個人データを吸い取られる日本人~AMPゼミ Day2に参加して~

今回のゼミの主なテーマは、個人データの活用についてであった。GoogleやFacebookといったプラットフォームが強いのは、ユーザーのデータを収集できるからであるという。講義内で気になった問いがあったのでさらに深く考えてみる。

Q.個人データ活用に関する賛否をディスカッションしてみよう

この問いを見たとき、私は「賛否も何も、現代のインターネットにおいて個人データは勝手に誰かに吸い取られているものなのではないか?」と思ってしまった。私がこのように考えた理由を説明する。

仮説1.ネット上のコンテンツが無料だと思っている人が多いから

株式会社ヴァリューズが2018年に行った、性別・年代別のアプリ有料ユーザー率の調査によると、全体の32.5%しかアプリに課金していない。最も課金している割合が高かった20代男性でも47.4%の人しか課金していない(https://www.valuesccg.com/knowledge/report/marketing/046/)。

後悔されたのが2016年と少し古い記事ではあるが、こんなものもあった。「スマホゲームの収益の半分は全ユーザーのたった0.19%が支えている」とのことである(https://gigazine.net/news/20160325-mobile-market-report-2016/)。コンテンツ力やエンタメ性の強いゲームやアプリでさえこのような状況なのだから、検索エンジンやSNSといったインターネット上の他の様々なサービスは基本無料で使える、もしくは使いたいと思っている人も少なくないだろう。

仮説2.日本人はネット上の広告にあまり抵抗がないから

コンテンツブロッカーの国別の利用率を見てみると、24%のアメリカや21%のイギリスと比べて日本は10%にとどまっている(https://www.yellowpadblog.com/entry/2018/01/10/adblock_use_in_Japan_US)。諸外国と比べてもその利用率は著しく低い。

これまた2015年と少し古い記事ではあるが、動画コンテンツ中に流れる広告についての意識を調査したところ(https://gigazine.net/news/20160325-mobile-market-report-2016/)、「コンテンツが無料でならば広告が流れてもよい」と答えた人が最も多かったのである。以上の2つの記事から考察すると、日本人のネット上の広告に対する抵抗感はさほど強いとはいえない(ウザいとは思っているかもしれないが...)。

仮説1と仮説2を踏まえると、「『ネット上のコンテンツを無料で利用したい』というユーザーのニーズを満たすために、ユーザーからの抵抗感が少ない『広告』という手法でマネタイズするメディア」という構造ができあがるのではないか。そしてこの「広告」の効果を最大化するためにはユーザーから個人データを得てターゲティングすることが必要不可欠なのである。

上記のように私自身が考えていたために、先に提示した問いに対して疑問を抱かなかったのだろう。情報社会を生きる者としてもっと当たり前を疑っていかないといけないと痛感した。

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