
『next to normal』
STORY
母、息子、娘、父親。普通に見える4人家族の朝の風景。
ダイアナの不自然な言動に、夫のダンは優しく愛情をもって接する。息子のゲイブとダイアナの会話は、ダンやナタリーの耳には届いていないように見える。ダイアナは長年、双極性障害を患っていた。娘のナタリーは親に反抗的で、クラスメートのヘンリーには家庭の悩みを打ち明けていた。
益々症状が悪化するダイアナのために、夫のダンは主治医を替えることにする。新任のドクター・マッデンはダイアナの病に寄り添い治療を進めていくが・・・。
※ネタバレしかないです。そして、長いです。とても長いです。
普段はSNSに観た事、感じた事、思った事などを残していますが、ネタバレを含む為、溢れてきて仕方なかった色々の整理も兼ねた、記憶と記録。
一般人の浅慮な戯言だと、生暖かい目で見て頂けると幸いです。
あほほど劇場に通いたくなる…実際に通ってる時点でnormalではないと自覚しているけれど、normalってなんだろう。normalな人なんているのだろうか?みんなnormalの隣なんじゃないかな?
そんな事を考えたり。
観たのは、Nチームのみ
<配役>
望海 風斗 : ダイアナ(このミュージカルの主人公 家族の母親)
甲斐 翔真 : ゲイブ (ダイアナとダンの息子)
渡辺 大輔 : ダン (ダイアナの夫)
屋比久 知奈 : ナタリー(ダイアナとダンの娘)
大久保 祥太郎 : ヘンリー(ナタリーのクラスメイト)
藤田 玲 : ドクターファイン/ドクターマッデン(ダイアナの主治医)
演出 上田一豪
1.キャスト
望海 風斗さん
※完全にファン目線の為、甘いです。
初見が1列目だったという事もあったのですが、音量と圧に圧倒されて、女優さんになっても変わらなくて安心するし、同様に音量と圧を自在に操る役者さんたちとの共演が本当に嬉しかった。
本人は一見きつそうにみえるのに、ふわふわした中の人と出来上がってきて舞台で見せてくれる役は庇護したくなる系なのは変わらず。
1年でここまで変化するのかと思う位の女性化()だが、高いキーはスコーンっと歌う屋比久さんの存在もあって、ちょっと弱く感じる所もあったように感じる回も…でも、緩急ある歌い方・心情ののせ方でどのナンバーも大満足。
そして、人間味ある繊細で不安定な役は望海さんが得意な所だと思う。人は誰もが弱いところを持っていて、その人間らしい部分を見せてくれる。
やっぱりこの人のお芝居は好きだなぁと再認識。
叶うならば、望海さんが妻や母になったそんなタイミングで、またダイアナを観てみたいと思った。
-ダイアナ-
クレイジーで大胆なのに繊細で不安定。
何か些細なきっかけで全てが一瞬で壊れてしまいそうなダイアナは、ゲイブと2人で1つ。
ゲイブが生まれるまで、ダンとの関係を納得していなかった事と、まるで理想の恋人の様な幻覚のゲイブの存在が、予定外と言われていた様にダンとの結婚を望んでいなかった、付き合ってはいるが結婚し家族になるという未来を描いていなかった様に見えた。
むしろ、他の選択がメインでダンとの未来は考えて無かった様にすら思えた。でも、現実は結婚し子供がいる。(宗教的な問題もあるかもしれないが)
ダンやナタリーから求められる、良き妻に母になろうとしていたのかな?こういったプレッシャーも壊れてしまう一因になるのではないだろうか。様々な事を経て少しnormalになって見つめたことで、やっと愛がそこにはあったと気づいく(最後の「愛されてた、愛してた、愛してる」)。
では、計画通りな結婚だったら、ゲイブが存在していたら、ダイアナがなりたかった姿、ダンがなって欲しかった姿になっていたのだろうか?
