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ゴミ人間と僕
西野亮廣さんの「ゴミ人間」を読み終えて昔の自分の境遇と重ねてしまいました。
*ちょっと長くなると思いますので暇な時に読んでもらえたら嬉しいです。
20歳になり美容専門学校を卒業し、千葉に上京し働き始めました。その当時はなんとなく「スタイリストになっていくんだろなー」とぼんやりとした感じで夢も何もない。ただ日々募っていくのは何か満たされていない自分。
そんな中で1つの疑問が頭の中をぐるぐる回り始めた。
「僕はこのままでいいのかな?」
この現状で想像できた未来はとてもつまらない世界で死んだように生きている姿。
「いややっぱりだめだ」
「音楽やりたい。」
元々音楽は大好きではあったものの自分で作曲したり演奏をするのは全くしたことがなかった。
僕の気持ちの中で溜まっていくモヤモヤを表現したい。「思想の具現化」をして作品を作りたい思いが強くなっていきました。
「絶対こっちの方が人生生きてる気がして楽しい!」
そう気付き始めた時には美容室で働きながら暇な間、先輩の目を盗んで頭に浮かんだ詩やメロディを携帯に書き留めてたり想いは完全に音楽に向かっていました。
このままだと美容師も音楽も中途半端になる。
もう美容師を辞めよう。
社長にアポを取り辞めたい意思を伝えに行きました。
*ま(僕) 社(社長)
ま「社長、僕音楽をやりたいので辞めさせてください。」
社「うん、そうなんだ、でもね。」
ま「はい…」
社「今君がやろうとしていることはね、僕が今からプロゴルファーになる。って言っているのと一緒だよ。それでもやるの?」
ま「僕は今どんなことを言われようとも覚悟してお話してるので考えが変わるつもりはありません」
社「そっか、わかった。また美容師したかったら戻ってきな」
僕は虚しさと悔しさといろんな感情が出ていました。「なんで純粋に応援してくれないのだろうか」
ただ唯一味方だったのが当時一緒に働いていた店長だった。僕が美容師として働く最終日帰り際。
ま「店長お世話になりました。ありがとうございました。」
店「まえしー今までありがとうね。短い間だったけどね。
ま「そうですね。笑」
店「でもね、僕はそうやって決断出来ることは良いと思うよ。僕はなんだかんだここまできてしまって今やりたいことがあってもなかなか踏み出せなくなってる。だからそうやって踏ん切りつけて覚悟して挑戦するのが羨ましいよ。だから応援してるよ。」
ま「ありがとうございます…」
僕はその優しい言葉に美容室の扉を閉めた後、抑えていた涙で溢れ前が見えなくなっていた。
(電車乗りながらボロ泣きしてたよ。)
美容師を辞めたものの今後の具体的な予定が決まっていた訳ではなく完全な見切り発車だったので「仕事しなきゃ」と音楽のこと少しでも学ぶために音響映像の会社に就職し働きながら音楽活動をすることにした。
ある日僕が美容師をやめて音楽をやろうとしていることを聞きつけた美容学校の友達が「俺も音楽やりたい!バンドやろう!」
その一言でバンドが結成され、今後の活動戦略や作詞作曲。メンバー集めをなど毎日2時間電話でミーティングしたり。(彼女か)友達は活動の為に僕の家の近くに引っ越してくれたり。とても充実していた。
「僕のやりたかったことはこれだ!」
毎日が刺激的で楽しくて今まで作曲をしてなかったのが出来るようになり少しずつ自分の想いが形に出来るようになっていた。
もっと音楽に時間を使いたい。
そう思った僕はパワハラブラック企業の音響映像の会社を退職し、バイトを2つ掛け持ち生活を始めたのは24歳の時でした。
1つのバイトは週5で朝8時〜17時まで。
2つ目は週3〜4で家に帰って仮眠して21時〜25時までバイト。
8時〜25時まで働いてました。
労働時間、月240時間くらいの時も。
睡眠時間2.3時間なんてザラ。
それもこれも音楽の為。
凄い大変だったけど楽しかった。
一緒に戦う仲間もいたし1人じゃない。
「だが楽しい時間も長くは続かなかった。」
バイトが忙しくなって中々音楽活動が出来ない時があり、ちょっとそろそろやんなきゃなーと思い友達に「今日作曲しよーぜー」とのび太おい野球しようぜ!とジャイヤンみたいに誘ったら絶望的な返事が返って来た。
「ごめん、俺実家帰っちゃった。」
頭が真っ白になった。
バンドが出来ない?音楽出来ない?感情が入り乱れて整理がつかない。「なんで帰るって相談してくれなかったんだ」とも思ったがきっと彼なりに理由があったんだなと深くは追求はしなかった。
「また振り出しに戻ったな。」
僕は1人になった。
でも音楽は全く諦めてはいなかった。
「バンドが出来ないなら1人で出来ることをやればいい」そう思い今の空間サウンドクリエイターが生まれた。
ただ作曲をして発表しても誰も聞いてくれないだろ。まずは知名度を上げるために結果を作らなきゃ。
Twitterを使ってYouTuber1人1人に「初めまして音楽を作っている者です。良かったら無料でbgm作るので使ってもらえませんか?」とDMを100人くらい送りました。
有名YouTuberから無名な方まで片っ端から送りましたが結果は惨敗。
そりゃそうですよね、無名な誰の骨の馬かわからないやつに頼みたくはないですよね。でもそんな中2組のYouTuberが「いいですよ。」と引き受けてくれた。
要望を汲み取り心を踊らせてbgmを制作し完成したモノを送り、僕は喰い入る様に動画を観ていた。でも動画を観ても一向に僕の作ったbgmは流れない。
そう使われなかったのだ。
悔しかった。
否定された気持ちなった。
