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推しとは何か
1. 「推し」という言葉の広がり
近年、「推し」という言葉を耳にする機会が増えました。「推し活」「推しメン」「箱推し」「推し増し」など、さまざまな派生語も誕生しています。一般的に「推し」とは、好きなアニメキャラクターやアイドルに対して使われる言葉ですが、近年では「〇〇先輩推してます」「〇〇温泉推しです」など、人物以外にも地名や商品に対しても使われるようになっています。
また、「推し活」という言葉が交通機関の宣伝などにも使われるようになり、この文化はますます一般化しています。
2. 「推し文化」の歴史と変遷
「推し文化」をたどると、「オタ活(オタク活動)」が「推し活」へと変化してきた経緯が見えてきます。起源は秋葉原を中心としたオタク文化にあり、平成の前期ごろからアニメ・アイドル・メイド文化が広がりました。現在では「クールジャパン」として海外からも注目され、観光やインバウンドにも影響を与えています。
しかし、かつてオタク文化は社会的に受け入れられにくい時期がありました。特に中高年男性が中心だった時代には、偏見を持たれることが多かったのです。一方、現在の「推し活」は10代から20代の若年層、特に女性の割合が高くなり、文化として受け入れられるようになりました。「オタク文化」との違いを明確にするために、「推し文化」という新たな言葉が生まれたと考えられます。
私の推し活の歴史
3. アイドルオタクとしての8年間
私は関西の大学生で、中学時代からアイドルオタクをしており、オタク歴は8年になります。アイドル以外では、埼玉県の秩父地域や東急東横線も「推し」として大切にしています。好奇心旺盛な性格なので、他にも「推し」はたくさんありますが、それはまたの機会に書こうと思います。
そして、私は今、オタク人生・推し活人生の大きな節目を迎えようとしています。
8年半応援してきた乃木坂46の3期生・与田祐希さん(以下「与田さん」)が卒業するのです。ここでは、私と与田さんとの関係について振り返ってみたいと思います。
4. 乃木坂46との出会い
中学生の頃、私はオタク文化に対して少なからず抵抗感を持っていました。毎週渋谷のタワーレコードを通るたびに、「オタクがたくさんいるな」と対岸から眺めている程度でした。
しかし、2016年にドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』をきっかけに星野源さんにハマり、そこからシンガーソングライターの音楽を聴くようになりました。同年7月には元NMB48の山本彩さんを知り、ファンになりました。そして、地元のCDショップで山本彩さんのアルバムを探していた際に、偶然手に取った乃木坂46の3rdアルバムが、私と乃木坂46の出会いでした。
その後、『乃木坂工事中』やオールナイトニッポンを視聴し、気づけば乃木坂46のファンになっていました。友人の誘いでライブや握手会にも参加するようになりました。
5. 与田祐希さんとの出会い
2017年、乃木坂46の17thシングル『逃げ水』の選抜発表回を偶然観たのが、与田さんとの出会いでした。自分の名前も「ゆうき」なので親近感を持ち、3期生ながらもセンターとして乃木坂46を引っ張る姿に惹かれ、「推しメン」になりました。やがて握手会に通い、生誕実行委員会にも参加するようになりました。
この頃、乃木坂46は大きく成長していました。『インフルエンサー』でレコード大賞を受賞し、翌年も『シンクロニシティ』で連覇を達成。史上初の明治神宮球場と秩父宮ラグビー場での二会場同時ライブも成功させました。私も乃木坂46にどんどん引き込まれ、毎週のようにイベントに通う生活になっていました。
6. 推しとの距離と復帰
しかし、2020年に人生の転機が訪れ、日本を一時離れることになり、乃木坂46とは距離を置くことになりました。
2021年に帰国後も大学受験の関係で現場には行けず、オンラインでのライブ視聴にとどまっていました。オンライン握手会(ミーグリ)には一度も参加せず、乃木坂46との接点は薄くなっていました。それでも、「必ず戻る」と決めていました。
2022年、乃木坂46はデビュー10周年を迎えました。私は大学受験を終えたら10周年記念ライブ(バスラ)に参加することを目標にし、結果的に日産スタジアムでの10thバスラに参戦できました。
途中で距離を置いた時期もありましたが、5th〜13thバスラ付近まで8年間応援し続けたことには大きな意味があったと思います。
7. そして、卒業へ
2025年、ついに与田さんが卒業します。これは私にとって、推し活の大きな節目となります。
この8年半のオタク人生を振り返りながら、改めて「推し活」の意味について考えたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!