愛したかった、でもわからなくなってしまったダイアナ。
甲斐 翔真さん
イケメンっぷりとスタイルの良さと声の良さ、堂々たる立ち姿。宝塚を見すぎた目にも優しくて、これは完全なる正統派っ。
これから更にどんどん活躍していくのだろうなと、きっと誰もが思ったんじゃなかろうか。
若いしぐいぐい押し出してくるかと思いきや、他の役者さんとのバランスをとっていて、緩急自在な柔軟な対応をするプロだった。
みんなの弟みたいな扱いにちょっとほっこり。
(舞台上にいる時点でプロなのですが…1月位に観ていた舞台を思い出すと遠い目をしたくなります)
-ゲイブ-
まるでHero、Prince。
っというか、正にPrinceだった。
ダイアナの息子であり恋人として、甘く優しいperfectな存在。でも、実際にはゲイブとして闇と狂気がしっかりそこに在って、幻覚の存在なのに幻覚をしている側のコントロールが全く効いていないのが怖かった。
幻覚だと明かされてからのゲイブは子供に戻った様な印象を与えてくれて、それが切なく悲しく、時々かわいい。
Tシャツ、ジーンズ、スニーカーというシンプルな衣装だが、タイトなシルエットでこれだけで清潔感がある好青年。ダンとの差がわかりやすい。
寂しくて甘えたくて悲しいゲイブ。
渡辺 大輔さん
『INTO THE WOODS』ぶり。
『ITW』の王子さまはかっこいいんだけど、たまに出してくるアドリブがおかしくて、もしかしておもしろい人?色々な引き出しがありそうっと思い、『ITW』の心の拠り所だった歌ももっと聞いてみたいと思っていたのでそれが叶った。甘めな低音が素敵。
望海さんファンの自分としては、本当に望海さんが大変お世話になりました。ありがとうございました(立ち位置)
-ダン-
このキャラクターが初見と2回目以降で一番見方が変わった。
初見は、ダイアナを一途に愛しているからこその最後の赤い衣装だと思った。そして同時に、ゲイブの存在を認めた事でダイアナとダンは共依存だと分かりショックだった。
2回目以降は、1幕からずっとまるでモラハラの様にダンの理想とする妻、家族をダイアナとナタリーに押し付けてくる様に思えて、闇が怖かった。
ダイアナ本来のものもあるけれど、ダンがダイアナを助長した様に見えた。それは予定外ではなくダイアナと家族になりたかったダンが、ダイアナを助け支えるダンで有り続けるためにされていた事でもあるのだろう。
結婚するに至った過程から、ダイアナを思う自分の気持ちの重さと、ダイアナからの重さの違いに不安を持っていて、ダイアナに必要とされたかったのかもしれない。
セットで表現されている様に、家の枠/家族の枠を作った中心的人物?
誰よりも野暮ったいぐったりとした衣装が、冴えない一般的な男性を表していたが他のキャラクターとの対比で、とても疲れた駄目な印象を与えてくれた。
ダイアナに自分を必要として欲しかったダン。
屋比久 知奈さん
抜けるような綺麗な歌声が本当に素晴らしかった。
海外のホームドラマの吹き替えの様なセリフ回しや発音が、アメリカ感をUPさせてた。
小柄な感じが視覚的にも、ティーンエイジャー。
どこにあんなにもパワフルな声を出す力をしまってあるんだろう。
ろうそくは消せるようにならなくていいですw
あの3人で顔を見合わせたりしている、あの光景が希望にみえる。
-ナタリー-
ずっと背負っている赤いバッグパックが
重たくて...邪魔で…
不安定な家族を背負いつつ、それを持ち歩く彼女。
家族全てだと思って初見時は観ていたので、最後にダイアナが受け取ったことでダイアナだけを示していたと気付いたが、また赤いリュック=ダンを背負うのだろうか?あの枠の中に入ってきてくれたヘンリーが別の色にしてくれるのだろうか?