「お前の作品は大したことないな。」
「やめちまえ」
心中の悪魔が僕に囁き始めました。
「僕、音楽向いてないのかな…」
ここで初めて音楽を辞めようと考えるようになりました。
次第に音楽も作らなくなり自分の人生もよくわからなくなっていたある日、僕はいつも大好きで観ていた「ゴッドタン」で西野さんがひとりさんにボコボコにされていた回だった。
とってもカオスだったというのは覚えている笑
そんなカオスな回でひとりさんが西野さんに向けて言い放った。「お前の出した本、革命のファンファーレあれ凄い良かったぞ」
そんなひとりさんが良いって言うなら凄い良いんだな…よし買ってみよう。
それがオンラインサロンに入るきっかけだった。
当時の僕はなんでもかんでも1人でやろうとしてキャパオーバーだった。結果何も出来ずに1人ぼっちだった。
「僕は仲間が欲しかった。」
そこからは人に会うことに専念しつつ自分が音楽活動をどうしていきたいか向き合う時間になっていた。軌道修正しつつ気持ちの整理時間。
相変わらずバイトは掛け持ちで忙しかったが、
ある日バイト先で仲良くさせて頂いてたトラックの運転手のおじさんとの会話で、
お「そういえば君は何か目標はあるの?」
ま「音楽活動をしているんですけどなかなか上手くはいってなくて、でも成功する為に今色んな人と会ってます。」
お「そうなんだ。でもねちょっと私は寂しくなっちゃうかもしれないんだけど、あなたはね絶対にここにいるべきじゃないよ。私はきみと働くのは働きやすくて良いんだけどきみの人生の為に言うなら絶対にここにいるべきじゃないよ。」
ま「そうですよね…ありがとうございます。
いつになるかわからないですが必ず成功します!多分その頃には僕のこと覚えてないと思いますけど…笑」
お「私はあなたのこと絶対に忘れないよ。」
僕はこの会話をした2週間後にはそこのバイトを辞めた。生活は厳しくなったけど、自分に向き合う時間が増えた。この言葉がなかったら今もそこでバイト生活をしていたかもしれない。
そのおかげか、オンラインサロンメンバー主催の音楽イベントに出させていただいたり、バンドのSEを作らせて頂いた。
音楽と離れて自分に自信がなかった。
「また否定されるのかな」
イベントにバンドで出演させていただいたもののお世辞にも技術や歌が上手い訳ではなかった。
凄い失敗したしなんなら体調絶不調で挑んでいた。
でもイベント終わった後に言われた言葉は
「まえしーよかったよ!最高」
「…いや絶対お世話だろーなにを言ってんだ」と最初は疑っていたものの後から僕の良かった点を分析して伝えてくれる人までもいた。
なんかすごく救われた気がした。
ずっと暗いトンネルしかなかったのが少し光が見えた気がして、音楽を続けていこうとまた決心した。
その後映画のbgmの制作もさせて頂き、諦めかけていた所に少しずつ光が差し込み初め、ありがたいことに音楽のいい評価を頂けるようになった。
「やっぱり諦めちゃいけない」
そう思ったのが26歳だったが現実中々上手く先に進めない。
「音楽は続けていくけどどこに向かおう…」
音楽は好きだけど果たして自分が作品を作ることが正解なのだろうか…。
「いや僕は音楽そのものを届けたいんだ。」
「自分の作品だけを届けたいんじゃなくて音楽をそのものをみんなにもっと知ってほしい」
僕は昔、音楽で救われた時があったり僕がススメた音楽を聴いて喜んでくれた経験があり、「もしかしてみんな音楽の良さや音楽そのものを知らないだけじゃないのかな?」
そう思い巡り巡って結果YouTubeにたどり着いた。
YouTubeなら世界中に発信出来るし、広告収入もあり、そして知名度も得られる。
僕が今YouTubeを頑張っているのもこの先に届けたい人がいるからであって中間地点なだけでそのために作品を作ってアップしている。正直自分がやりたいこと半分ビジネス半分くらいで考えやってる。でもそれも全部音楽を届ける為の通過地点だと思います。
まだ大きな光は見えないけど大きな目標は出来た。
「音楽を届けて人を救う」僕が救われた1人だし
使命を持ってやり遂げたい。
ちょっと話変わりますが最近僕は結婚をしました。以前は全く結婚願望はなかったのですが今の奥さんとじゃなければ僕は結婚一生出来ないと思い結婚させて頂きました。結婚したら何かプラスになることがあると思ったからです。
その当時は分からなかったのですが最近ようやくわかりました。
「覚悟」です。
今は守る人もいて自分1人の人生ではなくなりました。以前だったら気楽に行動も出来ましたが奥さんの人生も巻き込んで生きていきます。それにはまず覚悟が必要です。
この覚悟に気がついてから僕の仕事に対する向き合い方やYouTubeに対しての取り組み方が変わりました。
最近会う方には「まえしー顔つき変わったね」とも言われるようになりました。
多分きっと覚悟が出来たからだと思います。
とってもとっても長ーくなりましたが最後まで見ていただけた方はきっと僕のことが大好きで大好きでたまらないド変態だと思います。笑
本当に最後までありがとうございます。
ゴミ人間を読ませていただいて自分の人生と重なって想いが溢れて今回の文にさせて頂きました。
きっと僕の知らないどこかでゴミ人間扱いされている方がいると思います。僕もされて来ました。でも諦めなかった。決して諦めないことが正しいことじゃないけどきっと救われることだってあると思います。コロナで大変になって諦めなきゃいけなくなった方や苦しい方いらっしゃると思います。直接助けることは出来ないかもしれないですがいつか救われた日は一緒にお祝いさせて下さいね。
どうかあなたに光が差し込むその日まで。