他人

2021年9月15日 06:00

飲食店は新規のお客様がとても大事だと思っています。

もちろんお得意様も大事です。
特に地方の小さなbarやスナックであればさらにお得意様の価値は高まることでしょう。

しかしながら僕らのようなカフェとなるとどれだけ新しい人に来てもらうのか「も」とても大事なことです。

いつも書くのですが家族や身内が　1万人くらいいれば一生それで店は回っていくと思うのですがそんなことはないです。

お店をやったことがある人はなんとなく分かっていただけると思うのですが友達や家族は1年くらいはふんわり通ってくれます。
しかし、そのあとはどんどんペースが落ち、フェードアウトしていきます。通い続けてくれる人もいますがわずかですよね。

その人たちには「お金の予算」と「時間の予算」があります。お金に関してはそのままですし、時間に関しては「可処分時間」と言われるものです。
時間に関しては、映画や本、他のお店など、ライバルがたくさんいるわけです。仕事だってあるので、その人の自由に使える時間をずっと自分の店に割いてくれるわけはないです。

なので、言い方は悪いのですが
今来てくれているお客様たちがずっと通ってくれるということは「諦めている」のです。

そんなこともあってお得意様はもちろん大事にしながらも、それに慢心しないで常に新しいお客様も大事にしなければならいのがカフェという仕事です。

別にいいのですよ、　一度しか来なくても。それが普通なので、そういう人をたくさん作ればいいのです。僕も一度しか行かないお店がたくさんありましたし、それはそれで楽しい時間と経験です。

新しいお客様をたくさん呼ぶというのはとっても大変なのですが、それはやめてはいけない。

「飲食店の売り上げに安定はなく、神のみぞ知る」ことなので常に外に向かってオープンでありつついろんな人に来てもらいながらも、お得意様に通ってもらうという両輪で走り続けることが大事なのです。

写真家のワタナベアニさんが「知り合いから褒められた数を除外する冷静さ」という話を書いていらっしゃいましたが、飲食店の話にも通じるな、と思いました。

身内やお友達を除いた瞬間にお客様がいなくなってしまったらそ　のお店や商品はきっと必要のないものです。

他人にどれだけ評価されるのか、の大事さを見誤ってはいけないと思います。

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