フジテレビ問題は、映画産業の死から学ばなかったテレビ業界の悲しき末路
テレビ放送業界の昨今の視聴率低下や若者のテレビ離れ、スポンサーからの収入減少の変貌は、かつて娯楽の王様と言われ急激に衰退した映画産業末期に類似しているように見える。
映画産業の崩壊はなぜ起きたか?「歴史は繰り返す」という言葉は映画からテレビそしてネットメディアと繰り返すのだろうか。
歴史を知ると、テレビ業界は映画産業の崩壊と同じ道を辿る可能性が見えてきます。メディアの歴史を生徒と先生の会話でわかりやすく御覧頂けます。
「映画産業の栄光と衰退から見て、テレビの未来はどうなる」
1)映画産業の黄金時代
メディアの歴史に詳しい先生と生徒の会話
先生:「さて、今日は映画産業の栄光と、その後の悲惨な末路を見てみよう。そしてテレビ業界が同じ道を辿っている話をしよう。」
生徒A:「えー! 映画の話? それって『ゴジラ』とかですか?」
先生:「違う違う。映画の歴史の話からするよ。日本映画の歴史は、1896年に最初の映画が公開されてから、多くの変遷を経てきたんだ。
黄金時代の全盛期とされる1950年代には、多くの名作が生まれ映画館は満席だった。これはまるで、江戸時代の歌舞伎の大繁栄のようなものだよ。
しかし、1960年代以降、テレビの普及により映画のシェアは奪われ、映画産業は苦境に立た衰退していくんだ。」
生徒B:「そんなにすごかったんですか?」
生:「例えば、こんな映画が誕生した時代だ。」
『風と共に去りぬ』(1939年) – 映画史上初の超大作!当時のアメリカで観客動員数が1億人以上。
『カサブランカ』(1942年) – 「君の瞳に乾杯」の名ゼリフ誕生!
『七人の侍』(1954年) – 日本映画の代表作!後に『荒野の七人』としてハリウッドでリメイク。
『ローマの休日』(1953年) – オードリー・ヘプバーンの名作。今も人気のラブストーリー。
先生:「この時代、映画は『人々の夢』だったんだ。映画館は週末ともなれば満員御礼。みんな正装して、映画を観に行った。」
生徒A:「えっ、正装して映画館? そんなの考えられない!」
先生:「それくらい、映画は特別な娯楽だったんだ。当時の映画業界は莫大な利益を上げ、スター俳優や監督は神様のように扱われた。」
生徒B:「それって、今のYouTuberみたいな感じですか?」
先生:「まあ、そんな感じだな。映画業界は絶頂期だった。例えば、ハリウッドの年間映画興行収入は、1950年代には約15億ドル(現在の価値で約2000億円)を記録した。」
2)テレビの登場で映画業界が大ピンチ!
生徒A:「え、じゃあなんで映画は衰退したんですか?」
先生:「そこで現れたのが、映画界の宿敵…『テレビ』だ!日本ではNHKが1953年2月1日に初めてテレビ放送を開始した。」
生徒B:「また出た! テレビ、強すぎじゃないですか?」
先生:「その通り。1950年代になると、アメリカではテレビがどんどん普及し、映画館に行かなくても家で無料で映像を楽しめるようになった。これで観客数が激減したんだ。1964年の東京オリンピック開催を機にカラーテレビが広く普及してから22年後、1975年にはカラーテレビの世帯普及率が90%となった。」
生徒A:「それで映画業界はどうしたんですか?」
先生:「ここで映画業界は生き残りのため、いくつかの対策を打ったんだ。」
「大スクリーン&超大作作戦の登場だ」
『十戒』(1956年)、『ベン・ハー』(1959年)のような超大作を作り、70mmフィルムと言う従来の35mm幅の倍もあるフィルムで撮影し、巨大スクリーンを映画館に設置して映画ならではの迫力を売りにした。
しかしだ、制作費が高騰し失敗し会社が傾く傾向が出てきた。
「過激な映画でテレビとの差別化作戦」
『俺たちに明日はない』(1967年)や『時計じかけのオレンジ』(1971年)など、暴力・セックス・反社会的なテーマを前面に出した。
しかし、一部の観客には受けたが、家族連れには嫌われ離れていった。
「映画館の大幅値下げ作戦」
映画の入場料を安くして客を呼ぼうとしたが、利益が出なくなり逆効果だった。
先生:「これらの作戦は、一時的には効果があったが、結局テレビには勝てなかったですね。」
3)映画業界の崩壊と“ピンク映画”の台頭
生徒A:「じゃあ映画業界はどうなっちゃったんですか?」
先生:「1970年代になると、映画業界はテレビとの戦いに敗れ、低予算化が進んだ。その結果…“低俗映画”が量産されるようになったんだ。」
生徒B:「えっ、低俗映画?」
先生:「例えば、日本ではピンク映画(成人映画)が大流行するんだ。しかも石原裕次郎など青春映画で話題を生んだ歴史ある日活は1971年に一般映画の制作をやめて、『ロマンポルノ』に転向してしまった。」
生徒A:「映画会社がポルノ映画を作る!? そんなことあるんですか?」
先生:「それくらい、映画は生き残りをかけて必死だったんだ。広大なスタジオを売却もしてね。東映は『実録ヤクザ映画』などヤクザ映画を量産。高倉健や菅原文太主演のヤクザ映画が大ヒットした。」
生徒B:「なんかテレビも最近、低俗化してる気が…してるけど」
先生:「その通り!映画産業と同じことが、今のテレビ業界でも起きている。」
4)テレビの未来は映画と同じ運命を辿る?
