Thank you! Winnie Harlow
ウィニー・ハーロウを知っているだろうか。白斑のある肌をもったトップモデルだ。
ファッションや海外セレブが大好きな私はウィニー・ハーロウを知っていた。
だから、自分の息子に「尋常性白斑」が見つかったときも、ウィニー・ハーロウと同じだ!と思った。ちなみに尋常性白斑の最も著名な有名人はママイケル・ジャクソンなのだが、彼は生前自分が白斑症であることを隠していた。
ウィニー・ハーロウは一度見たら目が離せない、そのまだらの肌を”個性”という武器にし、瞬く間に世界のトップモデルになり活躍した。彼女の活躍は洋服を美しく見せる”モデル”という仕事以上の意味をもち、多様性やself loveについて、何より白斑のある肌を持った人達への理解を深めるためのメッセージとなった。
私はそんな彼女のことをかっこいいと思ったし、また、彼女をモデルとして起用するブランドや企業のこともかっこいいと思った。
だから、自分の息子が「尋常性白斑」だと分かったときも、けして”悲しいこと”だとは感じなかった。白斑症は肌の一部がメラニンを作らなくなり白くなる。しかし痛みや痒みなどは伴わず、健康面での問題はほとんどない。私の中では、つまりそばかすやホクロと同じようなものだろう、と認識していた。
しかし、実際日本語でgoogle検索やSNSで尋常性白斑の事例について検索すると、多くの人が尋常性白斑を”治す”ために”治療”しているのだと知った。
そしてそれがスタンダードなような書き方であった。
私が医者から聞いたり自分で調べたりした範囲では、尋常性白斑が発症する原因がわかっていないため、根本的な治療というものはまだ無いらしい。ただ、白斑は見た目に大きく影響し、QOL(生活の質)を下げることがあることから、すでに白くなっている皮膚を、ステロイド薬やレーザー治療などで元の肌の色に戻す治療をしたりするのだそうだ。
もちろん、本人がそれを望んでいるなら積極的に治療を進めれば良いと思う。しかし私の息子はその時まだ1歳10ヶ月で、自分でどのように白斑に向き合っていきたいかを、自分で決めることができない。
私は、彼の意思ではなく、体に負担をかけてまで白斑を消そうとすることは、”彼の個性” を親である私が否定する行為のように感じた。
本当に治すべきなのは、健康でまだらな肌の色ではなく、知らないものや珍しいものに対する偏見や差別の目のほうだ。
私と同じように、自分や家族、そして友人に尋常性白斑が見つかり、google検索やSNSで様々な情報を探している人ところに、この記事がでてきてくれたら嬉しい。
そして彼女を知ってほしい。白斑に”病気”というレッテルだけを貼らず、それを愛し輝いている世界中の人が沢山いることを知ってほしい。
また、ウィニー・ハーロウは私の白斑についての潜在的イメージを変えただけではなく、人々と自分の経験をシェアすることへの意識をも変えた。
この言葉を探している誰かに届く可能性を信じて、こうやって自分の家族のことを文章に残し、シェアすることに踏み出させてくれた。
だから私はこの場をかりてこう言いたい。
Thank you! Winnie Harlow. We love you!