冒頭の「すべてが完璧」は、消せない完璧な兄の存在と問題だらけの母親から来ているのだろう。normalを目指し、normalで有りたい。反抗期っぽくもあり、頭がいいからこそ理解してしまい、家族をほっておけない。
ダイアナ、ダン、ヘンリーに少しずつ歩み寄っていく様が、希望を感じさせてくれる。
本当はパパにもママにも甘えたい、でも我慢してるいい子だから透明なナタリー。
大久保 祥太郎さん
学生時代に友達の中に1人はいそうな、そんなビジュアルがとっても好感。
素朴な雰囲気の青年が大人になっていく過程が作られていて、ただのいい人で終わらせない役作りがとっても素晴らしかった。
Heyのバリエーションの豊富さ。
甘酸っぱくて切なくてセクシーで、さすがです。
-ヘンリー-
注意欠陥障害(ADHD)とあったが調べてみたら流行病みたいな扱いを受けていてて、この頃のティーンエイジャーとしては、マリファナも含め一般的な人物。(肯定はしないですが…)
あまりに濃いキャラクター達の中で、本当に一番normalな好青年。青春を感じさせる存在で、正直地雷案件だと思うナタリーを見放さない、そして包んでくれる優しいのに男気あるいい人。
ダンとヘンリーが同じフレーズを歌う"A Promise" 同じで違う、だからこそヘンリーという良心が入ったグッドマン家は、変わるんじゃないだろうか?と思わせてくれた。
希望で光のヘンリー
藤田 玲さん
ファインとマッデンを見てるせいもあって、この方は面白い方なの?不思議な方なの??っと未だに疑問。
(ななめ上を行く、望海さんと甲斐さんのせいでもあると思いますが)
シュッとしたいい声のかっこいい人なのに、振り切った所が素敵。
-ドクターファイン-
ドクターファインかわいすぎる。ちょっとぷるぷる動くのなんですか?完全に虜ですかわいいです。お薬ください。
-ドクターマッデン-
normalに見えて多分違う。
ドクターマッデンは、医者と患者又は、その家族という他人と、立ち位置が近いのは、何か理由があったのだろうか?好奇心旺盛といった、パーソナルスペースが狭い人の特徴の様なものも表現されていたのだろうか?
また、医者のアイコンでもある白衣も着ていない(手術着除く)のはなぜだろう。アイコンに頼る必要のないという、医者としての自信の表れ?
1人スタイリッシュなスーツ姿で、一般家庭のグッドマン家と一線を画していて、変わらないトーンで冷静に落ち着いているようにも見えるが、再度、幻覚が見えてたタイミングから、人らしくなった様に感じた。
2.記録と記憶
■Act I
"Prelude"
・こんな感じの母と息子いるよね、と感じさせるダイアナとゲイブ。
・ダイアナに誘われて喜ぶダンがかわいかった。喜ぶダンにキュートに返すダイアナもかわいい。ここまでは、オープンな仲良し夫婦にしか見えない。
"Just Another Day"
・家族で話しているが、少しずつすれ違いや食い違い、噛み合わなさが現れてきて、ぞれぞれの人物に違和感を感じる。
・ダイアナのサンドイッチ
中日前に観た際はまだサンドしようとしていたのに、時間を経て下にパン2枚のオープンサンドになっていたのは、観ていて笑った。
サンドする事は大事じゃないよ。うん。
まぁ、サンドされたサンドイッチの時も袋に入れてからケチャップをかけたのはcrazyで笑った。
・初見の時には気がつかないゲイブの分の食器やサンドイッチ
・2回目も4人家族にしか見えない、セリフのやり取りのこのテンポのすばらしさを感じた。
・残されたゲイブが渡された、1つだけテーブルに残されたサンドイッチ
曲終わりに盆がまわり上手奥でダンが片付けるのだけど、その際にダイアナが、持ち上げて袋をみながら首をかしげて、なぜあるのか?と疑問に思っていたのが見えた。
この時点では、ダイアナの幻覚ではなく、完全にゲイブは生きていてここにいる人だった。
・テーブルクロスに全てまとめて入れて片付けるのが、ちょっと雑でかわいい
"Everything Else"
・初見は「屋比久ちゃん、うまっ!!!」「なんか海外ドラマの吹き替えっぽいこの感じ」で終わってしまったw
・ネタバレ皆無で望んでた為、ヘンリーあなたはこの物語の何?と初見は警戒してしまった。
・ちょっと声かけてみましたっという気軽な感じのヘンリーだけど、このタイミングまで見守ってて我慢できなくて声かけたのかな?とストーリーを知ると感じられる。
"Who's Crazy" / "My Psychopharmacologist and I"
・上記したけれど、ドクターファインが可愛くて、ドクターマッデンと同一人物なことが理解できない位にかわいかった。
・きっと、アメリカ暮らしとかしていたら、ここの薬の名前や症状で笑うんだろうなと思いながら羨ましくなった。
"Perfect for You"
・ちょっとはにかんだ感じに言う、ヘンリーのオフマイクの「じゃっ」が甘酸っぱくて、とっても素敵だった。
"I Miss the Mountains"
・最後に捨てるお薬は黒テープが巻いてあって、ちょっと粒が細かい。音の種類や出方までこだわって演出されてたのだろうか?
