《創作交換日記》 「ソロダンス」
宮脇有紀ソロダンス「光彩陸離」無事にすべて終演いたしました!
またそちらは別の回で、ぼちぼちと振り返ってゆければと思います。
なんと!なんと!
PVを創っていただたいた 酒井直之(@naoyoukey)さんが久々の交換日記を書いてくれました!
最後には要チェックの「ソロダンス」情報あります☆
ぜひ最後までお読みください。
*写真はPV撮影した日に出会った、集積🌿
ソロのリハーサルをしています。
新作ソロ「Ophrys speculum」は触れ合うことの集積をテーマとした作品です。
宮脇有紀ちゃんのソロ「光彩陸離」のPVを撮影したのが、9月、そのソロを観に行ったが11月でした。
9月の時には、自分がどんなソロを踊るのか、まだまだ想像できていなかったけれど、それからコンセプトを積み重ねて、練習をして、11月に有紀ちゃんのソロを観ました。
その時は、ソロを踊ることがとても他人事には思えなくて、自分のことのようにソロを観ていました。
久しぶりに観た有紀ちゃんのダンスは、数年前に観たときと同じようにとてもしっかりしている、と感心しました。
有紀ちゃんは、仕事にしたって、つくる作品にしたっていつもしっかりしている。あれだけバリバリ働きながら踊る人は身の回りにはそんなにいないし、ソロを観ると、踊るだけではない俯瞰した演出的な視点がいつも貫かれています。
今回のソロはしかし、しっかりしているだけではなく、とてもヘンでもありました。
動きのかたちも、動悸も、何をとっても他のところ、誰かのダンスで観たことのないものばかりが溢れている。
眼の使い方、耳の使い方、世界中のどこを探しても、有紀ちゃんと同じ動機で身体を動かしているダンサーは存在しないのではないか、と思うような動きばかり。
「光彩陸離」と聞くと、キラキラとした爽やかなものを想像するのだけれど、有紀ちゃんの「光彩陸離」は、世界中探してもどこにも存在しない、「こんなあり方があったのか?」と思うような在り方でした。
思い返してみればPVの撮影の時からそうで、
タイトルの字面と、フライヤーの写真の爽やかさを想定して、映像も撮影をしました。
しかし、いざ編集する段となって有紀ちゃんから送られてきたのは、低音のドローン音楽と、少し歪つなカリンバの音で、「どうやらこれは自分が想像する「光彩陸離」とは、何かが違うぞ」と思ったのでした。
ソロを観て、ようやく納得しました。有紀ちゃんは、常に何かふつうの場所に収まらないどこかに向かおうとしている。心地良い場所に停滞することを望まない。常にその間で、ふつうからこぼれ落ちた絶妙なはざまで呼吸をしている。
「カラダの木漏れ日」という有紀ちゃんがnoteなどでも言っていた言葉が、何を指しているのか、何を定義しているのか、今でも全てわかるわけではないけれど、ソロをみて、なんとなくその一端を感じられたような気がします。
かたちの定まらない、捉えられない像。存在するようで存在していないのに確かにあるもの。ありえなかったはずの身体が、たしかに現前している。素敵なソロダンスでした。
私のソロも12月8日、9日に横浜の「あかいくつ劇場」で行われます。
即興ではない30分以上のソロを劇場で行うのは、おそらくたぶんきっと初めてだと思います。
良いタイミングで劇場とダンスに向き合えています。
*公式サイト:https://ypam.jp/programs/fr116
酒井直之さん作のPV見逃した方はぜひ🎥