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気付いたら沼地に頭まで浸かってた

「あの日々に最高の花束を」
という最高の作品に出会えましたって話です。
※大千穐楽後数日で出すつもりが1週間経ってしまってます。そしていつも通りダラダラだし長いのでご容赦ください。


まえがき

まえがきというか、補足というか、まあ、凄まじい1週間を過ごした訳で。
というか、あけましておめでとうございますですね。
本年もゆるっとトピックがあれば書いていくので、ヲタクの吐き出しを今年もよろしくお願いいたします。
ちょっと、この1週間(1/22-28)で人生観変わるというか、頭ぶん殴られたくらいの衝撃で。最花ロスに陥ってるし次の作品は何見ようかなとなってる。
厳密に言うと次の次だけど(次はレミゼを観に行くので)

懺悔

推しの舞台で言うと、11月~12月に行われたNeoDollというミュージカルも4回見に行った。ただ、noteに下書きしたまま書ききれず、眠ったまま世に出せなかった。
もちろん素晴らしいものを見たし、それを伝えたい気持ちはあったが語彙が足りなかった。
推し(桜井えまさん)がキラキラしていて素晴らしい歌とダンス、そして演技を見ることができたと書き記しておきます。
映像化される予定で最速で手に入れられるクラファンはこちらから↓

出口を抜けて見えたもの

ここから舞台「あの日々に最高の花束を」の感想です。
最初に伝えたいことは、本当に苦しいし悲しいし、映像作品など感情移入しすぎて普段あまり見ない自分にとって苦しい1週間になる予感が初日を見終わった段階でしていて、

※↑初日終わったタイミングの私の感想
7公演見に行くことを決めた自分を後悔しそうになったが、2日目にパンフレットを買って考えが変わった。
主宰の相馬あこさんが何を考えてこの作品を作り上げたのかという経緯、キャストの皆さんの作品の第一印象など、見るべきであろう部分がクリアになった状態で2日目の開演を迎えられたことで流れが変わったような気がする。

ストーリー

あれ俺...何してたんだっけ...?
そしてここどこだ?夢の中?
今まで仲間達と楽しく過ごしていたような…
みんなわかっていたはずなのに考えてみるとこの場所がどこかわからない...。
記憶がない?
そして気がつく...
この場所から出られない自分等を...
これが夢か現実か…一体...ここはどこなのか…
何かの事件に巻き込まれた...?!
誰かが何かを知っている?
そして思い出す…現実を。
全ての真実が明らかになる時…そこには…〇〇〇〇〇〇があった…。
100点un・チョイス!が送る、切なくも優しいヒューマンミステリーファンタジー?!
あの日々を…思い出しながら…また…

公式HP内 【STORY】より
https://unchoice.wixsite.com/100ten-22th/story

正直、「ストーリー」と区切ったは良いものの、どう書けばいいんだ、、、という感じではある。
ざっくりではあるが、「乗り物の事故に遭った乗客が何を想い、何を考え、どう生き抜いたか(事故の世界線)」と「残された遺族が事故の中で残した言葉や行動を知り立ち直る(現実の世界)」が物語の主軸になる。
そこに補足になる前述のSTORYにある「どこだかわからないし、記憶も曖昧だけど、なんか閉じ込められた(並行世界)」の描写も添えられる。

ちなみにストーリーの流れはこんな感じ↓
並行世界→現実の世界→事故の世界線→現実の世界→事故の世界線→並行世界→事故の世界線→現実の世界
※どっか抜けてる気がする

複雑に入り組んでて、7回見ても解釈がブレるし、それぞれに正解があるような感じの物語で、見た人と感想をシェアし合いたいというのが先に来る。
なので皆さん、また夏に語り合いましょう(突然の宣伝)

素敵な出会い

※大千穐楽を見届けた直後の感想

舞台作品は推し(桜井えまさん及び私立恵比寿中学さん)が絡まないと見に行くことが無かったので、正直今回のキャスト一覧を見た時にピンと来たのは二俣璃星役の岩田陽菜さんくらい(元STU。TLで見かけた記憶)
なので、初見の役者さんが数多くいたのだが、また見たい気持ちを抱く役者さんばかりで、なのでグループごとに色々書いていこうと思います。

※配役表

ざっくり相関図を作った。スマホアプリで作れる時代みたいです

①卒業旅行の5人組
全員大学生。
琉以と大和は高校を除きずっと一緒にいる幼馴染。この卒業旅行がロマンスアストリアになったのは琉以がずっと乗りたがってたのを大和が聞いて計画したから。
たまにぶつかったりするけど、仲の良さが随所に垣間見える。
〇個人的ツボ
・琉以が乃亜に好意を抱いている描写があるが、一生踏み出せないモヤモヤ。ただ、意を決したであろう琉以が「あのさ!」と話しかけたところで「あー!いま流れ星見えた!」と乃亜が叫ぶけど、乃亜は琉以の気持ちに気付いた上で逸らした気がする。
・相関図に俊哉の線を引けなかったが、全員と仲が良い感じのおちゃらけキャラ。事故が起きた時も前向きに生きようとしてるし、モテないキャラみたいになってたが本当にカッコいい。
・Aキャストの松村優さん、5日前くらいに急遽代役として決まったにも関わらず、あのセリフ量と動きを間に合わせてしまうの凄すぎる…