生徒A:「つまり、今のテレビは昔の映画産業と同じ状況ってことですか。」
先生:「そう。テレビ業界もネットが普及したことで動画配信のYouTubeやNetflixに押されて、視聴者が減り、視聴者を増やすために低俗な番組が増えている。」
生徒B:「確かに…テレビって最近、通販番組とか芸能人のゴシップばっかりですね。」
先生:「そう。そしてテレビ局は、かつての映画会社と同じく不動産を売却し始めている。フジテレビはお台場の土地の活用を進めている噂があるな、テレビ朝日も不動産ビジネスに力を入れ始めている。」
生徒A:「えっ、じゃあテレビ業界も映画業界と同じように消えていくんですか?」
先生:「消えるかどうかは、これからの戦い次第だ。しかし映画は結局、ネット配信やVODにコンテンツを売ることで生き残った。でも、もしテレビ局が変わらなければ、映画業界と同じ末路を辿る可能性が高い。」
生徒B:「歴史は繰り返すってことですね。」
先生:「その通り!だからこそ、過去から学ぶことが大切なんだよ。」
フジテレビ問題と映画業界の役者起用の裏側とは何だ!そしてネットの未来も同じかことになるのか。
1)フジテレビの問題って何
先生:「さて、最近話題になっているフジテレビの役者と社員の癒着問題について話そう。これは映画業界でも昔から起きていたし、ネットの世界でも今後起こる可能性が高いんだ。」
生徒A:「あー、最近ニュースで見ました!フジテレビのプロデューサーと特定の俳優がつるんでたとか。」
生徒B:「でも、別に昔から芸能人とテレビ局の関係ってそんなもんじゃないんですか?」
先生:「確かに、芸能人とテレビ局が仲良くするのは昔からある。でも、問題は特定の俳優ばかりを起用し続けることで、視聴者が『またコイツか…』ってなってしまうことなんだ。」
生徒A:「でも、人気のある俳優を起用するのは当たり前じゃないですか?」
先生:「そう思うだろう? 実は映画業界もテレビ業界も、役者の起用には常に悩んでいたんだ。」
2)映画業界の役者起用の歴史
先生:「昔の映画業界では、役者と映画会社が専属契約を結んでいた。つまり、東宝の俳優は東宝の映画にしか出られない、松竹の俳優は松竹の映画にしか出られない、という仕組みだった。これは当時あった大手映画会社5社が結んだ5社協定だ。」
生徒B:「へー!じゃあ、映画会社がスターを育てる感じですか?」
先生:「その通り。例えば、こんなスターがいた。」
三船敏郎(東宝):黒澤明監督の映画に多数出演。『七人の侍』『用心棒』など。
渥美清(松竹):『男はつらいよ』で日本の国民的スターに。
石原裕次郎(日活):『太陽の季節』で一世を風靡。
生徒A:「じゃあ、専属契約なら安心して俳優が映画に出られますね?」
先生:「ところが、これが次第に映画業界の足かせになっていったんだ。特定のスターばかり使うと、観客が飽きる。そこで、他の映画会社から俳優を特別に借りてくるなど工夫してた。映画の字幕に特別友情出演などはそれだ。
でもそれだけではだめで、新しい俳優を育てようとしたが時間がかかる。その結果、映画会社は『有名スターを使い回す』ようになった。」
生徒B:「まさに今のテレビと一緒じゃないですか!」
先生:「その通り! たとえば…」
『ゴジラ』シリーズ → 毎回同じ俳優が出るため、マンネリ化。
『男はつらいよ』シリーズ → 渥美清が亡くなるとシリーズが終了。
先生:「テレビも開局当時、映画会社はテレビは敵だと言って映画俳優はかしてくれなかったのでテレビドラマの俳優がいなかった。そこで各放送局は劇団をつくって養成していた時代があったんだ。NHK劇団なんかもあったよ」
役者は権力者やヤクザとの関係はあるんですか。
生徒:「先生、昔の役者って権力者やヤクザと関係があったんですか?」
先生:「そうだね。映画が始める前から芝居などの興行には、今みたいに自由に活動できるわけじゃなくて、ある程度の「後ろ盾」が必要だったんだ。」
生徒:「後ろ盾って何ですか?」
