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教育ゲームを作るのに参考になりそうなゲーム その3「思考実験シミュレーター」



はじめに

今回は教育ゲーム制作に参考になる市販ゲーム紹介の第3弾として「思考実験シミュレーター」を取り上げたいと思います。前回紹介した「Legal Dungeon」についてはこちらをご覧ください。

なおこのゲームは2024年8月時点では、Steamにて配信されています。
私はこの記事の執筆時点ではだいたい半分くらいの思考実験までクリアしました。

「思考実験シミュレーター」の概要

「思考実験シミュレーター」は、有名な哲学的ジレンマについてシミュレーション形式で体験できるユニークなゲームです。プレイヤーは例えば、「トロッコ問題」や「囚人のジレンマ」などさまざまな思考実験のシナリオに挑戦します。

ゲームではまず扱う思考実験について、関連する哲学者がノベルゲームの様な形式で解説するシナリオを読みます。その後、当該の思考実験についてのシミュレーターをプレイし、試行錯誤をしながら異なる結末を確認します。各思考実験についてだいたい3つくらいの目標が設定されているので、それを達成して次のステージに進んでいく形になります。

https://store.steampowered.com/app/2696320/_/?l=japanese  より

学びのポイント/参考になりそうなポイント

ゲームではもちろん扱われている哲学的ジレンマについて体験的に学ぶことが出来るのですが、これまで紹介したゲームとは異なって、このゲームは自分なら「どのようなゲームにするのか」ということを検討するのに最適なように思いました。

私のプレイした印象としては、思考実験が始まる前の偉人達の会話は登場する人物についての事前知識がなければかなり難しく感じますし、会話の内容もとても抽象的です。またシミュレーター自体もかなり荒削りで改良の余地を感じさせます。(販売サイトの説明文にも「バカゲー」と書かれており、シミュレーターについてはおそらくわざとそういう仕様にしていますので、それが悪いという訳ではまったくないです)

例えば、このゲームの思考実験1つを題材にして「どんな解説をして、どんなシミュレーターにするとより学習が深まるのか」、もしくは「このゲームをプレイする前後にどのような活動を入れればより学習が深まるのか」ということを検討する題材として非常に良いように思います。

まとめ

「思考実験シミュレーター」は、哲学的ジレンマのような抽象的な問題をどのようにゲームで学習するのかということについて非常に多くの示唆を与えてくれるゲームです。ゲームとして面白いかはかなり評価が分かれるかと思いますが、安価なゲームですのでご興味ある方はぜひ触ってみてください。

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