財務諸表には、『インターネット上での個々の行動データ』『SNSでのソーシャル上の繋がりデータ』などを価値として図る指標が無いが、現代社会においてはこの価値は無視できない大きなものとなっている。

→添付の11/29の日経の記事の伊藤レポート2.0でも述べられているように、「無形資産が収益を生み出すことへの期待」が株価を押し上げる時代になってきており、既存のPBR(PER)などの投資指標ではその企業の伸びしろを評価できなくなっている。
例えばスタートトゥデイ(ZOZOTOWN)がZOZOSUITをリリースしたのは皆さんご存知の通り。この開発によって投資先行で財務諸表的には赤字が出るかもしれない(憶測)けど、この斬新過ぎる取り組みによって「ファンの心を掴む」ことができればそれって今後の収益拡大の材料となります。しかし現在の財務3表のPL/BS/CFには「ファンの心を掴む」ということを評価する指標って無いよね、ということ。

※解説:PBRが30倍以上というのは「割高」と判断されて、普通は株が売られる対象になりますが、スタートトゥデイなどの企業はそんな指標はお構いなしに株価を伸ばし続けてるので衝撃的。
そこで「そもそも、今まで使ってきたPBR(PER)って考え方は古いんじゃね?」という問いかけ。それこそがまさにお金1.0からお金2.0への遷移。

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②スマホやSNSの普及によって、人の『熱量』が一瞬にして伝播するようになった。

お金儲けのために動く人ではなく、『熱中して行動をする人』に利益が集まるようになる。 例えばtwitterで100万フォロワーを抱えている人は所持金ゼロ・知識ゼロだとしても、熱量をもった企画でクラウドファンディングを作れば一瞬にして1億円を集めて、更にはその道に精通した人から知識も集めることができる。

→堀江貴文も著書で繰り返し言ってるように、『情熱さえあればなんだってできる。お金が無い、時間が無いと言うのはただの言い訳』とはまさにその通り。これからはいかに熱量を持って人の心を掴めるか、ということに価値が移っていく。それと同時に既存のお金の価値は下がっていく。

[追記]クラウドファンディングを実施して265名から500万円以上を集めることができました!

③「働く」について。

『自分自身の価値向上』が見込めないのであれば、給料が高いとしてもその会社の仕事はすぐに辞めた方が良い時間という資産を消耗してしまうから。
大企業の部長というポジションには、その企業が定めた『肩書き』に価値があるので、人が変われば肩書きの価値は変わらなくともその『人』の価値は無くなってしまう。

給料が高くても自分の価値を上げない仕事、やりたくもない仕事は、自然の原理が働いて、未来はAIなどに代替されてその職業は淘汰されていく。

まるで我々が江戸時代の士農工商の階級制度に縛られていた江戸の人々を見るような目で、80年後の高校生が、
『週に5日間も朝から晩までやりたくもない仕事して給料もらって苦痛に耐えてた時代があったらしいよ!?やばくない!?』
という会話をしているかもしれない。

→これもめちゃくちゃ共感。自分の価値向上に繋がらない仕事は「時間の損失」ですよね。僕は色んな投資をした経験上、心から思うのですが、失ったお金はいつでも取り返すことはできるけど、失った時間は永遠には取り返すことはできない。

もし仮に『働き方改革で、働く時間を短縮』という『名目』だけ使って、ただ単にサボろうとするオジサンがいるような職場だとしたら、そんな「時間の浪費」に付き合わされるのは、未来ある若者の機会損失なので今すぐ離れるべき。

ちなみにこの「働き方改革」に関する11/30の日経の記事で、全く打ち合わせしていないはずの伊藤忠商事の岡藤社長とモルガン・スタンレーMUFG証券のフェルドマン氏が「日本の働き方改革の誤った認識」に対して、全く同じ指摘をしていて非常に興味深かったのでご一読ください。

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 労働時間を短くすることって副次的な産物であって、本質的には「生産性を上げる」ということ。ではこの「生産性を上げ」ようと会社の上層部が具体的なアクションを動いているのかどうか、いま現在の皆さんの職場でぜひ当てはめてみてください。

生産性を上げようとして、
☑勤怠や経費などの雑務が無くなるように新システム構築に投資をしている。
☑無駄な仕事を断るとプラス評価など、評価指標を大幅に変えている。
☑働かないオジサンを退職(大幅減給)させて組織の新陳代謝を高めている。

上記のようなことをしている日本の企業は1割も無いのではないでしょうか。だとすると、その「生産性が低い」組織に居続けて、「時間」という資産を浪費し続けて良いのでしょうか?
「熱量」を持って取り組めることがあるならそこに突っ走った方が良いのでは?と、心から思います。

以上、この本に関しては、もっともっと書きたいことがあるのですが、それは実際に読んでもらってから南と議論をさせていただきましたら幸いです!

佐藤さんの情熱が文章でびんびんと伝わってきて、僕はこの本をソッコーで買い、1日で読みました。そして心を掴まれてこの記事を書いています。これこそがまさに新しい価値、「お金2.0」ということなのです!

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