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グランドサービスのやりがい

グランドスタッフを仕事に選んだことについて、友人や家族から「地上職って大変じゃない?」と尋ねられることがよくあります。

確かに、グランドスタッフは良くも悪くも「空港の顔」。
ときには自分に非がなくても強烈なクレームをお受けすることがあるので、精神的にも強くなければなりません。お客様の不満やクレームも、ただ平謝りするだけでは解決しませんから、そこからニーズを聞き出したり、怒りを鎮める傾聴力、納得していただける説明力や知識も求められます。
マイナス面から入りましたが、グランドスタッフが「空港の顔」であるという点はもちろんプラス面も多く、なによりやりがいに直結しています。

旅や渡航をされるお客様を、空港で最初にお迎えするのは私たちグランドスタッフ。ですから意外と「感謝のお手紙」や「お客様の声」をいただくことがあるんですよ。
「あなたのおかげで快い旅になった」「あの時はありがとう」なんて言っていただくと、疲れも吹っ飛んでしまいます(笑)

さらに、グランドスタッフは空港を利用する、世界中の方々と接する可能性がある仕事です。
語学力や知識、海外渡航の経験を活かして、多彩な国籍、文化を持つお客様たちを接客できるのはこの仕事ならではの魅力ではないでしょうか。
世界にはさまざまな宗教やカルチャーがあります。
この仕事をしていると、日本人がいかに秩序を重んじ、慎み深い国民であるかを日々実感します。
しかし一方で、あまりに控えめで「意見がない」と感じられることも。自己主張のはっきりとした海外のお客様と接することで、人間的に成長できるのもこの仕事のメリットです。
あとは月並みではありますが、英語力が必須ですから、語学力を活かして働きたい方にとって、とても良い環境なのではないでしょうか。

もちろん私たちだけでなく、グランドスタッフには航空機の運航に欠かせない整備士や、マーシャリングやハンドリングを行うスタッフも含まれます。皆が一丸となって定刻に航空機を送り出すのは、演劇の舞台裏に似ていると時々思います(実は元演劇部)。
演劇も映画もそうですが、役者さんよりもはるかにたくさんのスタッフが観客から見えないところにいて、ひとつのチームとして必死に自分たちの役割を果たしています。そういった「裏方」の仕事にやりがいを見いだせる人がグランドサービス向きかもしれませんね。
いやほんと、グランドスタッフの仕事が演劇の裏方なら、毎日担当する航空機の数だけお芝居があって、その上演を支えているようなもの。しかもすべてがやり直しのきかない「ライブ」。自然とチームの結束力も強くなるし、そのあたりも私がこの仕事をしていてよかったと思えるところです。

演劇も航空機も事故がないのが当たり前。何事も起こらないことが私たちの仕事の成果。トラブルなく安全な空の旅をサポートできたときの達成感こそ、この仕事の最大のやりがいと言えるでしょう。

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