先生:「簡単に言うと、支えてくれる存在だね。昔の映画や芝居の世界は今よりも閉ざされた社会で、お金や場所、人脈がないと活動できなかった。だから、役者はスポンサーになってくれる権力者や、お金を出してくれるヤクザとつながることがあったんだよ。」
生徒:「えっ、ヤクザが映画に関わっていたんですか?」
先生:「そうだよ。戦後の日本映画界では、映画制作にはたくさんのお金が必要だったし、撮影のための場所を確保したり、トラブルを解決したりするために、ヤクザが関与することもあったんだ。例えば、興行(映画や芝居の上映や上演)を仕切っていたのはヤクザの影響が強い業界だったから、役者や映画監督はどうしても関わらざるを得なかった。」
生徒:「でも、今はそんなことないですよね?」
先生:「今は法規制が厳しくなったし、映画やドラマの資金集めの方法も変わったから、昔ほどヤクザとの関係はないよ。でも、一部ではまだ噂されることもあるね。だから、芸能界で成功するには実力だけじゃなく、人間関係も大事なんだ。」
生徒:「なるほど、昔の役者はただ演技するだけじゃ食べられないから、いろんな人との関係を築かないといけなかったんですね。」
先生:「そういうことです。芸能界は表の世界だけじゃなくて、裏の歴史も知ると面白いよね。」
3)映画業界の「ゴリ押し」問題
先生:「映画業界には、今のテレビと同じように『ゴリ押し俳優』の問題があった。映画会社のプロデューサーが特定の俳優を過剰に推すことで、バランスが崩れてしまったんだ。」
生徒A:「例えば?」
先生:「例えば、1950年代の日活では、石原裕次郎が爆発的に人気になった。でも、日活は彼をメインにした映画ばかり作り、観客が飽きてしまった。結局、日活は路線変更を余儀なくされたんだ。」
生徒B:「うわ、有名タレントを並べて視聴率を取ってたテレビと同じ流れ…。」
先生:「そう。そして1970年代には、映画業界はテレビに押されて経営難になった。その結果、特定のスターを抱えていても利益が出ず、専属契約制度が崩壊したんだ。芸能プロダクションが誕生してくるのだ。」
生徒A:「テレビ局も、今まさにその状況じゃないですか?」
先生:「その通り。今のテレビは、ジャニーズや吉本興業の芸人を優遇しすぎて、『テレビに出るのは同じメンバーばかり』という状況になっている。視聴者は飽きて、結果YouTubeに流れてしまった。」
4)ネット時代にも起きる「ゴリ押し問題」
生徒B:「でも先生、テレビがダメになってもYouTubeやNetflixがあるじゃないですか?」
先生:「確かに、ネット動画は今、映画やテレビを超える勢いだ。でも、ネットも映画やテレビと同じ問題を抱え始めている。」
生徒A:「え、YouTubeも?」
先生:「例えば、YouTubeでは『企業案件をもらいやすいインフルエンサー』が優遇されている。結果として、特定のYouTuberばかりに案件が集中し目立つようになる。喋りも演出パターンも同じようなものを真似するから、飽きられていくという問題が起きている。」
生徒B:「たしかに! 最近、同じYouTuberばかりが企業広告をやってる気がする…。」
先生:「そして、Netflixのようなストリーミングサービスでも、『再生数を稼げる俳優ばかりを起用する』ようになっている。これが続くと、映画やドラマの多様性が失われる。」
生徒A:「つまり、映画 → テレビ → ネットって、全部同じ道を辿ってる?」
先生:「その通り! メディアの歴史は繰り返すんだよ。」
結論・役者とメディアの未来とは
先生:「さて、ここでまとめよう。なぜフジテレビのような癒着が起きたのか?」
特定のスターを推しすぎると、観客(視聴者)が飽きる。
映画 → テレビ → ネット、すべてのメディアで同じことが起きている。
視聴者の興味は常に変化するため、同じ顔ぶれではいずれ衰退する。
生徒B:「先生、それじゃあ、どうすればいいんですか?」
先生:「答えはシンプル。メディアは新しい才能を積極的に発掘するべきなんだ。」