②女子旅3人組
恐らく大学生。(斗和子と大和が高校の同級生なので)
女子旅兼ねて彼氏探ししに来てる模様。ずっとコントを見ているような感覚だった。
〇個人的ツボ
・役柄も、なんなら素も「おもしれー女」という感じの雰囲気の集まり。ABどちらもw
・結構大事なシーンの時で、知芹が捺芽に顔をバシバシ叩かれるシーンがあるが、Bキャストの時は結構バチバチ音鳴ってて「藤白さん痛くない???」となってた(Aの時はそんなに気にならなかった)
・Aの捺芽役の鈴宮さんに突然絡まれてびっくりしたわし~
※後述の邦四郎への当たりが強い役でそのことに触れたポストへのリプライ

③幼馴染
高校2年生の柚杏と青葉。数年振りに再会して行動を共にする。
柚杏は両親と、青葉はお小遣いを貯めて一人でロマンスアストリアに乗っていた。
〇個人的ツボ
・青葉役の2人もスタダなの知らずに観劇して、初日に高桑くんが15歳でシンデレラタイム(21:00)との話がありビックリして調べたら「Lienel」というグループのメンバーだそう。
・高桑くんの青葉は素で不思議ちゃん、森田くんの青葉は起きたことにパニックになるような印象の違いを感じた。
・柚杏役、我らが桜井えまさん。初舞台から全作見に行ってて、表現力だったりセリフだったりの成長をずっと見ているが、ここのところ「哀」の表現が本当に上手で惹き込まれる。
・青葉が一人で来ているところに出くわして、ご飯に誘う柚杏の「それじゃ決まり!行こっ!」の「っ!」が非常に好き。
・ネタバレのハッシュタグの中でも言及されてたけど、力尽きるシーンで柚杏を春一が抱えながらそっと撫でていて「えまちなでなでだ!」となっていた。

④乗務員のロマンスアストリアさん
※ってロマンスアストリアさんって呼ばれてたのは松本さんだけっぽいけど
この乗り物の乗務員の五十嵐新菜。責任感が強く、気配りもできる素敵な人物。
プロポーズを受けており乗務が終わったら返事をする予定。
〇個人的ツボ
・どちらの新菜も本当に素敵で、責任感が強くて、包容力があって、優しくて…好きな役柄。
・両親が取り残されて不安な柚杏に声をかけるシーン、青葉役の二人の体格差なのか順番がちょっと違った。
-Aキャスト:柚杏に声かける→青葉を寄りかからせる
-Bキャスト:青葉を寄りかからせる→柚杏に声かける
・一度は言い淀むものの、「プロポーズの返事をします」と宣言をしたときの表情の儚さ。その後の結末を知ったうえで見るとギュッとなるシーン。

⑤みんな大好きくにちゃん
占い師で写真を撮ることが好きな北篠邦四郎。
独特な口調、職業柄すぐに出てしまうネガティブなワードなど、避けられる要素が多かったが、徐々に馴染んでいった。
〇個人的ツボ
・一人称がわし、セルフ突っ込みしてその後の「自分で突っ込むわし~」など登場からぶっ飛んでた。
・星が良く見える場所にようやく一人になれたときの登場シーン、perfumeやこっちのけんとなどで登場し、春一役の川隅さんと客席を爆笑させていた。
・事故後の描写で古今東西ゲームをやるのだが、そこでもぶっ飛んでいて、毎回お題も変えるし面白かった。その後のセリフの乃亜役の本西さん大変だったと思う。
・もちろん素の中尾さんがこのキャラな訳ではなく、アツい役者さんだなとカーテンコールの時などに感じた。

⑥作中で一度も名前を呼ばれない中井さん
1人でロマンスアストリアに乗っているはずの中井春一。
設定が劇中で言及されず、謎なことが多く、誰かと仲良くすることも無いが、中井視点で物語を見ると理解がしやすいと個人的に思っていた。
○個人的ツボ
・気付いたらいるし、気付いたら消えてる。前のシーンで叫んでたと思ったら、明転後にしれっと語ってる。切り替えが大変そうな役だなと思った。
・新菜が「プロポーズの返事をします」と言った時、立ち上がるくらいの勢いで新菜を見ていたのはなんだったのだろうかと、今でも考えている。
・俊哉が詩生に琉以のことを話したタイミングでそっと姿を消すのだが、託した想いを果たしている姿を見て満足そうな表情をしていた。
・カーテンコールやアフタートークでの川隅さん、座長の緑川さんのコメント全部言ってしまったりお茶目な部分もありギャップ…!となった。
・挨拶の「ありがとうございました!」の声の迫力、凄かった。

