夫婦の会話の言語学:言語学者の家庭変5 外延と内包

以下は創作です。大阪弁はなんちゃってです。

夫:今日たくさんあるいたね。寒くなってきたし、かえってなんかあったかいものたべたい。

妻:あったかいものてなに?

夫:何があるの?冷凍のタコ焼きチンするぐらいかなあ?

妻:それやったら「冷凍のタコ焼きチンして食べたい」ゆーたらええやないの。

夫:そんなん、タコ焼き食べたいわけやないんやから、そんなん言われへんよ。

妻:わたしも疲れてるんやから、なんもよう作らへんよ。

夫:だから、冷凍のタコ焼きでいいねんけど、タコ焼き食べたいわけやない。

妻:一緒やないの。

夫:そら結局一緒やけど。食べたいのは、タコ焼きやないんやから、タコ焼き食べたいとはいえん。なんか、あったかいもん食べたいわけや。

妻:たこ焼きしかないし、ほかの何か食べたいんやったら、却下。

夫:(うどんでもあったら食べたいんやから、タコ焼き食べたいとはいえん。これは、内包と外延の問題かなあ。「なんかあったかいもの」は、今のコンテクストでは「冷凍のタコ焼きをチンしたもの」しかないので、結局、「チンしたたこ焼き」しか、ささんのじゃけど、やっぱり、食べてーのんは「タコ焼き」じゃーねーわけで)ぶつぶつ。

妻:ついたで。鍵だして。

夫:(ぶつぶつ)ほい。

妻:(帰ってタコ焼きをレンジであたためて)ほら、タコ焼き3つ。紙の箱のままでええのやね。あ、たこ焼き最後やし。あした7**で買うてきて。銀*でなくて、7**のタコ焼きやないとあかんよ。

夫:(たこ焼き食べながら)ぶつぶつ。

言語学者の家庭変6もどうぞ。