おすすめ書籍紹介(ケース対策本)
こんにちは!戦略コンサルティングファームで働いているゆうきです。
今回は、ケース対策関連の書籍に関して、優先的に取り組むべき書籍、劣後すべき書籍を整理しました。
コンサル就活/転職に向けたケース対策をするための書籍を選ぶ際に参考にしていただきたく、実務的なコンサルティングに向けた観点よりもケース対策の観点で記載しています。
また、こちらはあくまで個人的感想であること、ご理解ください。
また、こちらの記事内にて、フェルミ1題、ケース1題について解説しています。
ケースの解説以降を有料としていますが、拡散で無料となっておりますので、ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。
優先的に取り組むべき書籍
①『過去問で鍛える地頭力』大石哲之
おすすめ度:★★★★
実際に出題されたケース面接に対して、戦略コンサルタントが解答している書籍。コンサルを志す就活生はほとんど読んでいると思いますが、未読の方は必ず読んでほしいです。フェルミが10問、ケースが10問となっていて、思考過程に重きを置いて記載されています。
以降は割愛しますが、ケース対策本への取り組み方として、どの本/問題もパラパラと読むだけでなく、必ず、自分で10分程度は考えた上で自分の回答と比較しながら読んで欲しいです。
実際のケース面接を想定して練習をするなら、3-5分でクイックな回答を作り、その後10分程度かけてもう少し詳細な回答を作成するのも良いと思います。
また、フェルミ・ケースともにどのような指摘/質問がありそうか想定して、それに対する回答方針まで考えられると訓練としてはベストです(ここはケース対策に割ける時間や、現状の対策状況踏まえて要検討)
②『フェルミ推定の技術』高松智史
おすすめ度:★★★★★
元BCGのプロジェクトリーダー(マネージャー)の高松さんが書いた書籍。フェルミ推定を勉強するならこの1冊(もしくは、これに加えて同著者の次に紹介する本)だけで良いと思います。
最初から細かい式を作るのではなく、ざっくりとした式を立てて、数字が置きにくい部分をブレイクダウンしていく、等のセオリーが書いています。
もし、東大生本だけ読んで、「とりあえず、年齢でセグメンテーション!」となっている人は必ず読んでほしいです。
③『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』高松智史
おすすめ度:★★★★
『フェルミ推定の技術』と同様、高松さんが書いた書籍で、『フェルミ推定の技術』の続編の扱いです。まずは『フェルミ推定の技術』を読んでから、この本を取り組んでほしいです。個人的に、フェルミでそんな難しい問題がないと感じましたが、B2Bドローンの市場規模や、有線イヤホンの市場規模は面白かったです。また、フェルミ推定とケース面接の橋渡しとして良い書籍だと思います。
若手のコンサルタントの視点で恐縮ですが、書籍の模範解答は少し考えが浅いと思った部分があるので少し話させてください。
具体的には、学生/若手の社会人にとって、(就活の次に)最大の関心事である「マッチングアプリでデートできる人数(書籍内A-21)」に関して、もう少し解像度を高くできるなと思いました。
私なりの考え方を後ろに載せているので、「1カ月にマッチングアプリでデートできる人数は何人か?」というお題について、少し考えてみてほしいです。
(以降、数分は自分で考えてから読んでください。また、本記事では書籍での回答は紹介していないため、気になる場合は書籍を読んでください)
高松さんの表現をお借りして説明すると、まず「リアリティスウィッチ(対象者の立場に立って状況を具体的に想像すること)」を入れて、その人の魅力度/性別、使うアプリを勝手に設定したいです。
皆さんもお分かりの通り、人とアプリの組み合わせによって、デートできる数のボトルネックが変わる(つまり因数分解が変わる)からです。
ボトルネックになりうる要因として、マッチ数、お金、時間の3つがぱっと思いつきました。
例えば、あまり魅力度が高くない男性がPairsをやる場合、マッチ数がデートできる人数のボトルネックになります。ゆえにマッチ数を起点にフェルミ推定を行うのがベターだと思います。