⑦琉以の姉、詩生
ロマンスアストリアの乗客ではなく、現実の世界で琉以の亡くなった場所を訪れた描写で登場する。
何年も来れておらず、訪れた当初は「来なければよかった」と後悔していたが、中井が語る琉以の最後の姿などの生きた証を得て前向きに生きようとする描写で物語が結ばれる。
〇個人的ツボ
・回を重ねるごとに詩生の涙の量が増えていき、つられて私の涙の量が増えていた。
・最後の合唱の時に琉以と詩生が並んで笑うのだが、この描写のお陰でかなり心が楽になった(後述)
・主宰やりながら、演出つけて、出演もする。舞台全般の運営もしていて、大千穐楽の終演後は客席出口で挨拶している。凄い人に出会ってしまった。
・件の挨拶の時に「また、観に行きます」と伝えられたので、次回作情報が楽しみでならない。

結び付いた記憶

序盤の方のセリフで中井が「亡くなる時、誰かにお別れを言ってから、なんてできない」というようなことを言っていた。
そのセリフを聞いて、パッと思い浮かんだのが父のことだった。

膵臓癌のステージⅣを宣告され、治療を進めていたが効かず、治療を止めた後に自宅に戻り終末期を過ごしており、亡くなる前日まで意識があったため普通に話せてた。あまりはっきりと何かを言われた印象は無いが、「母さんを頼む」といった類の言葉はあったのでそれが父なりの別れの言葉だったのであろう(それ以外にあったのかもしれないが激動であまり記憶がない)

別れの言葉や最後の時間はあったはずなのに、途中の詩生のシーンの通りで、1年半経った今でも苦しんでいた姿や「あの時こうしていれば」という後悔が頭をよぎっていた。
結局のところお別れする時間をゆっくり作ってもらったとしても、手続きや仕事などの覚悟はできるが心の覚悟はいつまでも整わなかったように思う。
悲しみなのか、肉親を失う苦しみは、時と共に薄れていくものだと半ば諦めつつここのところ過ごしていた。

この作品の最後に描かれる「懸命に生きた証」を胸に踏み出そうとする詩生を見て、自らを振り返ったとき父が闘病中で苦しんでいる姿ばかり思い出していたことに気付いた。
抗癌剤治療の吐き気や倦怠感、終末期の疼痛、苦しくてしんどいと言い続けている姿ばかり思い出してしまっていた。

明るい父の生きた証を辿ろうじゃないか、と思い立った大千穐楽の終演後。

酒飲みの父が「ここは本当に良いぞ」と教えてくれた立ち飲み屋。
結局父と来ることは叶わなかったが、楽しそうに良さと作法を教えてくれた姿を思い出しながら飲んでいた。

このエリアで生きの良い海鮮を食べるならここしかない豪語していた。
写真は〆の握り四貫

前を向くきっかけになる良い時間だった。
この作品に出会わなければ至ることのなかった思考だったので、感謝でしかない。

#舞台さいはなのはなし

そろそろ千の位が5を指そうとしているので締めたいが、本編の語りたかったことの30%くらいしか書けていない。
舞台期間中は公式ネタバレタグの「#舞台さいはなのはなし」にいくつか投稿したが、ふとした時にまた見返すくらいにはまだまだロスだ。
1日でも早くDVDが手元に来ることを願っている。
そして、感想をまたシェアし合いたいし、再演も見たい。欲張りだ。

チケットの受付日にしっかり張って行きたい公演に全部行けた。
本当に楽しい期間だった!

あとがき

・考察とかもっと書きたかったけど、ぐちゃぐちゃになるのでこの辺で。
・乃亜役本西さん。調べてたら、阪急~オリックスなどで活躍した本西厚博さんの娘さんでビックリ。後にメジャーで活躍するイチロー田口と鉄壁の外野を成していたすごい人。
・2/1夜の福元さん主催の振り返りスペース配信で色々語られていて、ありがたかった。アーカイブは方針で残さないとのことなので、内容は心に留めておくが相馬あこさんが参加しキャストをどう選考したかなど興味深い話が多かった。
・次見たい作品を探し回っている。何を見ようか非常に悩んでいる。
・最花に出た桜井えまさんが所属する私立恵比寿中学さん、3/20(木祝)にさいたまスーパーアリーナでライブやります。
えまちの素敵な歌声とキレのあるダンス、是非見に来てください。

https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=A9290068



なんとなく耐えながら生きていたが、もう少し前を向かなければ!と思わせてくれた大切な作品に感謝を。
そして、また素敵な作品に出会えますように。


暖かくて、素敵なシアター。また観に行きます。

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