【長寿】"Big Dog" はシカゴで 18 年目を生きる
シカゴ・ベアーズ (Chicago Bears) は大ベテランのタイトエンド、昨季まで 5 シーズンをパッカーズ (Green Bay Packers) の一員として過ごしたマルセーデス・ルイス (Marcedes LEWIS; 39 歳) と新たに 1 年契約を結んだとのこと。
先立ってパッカーズのフロントオフィスは「ドアは開いている(=再契約あるで)」と言ってはいたがまあそれは表向きの嘘で、元パッカーをかき集めているジェッツ (New York Jets) もあるのではないかなどとする予想をふくめて去就が注目されていた。
シカゴにもすでに何人も現役の元パッカーがおり、彼らとの合流を果たして試合に出場できれば NFL 史上もっとも長い期間にわたってプレイしたタイトエンドとなる。そもそもすでに全体を見渡しても史上 52 番目の長さだから、これによって伝説になるというよりは、「プロ中のプロ」の伝記がまた 1 ページ長くなるくらいの感じだ。
5 年前、12 シーズンをジャクソンヴィル (Jacksonville, Florida) で過ごしたあと引退を考えていた "Big Dog" は「愛した夢があって、しかもまだあなたにできることが残っているのなら、座りこんでいないでそれを追わなきゃ」(“If it’s something you love and you still have something left to give, then get your butt up off the couch, continue chasing your dream and do it for as long as you can.”) というママの言葉で日曜に予定を入れられない生活を続けることを決め、パッカーズの QB であったロジャース (Aaron RODGERS) に請われてグリーン・ベイに移った。
ルイスはブロッキング・タイトエンドだから派手な記録が残る道理もなかったが、ときどきブロックし終わってから前に出てパスを受けたり、のそのそとエンドゾーンに入って 6'6'' の大きさを活かしてタッチダウンをもぎ取ったりした。そうなると大歓声だ。この年代の選手はなかなかフィールドにいないので、やはりちょっと贔屓目に見られるところがある。ちなみに、ロジャースが投げたタッチダウンパスを捕った経験のある 1 巡目ドラフト指名選手は現時点ではルイスただひとりだ(有名なフットボールのトリビア)。
彼が歓声を浴びる時間は、もう少し残されているかもしれない。少なくとも第 18 週、1 月 7 日に予定されているランボー (Lambeau Field; パッカーズの本拠地) への遠征に帯同すればそれは間違いない。長く見てきたよく知る選手が元気でいるというのは嬉しいことだ。たとえそれがライバルのチームであったとしても。
……いや嘘。本当は悲しい。とはいえ、これはどうにも避けようがなかった。もうチームにいないロジャースに配慮する必要などありえないのだから。それでなくても、チームが再建期に入るのにベテランを抱えておく理由はどこにもない。レシーバーなど、いちばんの年長者が 25 歳だ。
結局、ファンはただ見守るだけだ。シーズンが終わるとよけいにそれを感じる。そして感傷にひたっている間にまた次のシーズンが来る。
良いんだか、悪いんだか。