生徒A:「でも、映画やテレビのプロデューサーがそれをやらなかったから、どんどん衰退してるんですよね?」
先生:「その通り。そして、ネット業界も同じ道を歩んでいるとしたら…未来はどうなると思う?」
生徒B:「うわー、また新しいメディアが出てきて、YouTubeやNetflixも古くなるんじゃないですか?」
先生:「そう!メディアは常に波のように繰り返す。 だからこそ、次のメディアの波を見極めることが大切なんだ。君たちがその未来を作るんだからね!」
メディアの生き残り戦略とタレント依存の真実
1)新聞・雑誌はなぜゴシップに走るのか?
先生:「さて、こんどは他のメディアの歴史がどのように繰り返されているのか、特に新聞・雑誌・テレビがなぜゴシップに走るのかを話そう。」
生徒A:「えー、ゴシップって単なる芸能ニュースじゃないんですか?」
先生:「いや、実はメディアが生き残るための重要な戦略なんだ。例えば、昔は新聞が社会の中心だった。『読売新聞』『朝日新聞』みたいな大手紙が、政治や経済のニュースをしっかり報じていた。でも、テレビが登場したことで新聞の立場が危うくなったんだ。」
生徒B:「あっ、またテレビが悪者になってる!」
先生:「そう見えるかもしれないね。1950年代以降、テレビの普及で人々が徐々に新聞を読む時間が減った。それに対応するため、新聞や雑誌は『テレビではできないこと』をやろうとした。その結果…」
政治スキャンダルを追う(新聞)
芸能人のゴシップを売る(雑誌)
先生:「例えば、1964年には『週刊文春』が創刊された。当初は社会派記事もあったけど、1970年代からは芸能人のスキャンダルを積極的に報道するようになった。」
生徒A:「あ、それって今の『文春砲』の始まり?」
先生:「その通り! 昔は政治スキャンダル中心だったけど、政治家のスキャンダルは読者が飽きる。そこで、一般の人が興味を持ちやすい芸能人の私生活に焦点を当てたんだ。」
生徒B:「テレビのワイドショーも、芸能ネタばっかりですよね。」
先生:「まさにそれがテレビが新聞・雑誌と同じ道を辿っている証拠だ。」
2)テレビのワイドショーとゴシップ産業
先生:「1980年代になると、新聞や雑誌に対抗するため、テレビもワイドショーで芸能スキャンダルを扱い始めた。なぜだと思う?」
生徒A:「えー、視聴率が取れるから?」
先生:「正解! 例えば…」
1989年 『3時のあなた』(フジテレビ) が芸能ネタ中心の番組に。
1990年代 『情報ライブ ミヤネ屋』 などがスキャンダルを連日報道。
最近では 『ワイドナショー』 など、芸能人コメンテーターが芸能ニュースを面白おかしく語る番組が増加。
生徒B:「つまり、新聞・雑誌もテレビも、スキャンダルに頼るようになったんですね。」
先生:「その通り! でも、問題はここからだ。スキャンダル報道が増えると、メディアと芸能事務所の関係が複雑になる。」
3)メディアと芸能事務所の癒着
先生:「昔からメディアと芸能事務所の関係は深かった。例えば、戦後の映画会社は自社の専属俳優しか使えなかったが、それが崩れると、芸能プロダクションが力を持つようになった。」
生徒A:「つまり、映画会社の力が落ちたら、芸能事務所がスターを管理するようになった?」
先生:「そう。そして、その流れがテレビにも影響した。」
先生:「例えば、渡辺プロダクションやジャニーズ事務所の力が強かった時代、テレビ局はジャニーズのタレントを使わざるを得なかった。さらに、事務所と対立すると出演NGになることもあった。」
生徒B:「テレビ局は事務所に逆らえないんですね…。」
先生:「最近の例を挙げよう。」
2023年:ジャニーズ事務所の問題 → テレビ局が忖度し、スキャンダルを長年報道せず。
過去の芸能事務所の圧力問題 → 大物女優や俳優の不祥事が隠蔽されるケースも多数。
生徒A:「つまり、芸能事務所の力が強すぎると、メディアは本当のことを報道できなくなる?」
先生:「そういうことだ。」
4)なぜタレントはCMにも使われるのか?
