天国で生きるか、それとも...
夢を見た。
天国のように美しい虹色の大きな海にいる夢。
空も海もどこまでも広く、穏やかで、薄いブルーと淡いピンクのグラデーションの海。
幸せの中に浸っていた。
完全なる平和だった。
と、急に帰らなければならないことがわかった。
ヨーロッパのどこかと思われる島の小さな白いホテルの部屋で、飛行機の時間を見た。
フライトは1時間後。
しかも、到着した翌日には、
仕事で韓国だか中国に、また飛ばなければならないことを知った。
天国から一変。
突き落とされた感じだった。
「ええ!うそでしょ!?タクシーどうやって呼ぶの?間に合うの!?」
焦り、動揺する。
天国は一瞬にして消え去った。
イケメンホテルマンが、
「僕が連れて行ってあげる。大丈夫だよ。」と言ってくれる。
こんなに大変でも助けてくれる人がいる。ありがたかった。
けれど、帰りたくない。
後ろ髪を引かれながら、急いで車に乗り込み高速を走る。
そこで目が覚めた。
明け方の3時50分頃。
「なんて素直な心なんだ。」
目が覚めて、すぐに思ったことである。
これは、コロナで発熱にうなされていた時の話。
数日間、仕事からパッタリ離れて発熱の苦しさと裏腹に平和な時間を過ごしていた矢先にLINEが入った。
「体調不良のところすみません。来週〇〇の件で打ち合わせをお願いします」
「体調が悪いところすみません!〇〇の件を◯日までに考えておいてください」
「体調が悪いところ申し訳ありません。〇〇の打ち合わせを金曜にしますが、オンラインで参加できますか」
あぁ、そうだった。
アレもこれも、やらなきゃ「いけない」ことが山積みだった。
「熱が上がるぜよ。。」
毎年、年末から1月の終わりまでは、仕事のピークなのだ。
また追われる気持ちになった。
…やりたくない。
これが正直な気持ち。
今の仕事が嫌いなわけじゃない。
ただ、他にもっとやりたいことがある。
いつからかそれを押し込めて、自分に呪いをかけてしまった自分がいて、またそこから抜け出そうとしていたこの数ヶ月。
病気の時というのは、健在意識と潜在意意識の境目が薄れる気がする。
自分の潜在的なものが現れることが、よく起こる。
自分からのなんともいじらしいわかりやすいメッセージを目の当たりにして、
もはや何も言い訳は浮かばなかった。
うん。戻らなくていい。
あの天国みたいなところにいたままでいよう。
困っても必ずあのイケメンのように助けてくれる人が現れる。
フライトにはもう乗らない。
片道切符でいい。
そう思った。
仕事を辞めるということではない。
ただ、心の持ち用の話である。
自分がどっちに身を置いて生活をするか。
「やらなきゃ」になった時点で、それは幸せとは逆の方に走っている。
やればやるほどに、疲れてすり減るのか。
それとも、充実して満たされていくのか。
考えるとテンションが上がるのか。
それとも、下がるのか。
自分がやっていることは、果たしてどっちだろうか。
もし、迷いがある人は自問してみて。
すり減っていたら、まず、決めることじゃないだろうか。
「天国で生きる」と。
可愛い可愛い、この世にたった一人しかいない自分なのだから、
不幸より幸せの方がいいに決まってる。
幸せになるために、ここに生まれてきたのだから。
自分の舵取りは自分がしてあげるしかない。
自分を幸せにできるのも自分しかいない。
もう、天国にいるままでヨシ。
そう、自分に許可しよう。