一方で、容姿は良いが年収600万円の男性が東カレをやる場合、デートできる数はデートにかけられるお金に依存します。その場合、「デートにかけられるお金」÷「1回のデートにかかる金額」で計算した方がベターです(具体的には省略しますが、東カレは女性会員の方が多いけど、比較的高級感のあるお店で奢ることが前提となっている認識)
他にも、魅力的な女性がTinderをやる場合、デートできる数のボトルネックは時間となります。その場合、「1週間でデートが可能なタイミングの数」をブレイクダウンするのがベターだと思います(無限にLikeが来て、デート代は奢られる前提)
少しふざけてこのお題をチョイスしましたが、フェルミ推定のイメージが少しでも深まれば嬉しいです(笑)
④『「暗記する」戦略思考』高松智史
売り上げを因数分解して、重要な因数を絞って、ターゲティングして、、、とパターンは学んだけど、お題によって良い回答が出せたり、まったく筋が悪い回答になったり、と当たり外れがある方はぜひ読んで欲しいです。
かなりプラクティカルに書いてある書籍で、「この本読んだけど結局何が参考になるの?」という状態にはならないと思います。
書籍の構成として、
第1章:ケースを12題考える
第2章:第1章の問題を振り返り、12個の「戦略スウィッチ」としてスキル化する
第3章:まとめ。「戦略スウィッチ」をマッピングして、使うタイミングを整理する
となっていて、最後までやるとかなりケースの考え方に対する解像度が上がると思います。少なくとも、12個のうち何個かの「戦略スウィッチ」は、何かしらでケースを考える際の一助になると思います。この本に関しては、絶対に途中で離脱しないでほしいです。
取り組みは劣後とすべき書籍
ここからは、あえて劣後とすべき書籍を列挙させてください。
読むのが無駄とは言いませんが、上記書籍より優先順位は落として考えるべきだと思っています。
①『戦略コンサルティングファームの面接試験』マーク・コゼンティーノ
おすすめ度:★★★
本書の紹介では「各問題に対して、面接者と面接官の議論のやり取りが示されており、実際のケース・インタビューがどのような形で進んでいくかのイメージをつかむことができる」と記載されています。ただし、洋書の和訳であって、日本のケース面接、特に新卒の形態に近いか、と言われると決してそうではないです。もし、グラフが出てくるような面接を控えている場合はこちらの書籍で練習するのは良いと思います。
また、「アイビー・ケース・システム」というフレームワークがありますが、あまり実用的ではないし、暗記する意味はあまりないと考えています。
②『フェルミ推定ノート』『ケース問題ノート』東大ケーススタディ研究会
おすすめ度:★
フェルミ推定ノートについては、実際に通過しにくい回答が多い印象です。これを参考に変な癖をつけないでほしいなと思っており、あまりお勧めしていないです。具体的には、無駄に多いセグメンテーション(因数単位ではなく式全体を分ける)、人口ピラミッドに即した人口算出(そこに時間をかけたところで数値はあまり精緻化されない、それよりもブレが大きい因数があるはず)の2点は真似しなくて良いと思います。
ケース問題ノートについても、回答のレベルとして不十分なためおすすめしていないです。フレームワークありきな考え方となっており、あまり参考にしてほしくない印象です。ただ、優先的に取り組むべき書籍等、取り組むべき問題がなくなってきたら、こちらに取り組むもの一案かと思います。
③『問題解決力を高める 外資系コンサルの入社試験』
おすすめ度:★★
フェルミ推定は東大生シリーズと同様、不要なセグメンテーションが多く、現実的な回答になっていない印象です。
ケース面接に関しては、合格ラインに達していない(と思われる)回答が多いです。全体的にアイデアベースな書きぶりで、分析と打ち手があまり繋がっていない印象です。
自分の考えとして、ケース面接では、施策ありきではなく、現状を分析/解釈して論点/課題を抽出し、それを解決するための打ち手を考える、というプロセスを踏んでほしいと思っています。
例えば、「大手新聞社の成長戦略」というお題がありましたが、個人的に、あまり納得できる答えではなかったです。参考までに、私だったらどう考えるか、を少し記載してみます。
(以降、最低5分は自分で考えてから読んでください。また、本記事では書籍での回答は紹介していないため、気になる場合は書籍を読んでください)
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