"It's Gonna Be Good"
・階段を駆け下りるダイアナ
最後の段をぴょんっと飛んで下りるのが、可愛くもあり、躁状態に入ったのがわかる。きちんとはめれない黄色い手袋のぐねぐねした感じがかわいい。
・2回目以降に見ると、初見とは全然ちがってみえる場面。ダイアナの置いたグラスで乾杯をする際に、ゲイブはグラスを持たない(持てない)グラスを合わせる際に手をグーにして乾杯をしにいってた。
・ケーキトレーに親指をつけないで持つのが望海さんらしいなと思って見ていた(シャンシャンを持つ際に親指をつけていない)
"He's Not Here"
・ろうそくを吹き消す渡辺さんが個人的にツボ
・ここからは、ゲイブが幻覚として存在し始めるし、ダイアナの中でも幻覚だと認めた?
"You Don't Know"
・千秋楽に向けてどんどん力強く迫力がまして、まるで爆発している様だった。
"I Am the One"
・初見は、ダイアナを愛していて自分を見て欲しいのだなと、お花畑な考えで見ていた場面。
・2回目以降、自分がこれだけ尽くしてきたのだから、その分を同じように自分を見て同じだけ愛を返してくれ!と強要している様に思えた。
・噛み合わない2人、3人。
・千秋楽のこの部分の迫力は本当にすごかった。思わず息を止めていた。
・ここでこの2人は、初めて大きな言い合い/本音をぶつけた様に思えた。
・そろそろ割れない仕様のお皿も割るんぢゃないだろうか?
"Superboy and the Invisible Girl"
・屋比久ちゃんの発音がよくて、とってもお気に入りの曲
・存在しないゲイブの大きさと、ナタリーの寂しさ
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・クリニックに向かう、ダンとダイアナ
一見仲良く話してるが、他人に紹介してもらった事、紹介されるような話を他人にしている事…本音をぶつけた後でも、噛み合ってない、すれ違っている。
・ロックスターなドクターマッデン
ダイアナではなく望海さんが笑っている様にも見えたけど、回数みても同じなので、アレが演技だとしたら、それはそれですごい事だなと。
・驚いて椅子で移動するのを見た時に『ケイレブハント』の車椅子を思い出した
・東京千秋楽では、だいぶ遠くまで移動して柱の裏側付近まで移動していた。よいしょよいしょっと正面に戻ってくる、望海さんがかわいかった。
"I'm Alive"
・緩急自在な甲斐さんすごい
・ふとした時に脳内で一番多く再生される曲
・ダンとナタリー
ダンのナタリーの気持ちを無視し考えない「お前の気持ちは問題じゃない」「母さんを支えよう」という言葉の鋭さ。
"Make Up Your Mind" / "Catch Me I'm Falling"
・ゲイブが生まれて「全部納得できた気がした」
納得できたのに今はそのピースが欠けてしまった状態。納得できていない。
・"Catch Me I'm Falling”の静かに助けを求める感じが、もう本当にみんな限界なんだと感じさせる。
・ピンクのガーベラを1輪むき出しでプレゼントするヘンリーのその素朴さかわいい。できれば、椅子に置いていかず、持って帰ってあげて欲しかった。
"I Dreamed a Dance"
・ゲイブがダイアナをダンスに誘う時の手と、背中に回した手、そして立ち姿がとても綺麗な甲斐さん。宝塚を観て知っている人なだけある。
綺麗に手を出してくれないと、そうじゃないんだよっ!ってツッコミをしたくなってしまうのは、ヅカオタあるあるだと思う。
・甲斐さん、どう見ても恋人で王子さまでした。ありがとうございました。
・ダンスをしている時に、ちょっと焦点の合わない感じのしたゲイブ。もう確認出来ないのが悔やまれる。
"There's a World"
・ダイアナがリストカットするタイミングで、ゲイブがエスコートのためにダイアナの下に添えていた手で、ダイアナの左手首を握ったのは細かい事だけど、とても恐怖を感じさせた。
・ほぼトート閣下
・「行こう」と原語の「Come with me」はちょっと感じが違う。
・"I'm Alive"であんなにも力強く張り上げたのに、甘く柔らかく誘う甲斐さん、新解釈トート閣下(2回目)。
"I've Been"
・ダンってモラハラ?と思っていたのを改めさせてくれる曲
・「1人は耐えられない」ダンからしたら、ダンとダイアナは2人で1つなのかな?結婚してすぐに患ったダイアナだから、夫婦二人三脚とは違う。
・床を拭くところ
乾いた雑巾が濡れてピンクになる雑巾。細かい演出だな…っと思っていたら、ちゃんと濡れていて驚いた。
"Didn't I See This Movie?"
