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【狂気】「あの契約なかったことにして」→「嫌だよ」→「じゃあお前ベンチな」が発生

NFL で発生したオモシロニュースの話。自分のチームでの話だったら面白くもなんともない。ブチ切れ案件だ。

デンヴァー (Denver Broncos) は、チームが最終盤へ向かう直前、先発 QB ウィルソン (Russell Carrington WILSON; #3) をサイドラインに置く決断をした。
しかし、開幕から 6 週までを 1 勝 5 敗で始まったチームはその後 5 連勝。直近の連敗によって首の皮一枚(公式によれば 7%)になったとはいえ、まだプレイオフの可能性を残している。ここで投了? いったいどうして……。

HC ショーン・ペイトン (Patrick Sean PAYTON) によれば「効果的な攻撃ができていない」(we weren’t doing effectively enough offensively) からであり、ウィルソンだけを下げる理由は「オフェンスラインをまるごと取り替えることはできない」(I can’t replace the entire offensive line) からで、つまりは「ホントはぜんぶ取り替えたいけどとりあえず替えられるところだけでも」と聞こえる。

確かにブロンコスは 2022 年に高い代償を払ってこの元チャンピオンを手に入れて以来、僅差で負ける試合を繰り返しており、あまり良い思いをできていない。しかし彼との契約を見るかぎりは、とてもまだカットできそうにない。2025 年のどこかでの放出は考えられるが、少なくとも 2024 シーズンはプレイしてくれないと困るはずだ。
となると、望み薄になった試合でケガをされるわけにはいかんという理屈なのかもしれない。

……そうだろうか。
このゲームは基本的に、時計に 0 がみっつ並ぶまでは勝ちを目指さなければならない。そういう決まりになっている(事実はどうあれ)。そしてさっき述べたように、デンヴァーにはまだわずかながら時間が残っているのだ。にもかかわらず、バックアップ QB を出す? それは不自然だ。

しかしそれよりもさらに奇妙な内容が他ならぬウィルソン本人から語られている。

彼によれば、ブロンコスは第 8 週に勝利して 3 勝 5 敗となった時点ですでにウィルソンをベンチに下げようとしていたという。

しかも、単に下げるのではなく、彼がケガによって身体検査を通らなかったときに保証されている $37,000,000 について見直すよう同意しなければベンチに下げるといって迫ったとのこと。
これはギャランティーの(何らかの)タイミングを調整したかったのだ、というコメントが紹介されているが、それだけならばベンチに下げるとかなんとか脅す必要はない。つまり彼をカットしたときチームにかかるコストを今すぐ下げたいという話であり、ついてはカットしたいからまな板の上に乗ってくれライドといっているのである。

ウィルソンは拒否した。当然だ。
さらに、こんなバカげた要求のあとにビルズ (Buffalo Bills)、ヴァイキングス (Minnesota Vikings)、ブラウンズ (Cleveland Browns) に勝ったのだから恐れ入る。
この連勝によってさすがに文句のつけにくい状態になっていたが、連敗によってチーム内のウィルソン不要派がまた声を大きくしてきた、というのが今回の真相なのかもしれない。

ペイトンは先立って「自分の判断」(it’s a decision I’m making) と言っていたはずだが、金曜の練習のあとにはこれについて説明せず、GM と CEO の仕事だとした。逃げたのでしょうか?


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