「ザクロをひっくり返そうよ」 DeNA会長 南場智子氏 #世界経営者会議
2019年10月28日(月)・29日(火)に銀座の帝国ホテルで開催の「第21回 日経フォーラム 世界経営者会議」に参加させていただきました。
Nサロンの招待枠です。ありがとうございます。
このnoteでは ディー・エヌ・エー 会長 南場 智子氏の講演「情熱を開放する経営」について記載させて頂きます。
個人的に「ザクロをひっくり返そうよ」というキーワードに興味を持ちました。
南場さんのご挨拶
DeNAは20年。もともとはオンラインオークションからスタートしました。そこからEコマース、モバイルを中心としたゲームやコンテンツなど。
インターネットの世界を出て、健康サービスも始めています。自分の健康をスマホで確認するサービスなど。モビリティとしての交通不便を改善するための自動運転や、配車プラットフォーム。今後はまちづくりにも挑戦してみたい。
良かったことと、残念だったこと
20年前はシンプルな経営でしたが、挫折や失敗を経験し、いろいろな想いを持ってここに立っています。良かったことは、常に挑戦をする良き企業風土を作れたのではないかなと思っています。課題があれば真っ正面に課題に取り組む文化です。
残念だったことも沢山あります。
誰が世界にDelighを届けたか?
この20年はインターネットの20年。人との遊び方も変わったと感じます。私たちのミッションはDelight。誰がDelight(喜び)を届けたかと聞いたら、この20年で多くの人がシリコンバレーの企業を挙げると思います。Google、Amazonなどですね。
このままでは、まだ私達の志はできていないないと思います。もっと大きな世の中の役に立つことをしたいと考えています。次の20年も挑戦したい。
Passion
これからのキーワード。情熱(Passion)を中心に集まって、全てが組み込まれているチームを組み立てていきたい。できることから始めたい。もっと語ろうよ。事業部長達が集まって、社員全員に情熱を語りかける。
シェイクハンド精度
メンバーでも、違う部署の事業部長にプランを説明をして、お互いが納得できれば、握手をして異動がその場で決まる制度です。もちろん実際には最大6ヶ月などはかかることもあります。これは結構大変な制度で、Passion of Die と言ってもいいほど(笑)異なるフロアにも、自分のフロアにも情熱を持って説明をしていく仕組み。
delight ventures
ベンチャー制度。これまでは「事業リーダー」「スペシャリスト」の道だったけど、「独立企業・スピンアウト」の制度を用意しました。
ザクロ
DeNAには本当に素晴らしい人材が、ザクロのようにつぶつぶな状態で集まっています。最近は「ザクロをひっくり返そうよ」といっています。人の素晴らしさを解放していきたい。みんなのつぶつぶを解放して、素晴らしい世界を目指したいですね。
DeNAの周りにいる素晴らしい志の人たちに、出資をして繋がっていこうと考えています。DeNAより大きな会社になっていくのも大歓迎。
Japan Problem
日本の経済の最大の問題は2つあると考えています。
・大企業の流動性
・スタートアップの層の厚さ
もっと大企業はオープンになっていくべきだと考えています。まだまだDeNAはベンチャー。メガベンチャーと呼ばれているかもしれません。そしてスタートアップを応援したい。人材を手厚くしたいですね。
トークセッション
モデレーター 大林 尚氏
日本経済新聞社 上級論説委員
Q : ご自身のご経験も踏まえて、ワークライフバランスについて
自身の経験を振り返っても、介護者の病気で退任した話を聴いたことがなかった。非常に無責任でもあると思いましたが、自分の優先順位が変わった。働き方改革とかではなく、家族のために時間を使いたいと思った。色々とご迷惑をおかけしてしまった。
Q : シェイクハンズの制度について。この仕組みを考えた背景について
能動的なほうがが人は自主的に働くと思います。自分が復帰したときも医療についてに取り組みたいと考えました。このときも同じ背景をもっている人でチームを組み、短期間で素晴らしい成果につながりました。
個人の確度や関心が一致しているほうが、会社にも個人にも良いと考えています。
Q : GAFAの時代について
彼らが提供したものは素晴らしかったと思うけど、今は時代が変わってきているんじゃないかなと考えています。データも含め1社が閉じて独占するようなものに違和感が出てきている人達もいるんじゃないでしょうか。このような流れには、会社としだけでなくプロジェクトでも取り組めると考えています。
Q : 数年前に起きたキュレーションサイトの問題について
深く反省をして2度と起こさないように徹底しています。同時に新しいテクノロジーを踏まえて、世の中が変わっている。新しい遊び方や、考え方も出てきている。絶対ミステイクを起こさないという会社よりも、新しいテクノロジーで新しい問題を起こしてしまったときの対処が大事だと考えています。
どのように問題を克服していくのかに責任があるのかなと思います。何か起こったときに透明性を持って、誠心誠意を持って対応したい。
最後に
2019年7月のGoole Cloud Platform Dayでも南場さんのお話をお伺いさせて頂きました。その時も、今回もお話がスムーズで語りかけるような説明が聴きやすいなと感じました。
素晴らしい講演をありがとうございました。