・寒がりの望海さん、そんな薄着で大丈夫か?裸足で足冷えちゃうからもこもこスリッパを履かせたい、ストレッチャーを使ったアレコレに落ないでねっと心配して観てた。
・とりあえず『カッコーの巣の上で』を観てみたい。
・忘れられたくないゲイブのセリフ回しが可愛く聞こえ、ゲイブが幼く可愛くみえる。
"A Light in the Dark"
・こめかみにキスするのに悶えてた。自分。
■Act II
"Wish I Were Here"
・ヘンリーありがとう、ヘンリーいい子。
・ダイアナ「ナタリーちゃん?!」の言い方がとってもツボ。
・ドクターマッデンと助手の動きが気になるのに、上段にいるダイアナとナタリーも観たい葛藤との戦い。
・「ここに居たい」悩みのない空間?世界?
・ヘンリーの「じゃっ」再びで、毎回見つめてた。1度目よりも少し、落ち着いた感じ。
"Song of Forgetting"
・医療の事はわからないけど、そんなにも長い年月の記憶がなくなってしまうこともあるのかと。normalになる代償が大きすぎる。
・ナタリーの事もダイアナが忘れているのにあまり重視していない(?)ダン
・ダイニングセットの椅子が1幕の4脚から3脚に減らされている。
"Hey #1"
・大久保さんの「Hay」のバリエーションの豊富さ。ミュージカルの醍醐味。
・屋比久さんの心が揺れるのと同じように揺れる歌声。でも口跡がよくてとても聞きやすい。
・ナタリーに逢いたくて心配をしている、ヘンリー。付き合いたい。
"Seconds and Years"
"Better Than Before"
・思い出を(都合の)良い思い出に変えようとするのが切なかった。
・いい思い出だけをダイアナに与えようとする愛情もあるのかもしれないが、与える事ができなかった事実を塗り替えようとするエゴ。
・ダンの思い描く理想に押し込めようとしている様にも思えた。
・「猫をひいた」
Act I "I Dreamed a Dance"でトート閣下を思い浮かべてしまったせいで、ルドルフを思い出してしまった。
・最後の不協和音の示唆する不安さ。そう!これぞ綺麗な不協和音!!(ITWの事を思い出してしまった…)
"Aftershocks
・初見の時、ゲイブが幻覚ではなく幽霊や亡霊のような怖さを感じた
・ヘンリーがはしごを登るのをちょっと楽しみに観てた
"Hey #2"
・ここの必死さもある「Hey」
・「会いたかったよ」の歌い方がとっても好き。
"You Don't Know" (Reprise)
・何もわかってない→何もわからない
"How Could I Ever Forget?"
