満足

満たされすぎている。

そう思うことが多いです。

量の多い食事、ホイップクリームの多いパンケーキ、富士山か？と思うくらいにそびえ立つかき氷。

満たしすぎるとその文字とは裏腹に満足度が下がります。特に食事に関してはお腹がいっぱいになると「もう食べたくない」「もう飲みたくない」となる。時は吐き戻してしまうことだってある。
結果だけを見ると満たすことで得られるものは少なそうです。

コンビニスイーツなどでたまに「おいしくないもの」に出会います。でもよくよく「なぜ美味しくないのか？」を探っていくと甘さにたどり着くことが多いです。
砂糖をたったの10g、せめて5g減らせば美味しくなるだろうな、と思ったりします。

甘さで満たしすぎているのです。

尾山台のオーヴォンビュータンの河田さんは「甘さは秘めるものである」と著書で書かれています

他のことにも言えますが、油で満たしすぎ、タンパク質で満たしすぎ、満杯になった瞬間にバランスは決壊します。

僕はジムでトレーニングをするのでプロテインを飲みますが手軽に摂りたい時はウイダーインゼリーのプロテインインを選びます。上位互換のものでタンパク質が3倍のものがありますがとてもじゃないですが美味しいとは言えず、飲み切ることが難しいです。タンパクが多くてゴムのような食感と味わいになってしまいバランスが崩壊している。牛乳にゆで卵の黄身を溶かして飲んでるような感じでした。

お腹いっぱい食べてもらいたい、というのは何十年前には立派な心意気だったのでしょうが、もうほとんどの人は好きな時に（ある程度）好きなものを選んで食べることができます。

こういう仕事をしているので比較的流行り廃り、のようなものを把握していますが、ここ最近はプリンやコーヒーゼリーのような「満腹にならないもの」が人気です。ブランマンジェとムースとか。もしくはポーションの小さなものですね。カヌレとかも同じ仲間ですが。

みんなどこかで「お腹いっぱいになりたくない」と感じているのです。お腹いっぱいに価値がないということもあるし、お腹いっぱいは体に良くないことである、と気付いているのです。

「中庸」という言葉があって、たしかにどっちに振れていてもいけないと思いますが「足りなすぎ」よりも「満たしすぎ」が最近では自分の中でNGな気がしています。

断捨離をみんながしたがっている理由も同じ流れの中にありますよね。

もう誰も満足など求めていない。

みんなが求めているのは「余裕」なのです。

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