髄液が漏れて動けなくなった話 ③ブラッドパッチ編
続きを書く前に、、
私はもともと、自分の人生で起こる問題を他人のせいにする、
いわゆる“被害者意識”の強い人間でした。
離婚調停のときも
「旦那が私のことをわかってくれない」
「旦那に苦しめられた」
「離婚したいのに旦那が応じない、そのせいでストレスがかかる」
と、自分の不安やストレスを、旦那という“他人”のせいにしてた。
結果、ストレスと不満だらけの日々を過ごし
ついに身体にも限界がきて、“脳脊髄液漏出症”という
珍しい病気になってしまったのです。
けど、自分の在り方を見つめ直し
今では、心も体も、
以前とは比べものにならないくらい健康になり
ごきげんな日々を過ごせるようになってきました。
そんな私の、病気の記録です。
*
~前回までの振り返り~
2018年6月、突然、強烈な頭痛に襲われ、日常生活が送れなくなりました。
3週間の入院治療をするも、頭痛が消えることはなく、専門医を受診することにします。
紹介されたのは、奈良の病院。
(大阪に専門の病院がない、という衝撃!)
爽やかな男の先生でした。
検査ののち、
やはり髄液が漏れている可能性が高い
ということで
「安静」から、次の治療に進みます。
それが今回のタイトル『ブラッドパッチ』
またも聞き慣れない言葉ですね😅
実は名前のまんまで
ブラッド=血液 で、
パッチ=フタをする
治療方法のことです。
人間の血って、放って置くと固まる性質がありますよね。
すり傷にカサブタができるでしょ?
アレです。
その性質を利用して、
髄液が漏れてる箇所に血液を注入して
穴を塞いじゃおう!
っていう治療方法です。
この『ブラッドパッチ』
2012年から先進医療に指定されており
2016年4月1日に「脳脊髄液漏出症」の治療法として保険適用されたばかり。
高度の医療技術を用いた医療、
いわゆる“先進医療”に、
血液が固まるという
人間が本来持つちから=“自然治癒力”
が使われているって
興味深いなと思います✨
*
ここからは私の体験談。
ブラッドパッチ当日。
何やらでっかい機械がたくさんある部屋に運ばれ、
うつ伏せで寝ます。
確か、お医者さんが3人、そして機械を操作する技師さんなど
思ったよりもたくさんのスタッフがいたように記憶しています。
そのうちの1人が、私の右腕から血液を採ります。
その注射器を受け取った別の先生が、
私の首の後ろ、髄液が漏れている箇所に少しずつ血液を注入していきます。
(うつ伏せなので、実際は見えません)
麻酔が効いてるのもあり、皮膚の痛みは我慢できる程度なのですが
血液を入れるときの感覚は独特でした。
熱い。
で、だんだん頭が痛くなってきて、私がギブアップ!
したところで終了。
「2cc入りましたー」
「少ない量だけど、ちゃんとはいってましたよー」
っていう先生の声を、ぼんやりした頭で聞いてました。
そして、ブラッドパッチを終えて病室に戻った私に
試練が訪れます。
*
ブラッドパッチを終えてしばらくは
血液が固まるよう、安静が必要です。
特にブラッドパッチ直後の2時間はうつ伏せ、その後もしばらくは寝てないといけない。
動いて、血液が固まる前に移動してしまったら大変です。
なので、じっとしていたのです。
じっと…
が、
何時間か経過したころ、
ある思いが湧き上がってきます。
「トイレ行きたい…!」
術後のぼんやりした頭の中は
もうトイレのことでいっぱいです。
ブラッドパッチの前に行っときゃよかったよ。
どうしよう、ナースコール押す?
導尿…になるのかな
トイレ行くくらいなら大丈夫か?
いやでも万一そのせいでうまくふさがらなかったら…
やばい、漏れそう。
髄液漏れてるだけに?笑
いや違う違うそうじゃなくて!
30代女子が漏らすってどうよこれ
やっぱりナースコールか?
あーーートイレトイレ
助けて神様…!!!
と、そのとき、主治医の先生が!
一通り説明を聞いたあと
「ト、トイレ行ってもいいですか?」
「いいですよーどうぞ!✨」
ええんかいっ!!!
素知らぬ顔で先生を見送ったのち、
そうっと、しかし猛ダッシュでトイレへ向かい
事なきを得たのでした。
こうして無事にブラッドパッチを終えた私は、
予定通り1週間ほどで退院。
1か月後の検査まで、自宅療養することとなります。
→④治癒編に続きます
ここまで読んでいただきありがとうございました!
長くなりましたが、次回で終わりです!