とびきりの愛を込めて言おう
結婚するって幸せなことなのかな。
そもそも幸せってなんなんだ。
26歳にもなると周りが結婚しだしたり、そうでなくても話題になることが増える。
だが結婚に関して、上記のような純粋な疑問を抱いたことがある人は少なくないのではないだろうか。
私はそのうちの一人だ。
全く結婚を否定するつもりはないし、それぞれの幸せを心からおめでたいことだと思っている。
単純に、結婚と幸せについて、まだなかなか自分ゴトとして実感を持てていないのだ。
そんな私に、大切な友人が一つの示唆をくれた。
会って話して何かを聞いたということではなく、言ってしまえば彼の人生そのものが、私に「幸せの意味」を腹落ちさせてくれた気がしたのだ。
◇◇◇
先日、友人から結婚式の招待状が届いた。
新郎である彼と私は大学一年生の頃からの長い付き合いであり、招待状の写真からそんな彼の幸せそうな表情を確認したとき、いろんな思いが込み上げてきた。
彼は優しい人間だ。
本当はもっと気の利いた言葉で彼のことを表現したいのにと歯痒くてしかたないのだが、とにかくそのくらい優しい人間だ。
だれか困っていそうな人がいれば手を差し伸べる。話を聞いてくれる。相談に乗ってくれる。
それも、嫌な顔一つせずにだ。
就活の時も、仕事で悩んだ時も、彼が話を聞いてくれた。
今はもはや、話していなくてもどこかで彼の存在に救われてすらいる。
情に厚く、どんな相談を切り出しても茶化すことなく聞いてくれる。
自分よりも若い人たちの前ではついつい先輩風を吹かせてしまう、そんな私だが、彼の前ではいつも素直に自分を曝け出せる。
いつもありがとう。救われています。
いつも周囲にその優しさを配っている彼の、そう彼自身の「幸せ」が目の前に現れた。
なんだか新鮮な気持ちになった。
そしてそれ以上に、叫び出したくなるくらい興奮した。
絶対にこの人は、いつも周囲に向けている優しさの分だけ、自分自身もこれから幸せになっていくんだ。
そんな気がして、興奮した。
なぜ人は幸せを目指すのか。
なぜ人は、人に優しくするのか。
彼が全部、教えてくれた。
彼と出会って、これまで過ごしてきた時間と、そして彼の結婚が教えてくれた。
無論、彼は彼の信念に従って生きているだけであって、後から自分に幸せが跳ね返ってくることを期待していたわけでは決してない。
ないのだが、いやだからこそ、第三者として言わせて欲しい。
彼の幸せの大きさは、彼自身のこれまでの人生の豊かさを表している。
大事なことに気づかせてくれて、ありがとう。
そしてなによりも、ご結婚、おめでとう。
この招待状は、たからものです。
鳴り止まないのは、この楽曲。
では、また。