・ここの冒頭の望海さんの歌声すき。
・ダイアナが思い出したタイミングで薄暗い中、笑顔になるゲイブ。すごくかわいい笑顔をしていて、亡霊ではなく母親が大好きな息子。
・東京千秋楽、思い出の詰まった箱を見つめながら、ゲイブが涙していた。
"It's Gonna Be Good" (Reprise)
・言葉だけなのに暴力的にみえたダン。
・オルゴールを叩きつける力強さがどんどん増していって、東京楽は本当に力いっぱいの剛速球で叩きつけられてた。すごかった。怖かった。(楽はダイアナが食器を投げつけるのもすごかったですが)
・怪我しないかな?って思う位、全力で抵抗していた様に見えた。
"Why Stay?" / "A Promise"
・ダンとダイアナ/ヘンリーとナタリー、2つのカップルの差、温度差。
・終わっていく気配と、未来へ繋がっていく気配、対比がわかりやすくてすばらしい。
"I'm Alive" (Reprise)
・再びゲイブ(彼女にとって救い?であり、恐怖)を見つけるダイアナ。でも、どこかnormalになっているので、救いをナタリーに求める。
・一緒にいることを示したダンではなく、ナタリー。
・「ナタリー!」っていう助けを呼ぶ悲痛な声。
・母親に求められた(認識された)、透明ではなくなったナタリー。
"The Break"
・夫婦でよく話し合う事を勧められる訳だが、本当にこの夫婦は未来を一緒に作るならちゃんと話し合ったほうがいいよ。もう遅いけど…。っというツッコミが出来る心の余裕は、複数回観ないと無理。
"Make Up Your Mind" / "Catch Me I'm Falling" (Reprise)
・ずっと治療を続けないといけない、もう本当にこの生活や自分に疲れてしまったのだろうな。
・冷静な自分を取り戻しているからこそ「息子の死」を認め、原因と認める。
"Maybe (Next to Normal)"
・ここでナタリーに寄り添ってしまうと、涙が止まらなくなる
・ナタリーにもたせていた赤いバッグパックをダイアナが持つ。娘に背負わせない。
"Hey #3" / "Perfect for You" (Reprise)
・一番はじめの「Hey」が最高にセクシーだった。
・東京楽、ヘンリーも泣きそうで、ナタリーを想うヘンリーに心が苦しくなった。
・自分の本心を吐露するナタリー、包み込むヘンリーの大きさ。二人並んで歩んでいく未来。
・多分、ナタリーはダイアナにならないし、ヘンリーはダンにならないと思える。
"So Anyway"
・ダンの抜け殻感ある放心した座り姿と、スッキリとしたダイアナ。
・ダンの枠にいたダイアナが枠から出て行く。
・next to normalになったから選べた未来。
・出て行った=離婚ではないかもしれない。別居の可能性もある。でも、夫婦ってなんだろう。所詮他人同士。自分も相手も、一生変わらない人間はいない。愛していても、他人の気持ちはわからない。愛しているは絶対じゃないと答えの出ない所を彷徨う。
"I Am the One" (Reprise)
・渡辺さんのギリギリの演技に目が離せなかった。そして、よくあんな短時間で涙から立ち直れる。役者だなぁと変な所にも感心したり。
"Light"
・ゲイブを見つめていたダンが、ナタリーに声を掛けられ見えないものを見ていた、そして認めた自分に気づいた目の演技がすごかった。
・ナタリーが事実と言うのだけれど、歩み寄ったナタリーの優しさと家族愛。離れられない愛している形。
・「1人は耐えられない」("I’ve Been")と言っていたダンに、「2人っきりだね」というナタリー。
・まだ問題だらけだけどナタリーの「お気に入りの問題」に救われる。一緒にnext to normal(紫のインナー)でいてくれるヘンリー。
・あんなに抜けるようで声量があるのに、ろうそくが消せない屋比久さんかわいい。観た回はどれも1度では消せなくてw
後半、ダンとヘンリーが吹き消したりしたけれど、新しい家族の形になった様に見えるから、これでいいのでは。
・最後に装置の外枠のライトが消えるのが、新しい未来への解放に思えた。
3.装置
・外側にあった家の形をした枠が、枠に囚われている様に見えた。この枠は全ての家族の住む家にあるのだろうな。
・家族、家族だから、この家族の考えるnormal、normalでないものを外に出さない。そんな、枠に見えた。でも、装置の枠は少し切り離されていて完全ではない。完全な家族なんていない。
・グレーの骨組みだけの家、シンプルな額縁、盆が回ることで場面を変える。(2022年にどこかで見たような要素が2つもあるけれど、比較したら虚無が襲って来る)
4.その他
可能ならば、Aチームも観たかったし、両チームともあと何回か観たかった。比較するのではなく、うちの家族と隣の家族くらいの同じようで全く違う家族になるのだろうな。
家族や病気のことを扱う重たい内容ではあったけれど、音楽が少し軽くしてくれた。
その時の自分や状況、観た人によってきっと刺さるところが違う、そして色々考察もしたくなる、あぁ…もっと観たい。
そして、何よりもこの膨大にあった曲数を歌いこなし、歌で進んでゆくストーリーを感情を込めて届ける事が出来る出演者。ミュージカルを観た!これが観たかった!と心から思った。
ただの箇条書きのくせにこんなボリュームになると思わなかった。
長いよ。長すぎるよ。
でも、きっと何か思い出して追記してる気がする。