ロココの世界@コニャック・ジェイ美術館
以前は別の場所にあったが、1990年にマレ地区で開館したコニャック・ジェイ美術館。パリに百貨店を作ったエルネスト・コニャックと妻のマリー=ルイーズ・ジェイのコレクションが展示されている。18世紀のロココ調の絵画や家具・陶器などが展示されている。
ロココ期の美術は、18世紀半ばのルイ15世全盛期時代に流行し、華やかで、「ザ・ヴェルサイユ」って感じで、ちょっと官能的。
その当時の評価はいろいろあったみたい。確かにそれまでの絵画に比べるとちょっと軽すぎる気がするけど、個人的にはとっても好き。
そんなロココの世界が味わえるのがコニャック・ジェイ美術館。ロココを代表するフランソワ・ブーシェの作品をたくさん鑑賞できる。
『Le Retour de Diane chasseresse』(1745)
フランソワ・ブーシェ François Boucher (1703-1770)
ローマ神話での狩猟の女神、ディアーナ(ギリシャ神話ではアルテミス)が狩りの帰りに休んでいる?場面。
狩りの道具とか、ウサギとかも描かれているのに、とっても優雅。
『La Belle Cuisinière』(1735)
フランソワ・ブーシェ François Boucher (1703-1770)
料理担当の若い女の子を、男の子が誘っている場面。「女の子は身体は引き気味だけど、足は前に出てるからまんざらでもない感じなのよ。」って美術の先生が言ってた笑。確かに。
『La Leçon de musique』
フランソワ・ブーシェ François Boucher (1703-1770)
雰囲気は完全に18世紀だけど、若者とギターっぽい楽器が描かれているのがちょっと現代的、面白いなって思う。
あと、この美術館では見られないけど、ブーシェの有名な絵はこちら。
『マリー=ルイーズ・オミュルフィ』 (1751) フランソワ・ブーシェ François Boucher (1703-1770)
@ヴァルラフ=リヒャルツ美術館(ケルン)
あと、ジャン・オノレ・フラゴナールという有名なロココの画家の絵も数点ある。『ぶらんこ』は結構有名。この絵はロンドンにある。
『ぶらんこ Les Hasards heureux de l'escarpolette』(1767)
ジャン・オノレ・フラゴナール Jean Honoré Fragonard (1732-1806)
@ウォレス・コレクション(ロンドン)
コニャック・ジェイ美術館ではフラゴナールの数点の可愛い作品が鑑賞できる。ロココ時代だからなのかはわからないけど、なんとなく長方形ではない絵が多かった気がする。
『Perrette et le pot au lait』 (1770)
ジャン・オノレ・フラゴナール Jean Honoré Fragonard(1732-1806)
ロココ美術を確立したアントワーヌ・ヴァトーの絵はあんまりないみたい。でもついでにちょっと載せとく。
『ヴェネツィアの祝宴 Fêtes vénitiennes』 (1717)
アントワーヌ・ヴァトー Antoine Watteau (1684-1721)
@スコットランド国立美術館(エディンバラ)
『シテール島の巡礼 Le Pèlerinage à l'île de Cythère』 (1717)
アントワーヌ・ヴァトー Antoine Watteau (1684-1721)
@ルーブル美術館(パリ)
代表作『シテール島の巡礼』はルーブル美術館にある。
コニャック・ジェイ美術館は、絵画だけでなく、家具や装飾もロココ調。当時の貴族のように、優美なインテリアに囲まれ、ロココの世界に入り込めるのでかなり好き。