先生:「ところで、みんなはCMに出てくるタレントを見てどう思う?」
生徒A:「あー、またこの人か、って思うことあります!」
先生:「そうだね。でも、企業がタレントを使うのには理由がある。」
視聴者が親しみを持ちやすい(タレントは認知度が高い)
商品の信頼性が上がる(人気タレントが使うと「良いもの」に見える)
話題性が生まれる(広告自体がニュースになる)
生徒B:「でも、タレントがスキャンダルを起こしたらどうするんですか?」
先生:「そこが問題だ。最近、タレントの不祥事で企業がCM契約を解除する例が増えている。」
2020年:某俳優のスキャンダル → CM契約全て解除
2022年:某アイドルの不倫問題 → CM違約金10億円
生徒A:「すごいリスクですね…。でも、なぜリスクが有るのに企業はタレントを使い続けるんですか?」
先生:「現状では知名度を活かしたいのだろうね。しかし、最近はYouTuberやインフルエンサーをCMに起用する企業も増えている。例えば、YouTuberのヒカキンやフワちゃんがCMに出ることが多くなっているだろ。」
5)これからのメディアの未来は?
生徒B:「先生、結局メディアって、どうやったら生き残るんですか?」
先生:「メディアの歴史を見ると、次のことが言える。」
新しいプラットフォームに適応すること
映画 → テレビ → ネットへ変化したように、メディアは変わり続けなければならない。
タレント依存から脱却すること
企業もメディアも、「有名だから使う」ではなく、「本当に価値のある人を起用する」時代が来るかもしれない。
視聴者の信頼を取り戻すこと
偏向報道やスキャンダル隠しが多すぎると、視聴者はメディアを信用しなくなる。
生徒A:「先生、じゃあ次に消えるのはテレビですか?」
先生:「さあ、どうなるかな? 君たちがどう行動するか次第だね!」
ITベンチャーがタレントに頼る理由と、その未来
1)なぜITベンチャーはタレントを使いたがるのか?
先生:「さて、今日は最近のITベンチャー企業が売れたタレントを広告に使いたがる理由と、それが今後どうなるかを話そう。」
生徒A:「IT企業って最先端のイメージだけど、結局テレビと同じようにタレントを使ってるんですか?」
先生:「その通り。例えば、最近のITベンチャー企業の広告を見てみると…」
スマホアプリのCM → 人気俳優やアイドルを起用
新しいECサイト → YouTuberやインフルエンサーを広告塔に
NFTや仮想通貨系 → 有名タレントをイメージキャラクターに
生徒B:「たしかに、最近のCMってタレントばっかりですよね。なんでIT企業はタレントを使いたがるんですか?」
先生:「理由は3つある。」
短期間で知名度を上げるため
新興企業は知名度が低いから、すでにファンがいるタレントを使うことで一気に話題にできる。
例:LINEの初期CMに有名タレントを使って認知度を爆発的に上げた。
信頼性を担保するため
IT系の新サービスは「本当に大丈夫?」と疑われがち。タレントを起用すると安心感が出る。
例:仮想通貨やフィンテック系サービスで有名俳優を使い、「安全ですよ」とアピール。
ターゲット層にリーチしやすい
若者向けのアプリなら、若者に人気のタレントを起用すれば、すぐに注目される。
例:メルカリのCMに若手俳優を使い、若年層ユーザーを増やした。
生徒A:「でも、それって結局テレビと同じじゃないですか?」
先生:「その通り。つまり、IT企業も結局、テレビのやり方を真似しているんだ。」
2)タレントに頼るビジネスの問題点
生徒B:「でも、ずっとタレントを使い続ければいいんじゃないですか?」
先生:「そう思うだろう? でも、タレントを使うことにはリスクがあるんだ。」
タレントのスキャンダル問題
人気俳優やYouTuberが不祥事を起こすと、企業イメージも一緒に崩れる。
例:某俳優の不倫問題 → 企業CM降板、イメージダウン。
短期的なブームにしかならない
タレントが出てる間は注目されるけど、消えたら話題も消える。
例:ある有名女優を起用したSNSアプリ → 数ヶ月後には誰も覚えていない。
コストが高すぎる
有名タレントを起用すると、広告費が跳ね上がる。
例:CM一本で数千万円~数億円 → それでも売上に直結するとは限らない。
生徒A:「あれ…これって、昔のテレビや映画と同じ失敗パターンじゃ?」
先生:「その通り! 映画産業も、テレビも、結局タレントに頼りすぎて、マンネリ化して衰退したんだ。」
3)タレントビジネスはネットでも崩壊する?
