あれから1年
今日で東京店舗のPENITENTは1周年です。
「かりそめにでも集まりひねもす個を過ごす」
オンラインもいいけどお店に行って知らない人と空間を共有し、熱いコーヒーを飲むのってやっぱよくない?というところから始まったPENITENT PROJECTも1年が経ちました。
ちょっとフライングで「おめでとうございます!」と言われたりしたけど全然感情がない。感情がないというか感慨がない。感慨深いっていう言葉があるけど、感慨が浅いどころか、無。凪。
毎日頑張ってやっているけど、なんだかまともに営業できている日が少ないので心ここに在らず、みたいな。
感染症の時代でもあり、天候変動の多い時代でもある。
「緊急事態宣言」「過去最大の感染者」「ゲリラ雷雨に注意」など毎日のように外に出たくなくなるようなことがある。
仙台の店は12年目なんですが「普通に営業できていた時代」という比較対象があるから余計に「常に振り回されている」という感じが拭えない。
それと、嫌な言い方なんだけど「真面目に、正しくやれば飲食店を1年続けるのは難しくない」ということもあります。
やり方を知っているのでおめでとうと言われて嬉しいけれど「当然でしょ、ここからここから。こっからがヤバい」とも思っている。
JAMCAFEの1周年は店が終わった後に焼き鳥屋でえんえん泣いたものだ。
その頃は自分にとってたったの1年でも自分の店をやることは結構難しかったのだ。最初の店だったというのもある。
ひとつ、JAMCAFEとgrammeという店もやってきて、これまでの店と違うなと感じるのは、お得意様がたくさんできたことです。いいお得意様をつけるのにこれまでは2~3年を必要としていた。今回の店は1年でたくさんそういうお客様がいる。いい店にはいいお客がつくのだけど、まさにそうなっている。うちがいい店かは知らないけど、お客様を見ていると「うちはいい店だ」と教えてもらえる。いつも(ほとんど)僕しかいないからお客様もなにかと移入しやすいというか。帰属意識が芽生えやすいのだと思う。
とはいえ、それにしてもまだまだ「届いて欲しい場所(層)」に届いていないのではないか?とずっと感じていた。入りにくいのではないか、覚えにくいのではないか。
そこで1周年を機会として新しいロゴを作りたいとずっと考えていた。それだけで何かが急に変わるということはないが、入り口を親切に、フレンドリーにしておくことはとても大事な気がしている。
PENITENT設計のキーを紐解くと「光」があります。入り口の廊下からすぐに見える奥のウォールローゼがそうです。
(先日、中川ケミカル主催 CSデザインアワードで準グランプリをいただきました)
うちの会社のデザイナーさんとの打ち合わせ時に「Nがふたつ入っているのが珍しいのでそれをうまく使いたいですね」ということになった。
そこから線を伸ばすと光が射しているようにも見える。伸ばさず、センターに寄せると、うちの顔とも言えるビッグテーブル(上の写真中央)のようにも見える。
これまでは文字のみで、少しクラシックなイメージで、名前も名前だし、ちょっと入りにくいかな、っていうのもあった(PENITENTは懺悔という意)いや、別に不特定多数に入ってもらいたいわけじゃ全然ないです。相変わらず変なお客様には来てほしくないし。
そういうことじゃなく、そもそも「届いてなさすぎ」なのだ。その土台をきちんと作らねばならない。
裏街道を恐る恐る慎重に歩いてきて、今までにないスピードでお得意様が増えたのだけど、やりたいことはそれじゃない!!それも代え難い財産なんだけど。
飲食店は常連さんだけでは回らない。「一度きりだとしても、興味を持ってくれた人たち」も大事にしなければならないし、作り出さなければならない。大事にというのはなんでもいうことを聞くとかじゃなくて「普通の関係を築く」ことです。
「こんにちは」「こんにちは」
「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」
それが飛び交う「普通になんかいい店」を装った「スタイルのある」「超かっこいい店」を目指して2年目も頑張ります。
引き続きよろしくおねがいします!!
PENITENT(東京)
https://www.instagram.com/penitent_tokyo/
JAMCAFE(仙台)
https://www.instagram.com/jamcafe_jp/