見出し画像

「ユキさんのセンス、憧れます!」

「ユキさんのセンス、憧れます!」

カフェで一人、新作のラテを味わっていると、ふと、あの言葉が頭をよぎった。スマートフォンに映る、たくさんのコメントの中に埋もれていた、たった一言。でも、あの言葉が、私をここまで連れてきてくれたのだと思う。

あの頃の私は、ただの会社員だった。毎日、満員電車に揺られ、オフィスでパソコンに向かう。週末はカフェ巡りをするのが唯一の楽しみだったけれど、それも、ただの自己満足に過ぎなかった。インスタグラムに写真を投稿し始めたのも、本当に些細なきっかけだった。同僚に「インスタグラマーに向いている」と言われた、あの夜の何気ない会話。最初は、副業なんて考えもしなかった。

でも、「@sakura_lifestyle」さんのアカウントを見た時、世界が変わった。好きなことを仕事にできる。そんな生き方があるなんて、知らなかった。不安は大きかった。会社にバレたらどうしよう。私にできることなんてあるのだろうか。秘密の計画を立て、アカウントを作成し、最初の投稿をした時の、あの震える指の感覚は、今でも忘れられない。

最初の数週間は、本当に孤独だった。誰も見てくれていないんじゃないか。私にはセンスがないんじゃないか。何度も、やめてしまおうと思った。でも、あのカフェで偶然見かけたインスタグラマーの姿、そして、彼女の過去の投稿が、私に勇気をくれた。「私も、諦めない…」そう心に決めて、試行錯誤を続けた。

転機になったのは、あのハッシュタグ「#カフェ巡り好きな人と繋がりたい」を見つけたことだった。自分の写真が、自己満足的で、見る人に何も語りかけていないことに気づいた。そこから、写真の撮り方、キャプションの書き方、ハッシュタグの活用方法…全てを徹底的に研究した。そして、あの日の投稿。初めて、たくさんの「いいね!」とコメントをもらった。「素敵な写真ですね!」「私もカフェ巡りが好きです!」あの時の、胸が熱くなるような感覚は、今でも鮮明に覚えている。

それから、少しずつ、私の世界は変わっていった。フォロワーが増え、「いいね!」の数も安定して三桁を超えるようになった。コメント欄での交流も活発になり、インスタグラムの世界が、孤独なものではないことを知った。そして、初めてのPR案件。あの震える指でメッセージを読み返した日のことは、一生忘れない。

会社での私の変化に、周囲も気づき始めた。最初は、単に「インスタ好きな子」という認識だったのが、「何か面白いことをやっているらしい」という噂になり、最終的には「実は、すごいインフルエンサーらしい」とまで言われるようになった。もちろん、副業のことは秘密にしていたけれど、会社での私の立場は、確実に変わっていた。

具体的な成長…それは、数字だけでは測れないものだった。フォロワー数、いいね!の数、PR案件の数…もちろん、それらも嬉しいけれど、何よりも、自分の投稿を楽しみにしてくれている人たちがいる、という事実が、私を支えてくれた。そして、自分で稼いだお金で、自分の好きなものを食べる、あの格別な味。それは、会社員の給料では味わえない、特別なものだった。

「ユキさんのセンス、憧れます!」

あの言葉は、単なる賞賛ではない。それは、私の努力、私の情熱、そして、私の成長を認めてくれた証。あの言葉があったから、私は、新しい目標に向かって、さらに進み続けることができた。

今、私は、カフェチェーン店からの返信を待ちながら、新しい投稿の準備をしている。フォロワー数は、まだ目標には届かない。でも、私は、もう一人じゃない。インスタグラムの世界には、たくさんの仲間がいる。そして、私の投稿を待っている人たちがいる。

私は、これからも、自分の「好き」を信じて、進み続ける。

私のインスタグラマー副業体験が、Kindleで電子書籍になりました!

普通の会社員ユキは、漠然とした将来への不安を抱えていた。ある日、友人からインスタグラマーとしての副業を勧められ、好きなカフェ巡りを活かした副業に挑戦。試行錯誤の末、フォロワー数を増やし、企業からPR依頼を受けるまでに成長。会社にバレないための対策や、インスタグラム運用のコツ、企業とのやり取りなど、実体験に基づいた副業のはじめ方と心の変化を描いたノンフィクション小説。

ユキと一緒に、新しい自分を見つけに行きませんか?勇気の99円、ポチッと応援お願いします!


いいなと思ったら応援しよう!