先生:「そして今、ネット業界もタレント依存の危機にある。」
生徒B:「ネットなら大丈夫じゃないんですか? YouTuberとかTikTokerもいるし。」
先生:「それが、YouTuberやインフルエンサーも、タレントと同じ道を辿り始めている。」
例えば…
インフルエンサーのステマ問題
人気YouTuberが企業案件を受けまくり、視聴者が『結局、金で動いてるんじゃん』と離れる。
例:「〇〇のアプリ最高!」 → 実は企業案件だったとバレて炎上。
マンネリ化する顔ぶれ
人気のYouTuberやTikTokerばかりが企業案件を受け、新しい人が出てこなくなる。
例:「またこのYouTuberが案件やってるよ…」 → 飽きられる。
信頼性の低下
企業案件が増えると「結局、広告のために動画作ってるんでしょ?」と冷められる。
例:「YouTuberのレビュー動画=企業の宣伝」と見られるようになる。
生徒A:「つまり、ネットもテレビと同じ問題にぶち当たる?」
先生:「そう。だからこそ、タレントに頼らないマーケティングが今後の課題になる。」
4)ITベンチャーが今後すべきこと
生徒B:「じゃあ、ITベンチャーはどうすればいいんですか?」
先生:「次の3つのポイントが重要になる。」
タレントではなく、”ブランド”を作る
例:Appleはジョブズがいなくてもブランド力で売れる。
消費者との直接コミュニケーションを強化する
例:YouTubeのコメントやSNSでリアルな声を拾い、タレントに頼らずユーザーとの信頼を築く。
リアルな価値を提供する
例:AmazonやNetflixはタレントよりも「利便性・体験価値」で勝負している。
生徒A:「うーん、つまり『タレントに頼る』のは短期的にはいいけど、長期的にはダメってこと?」
先生:「まさにそうだ。ITベンチャーは、テレビや映画業界が歩んできた失敗を学ばなければならない。」
5)次に生き残るのは?
先生:「さて、君たちはこれからどんな広告を信じる?」
生徒B:「うーん、タレントがゴリ押しするCMよりも、リアルな口コミとか、ちゃんとしたレビューの方が信用できますね。」
生徒A:「でも、YouTuberも企業案件だらけだしなぁ…。」
先生:「そこがポイント。次に生き残るのは”本当に信頼できる情報を発信するメディア”なんだ。」
企業案件に頼らないメディア
リアルな口コミやレビューを大切にするメディア
消費者と双方向のコミュニケーションができる企業
生徒B:「つまり、”信頼”が最も大事ってことですね!」
6)ストーリーを生み出す「クリエイティブ教育」が必要だね
身近な例をあげると「友達に面白い話をするとき、どう話す?」
「昨日、犬を見た」と言うより、「昨日、コンビニの前に座ってた犬が、僕の買った豚まんをほしそうな目で見してた!可愛すぎてあげたよ。」
の方が、相手の興味を引くよね?学ぶべきことはだ。
どうすれば相手が興味を持つか?「起承転結」や「意外性」を入れると、面白くなる!
先生:「そう! タレントに頼るのは簡単だけど、それだけでは続かない。本当に価値のあるものを届けられる企業だけが生き残るんだ。」
まとめ「未来のメディアを作るのは、君たち自身だ!」
「今はテレビや映画の時代が終わり、ネットの時代になった。でも、次の時代は“新しい価値を生み出せる人”が主役になる。君たちが未来のメディアを作る側に回れるように、今から学んでいこう!」