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ボーダー


お店をやってるとお客様との距離感というのをすごい大事にしないといけないなぁと個人的に思っています。
JAMCAFEを始めた頃に比べると年々お客様に深入りする、ということが少なくなりました。
最初の頃はお客様に入っていくスタイルで。いろんな人を誘って忘年会とか。そうゆうの頑張ってやっていればお客様と仲良くなれてまたお店に来てくれるって思ってたんです。
まぁそんなのは勘違いでしたけど。


僕は昔から教室で1人でいるのが好きだったし、休みの日も1人で自宅にいるのが好きでした。今もです。
大学の時もサークルに加入していたのに飲み会も参加しませんでした。
非常に内向的。人を巻き込みたくないし、かといって他人のペースにも合わせれない。

そうゆう性格なので、自分の店も店とお客さまで、きちんとボーダーラインのある店を作りたいんです。僕の他人と上手くやれない感じは飲食業を始めてから大分和らぎましたけど、もちろん消えて無くなることはないです。それが性分というものなので。
でもそれが自分の店に対するいまの思想とマッチしてるんだと思います。

「仲良くなりすぎたら終わり」

お店とお客様、という関係性は、親しくなりすぎるとお互い甘えも出ます。
エスカレートするとお互いがお互いを軽んじたり、ということが起こってくるわけです。もちろんいいことではあるんですけど「赦されること」も増えるし「赦すこと」も増えます。
自分がミスしたサービスを「いいサービスだった」とは言われたくないです。それが続くと「これが持ち味なんだ」と勘違いするようになるからです。

時代は確かに消費する側と生産する側のボーダーを取り払う方向に向かっています。
でも僕はこうゆう性格ですし、お店に対してのスタンスも先述の通りなので、そんな流れとはうちは離れていようかな、と思います。
そうゆうお店があったっていいんじゃないかな、と思います。

人と人同士の対等な関係が飲食店なのですがあくまでも「越えちゃいけない壁」はあるわけです。

これまでは何回も来てくれるお客様がいても「覚えよう」と思って覚えてないですから。気付いたら「あ、いつもの人だ」って分かるようになっていてこちらから少しお話しさせてもらう、くらいです。

今は特にマスクもしているし初回に「お店楽しみにしてました」と言われてお話しして、2回目に「前回お話しさせていただいたものですが」と言われても全く覚えていません。

やっぱりこっちが覚えるまで通い続けてもらう、というのがいちばんイイです。無理のない範囲で。

お互い無理なく、自然と仲良くなるタイミングがぴったりで、それなりに距離を取りつつ、付き合い続ける、というのがいちばん健康的だと思うのです。

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山路 裕希(YUKI YAMAJI)
お店にも来てくださいね〜〜!!