夫婦の会話の言語学:「それより」
以下は創作です。大阪弁はなんちゃってです。
(朝、「妻」がコーヒーを入れるガラスの容器を割ってしまった)
妻:肉まん食べる?
夫:食べる。それより、コーヒーのガラス容器、ニトリに買いに行ってくれるの?
妻:肉まん、要らんの?
夫:「要る」ゆーたやん。
妻:「それより」ゆーたやん。
夫:「肉まん」の答えは「要る」でしまい。それで次の話題に移ってる。
妻:そんなん、勝手に話題替えられたら困るわ。
夫:肉まん、食べるかどうかに深い議論は必要ないやん。「食べる?」「食べる」でしまい。次にもっと重要な議論に移りたいという意味での、「それより」や。
妻:そんなん、「それより」は、「肉まん食べる」よりコーヒーの容器を買うほうが先やいう意味やんか。肉まんいらんの?
夫:「肉まん」いるわいな。朝から仕事で何も食べてないのに。
妻:じゃあ、肉まんやな、ニトリ行かんでいいねんな。
夫:肉まんは食べる、ニトリはそのあとで行ってほしい。
妻:肉まんいるんやな。
夫:要る
結局、肉まんは出たけど、コーヒーのカリタとかメリタとかいうのが出てきて、コーヒー用のガラス瓶はコーヒーを飲むためには特に重要でなくなったと判断され、後回しになった。「それより」は却下され、当面ニトリには行ってもらえなくなった。
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