自分のイメージする音に辿り着いたら
昨日の記事で、大方自分の理想通りの音に辿り着いたので、しばらく数年は構成を変更せずに固定するという宣言をしました。
表題画像は最後の変更点。といっても、下段の配置がちょっと窮屈だったので、前後で横と縦向きに置いただけです。
魅力的なオーディオアクセサリー
新し物好きでついつい色々なものを試してみたくなるのはマニアの性です。世の中にはケーブルやインシュレータ等で音を少し変化させられるアイテムがたくさんあるので、「これを導入したらどうなるのか」という興味は、ある程度のレベルまで到達しても基本的に尽きることはないでしょう。
しかしそれらも、メイン機材よりは安価とはいえ、お金を出して購入することには変わりないし、積もり積もればトータルで結構な金額になっていたり。
将来的に、メイン機材をよりアップグレードしようと考えた時に潤沢な資金があれば別に問題はないのですが、これらの「寄り道」をした結果、財政が圧迫されていては元も子もないのです。よって先のことを考えて、今はオーディオアクセサリー類への出費はこれくらいに留めておこう・・・というバランスを考える必要があります。
私も今は「コンパクト」構成にしていますが、本当に5年も10年もこのまま変わらないとは確信できません。少なくとも2年以上はこのまま聴き続けようとは思っているのですが・・・。オーディオラックを4段とか5段構成にすればより大きな機材でも収まるので、どこかで総入れ替えする時期がやってくるかもしれない。その時に必要な資金を確保しておく必要があるし、やはり貯金も年相応に蓄えておかなければと思うのは自然なことです。
自分の好きな音を知る
まずここがスタート地点になります。それを基にコンポーネントを選択し、時には自らの足で試聴に出向くこともあるでしょう。個人的な見解では、自分の好きな音が良く分かっていない人は買い換えが激しいです。取捨選択のトリガーが働きづらいので、新規性を求めて色々なものに手を出すことに繋がるからですね。
私はヘッドホンについてはかなり長い期間、同じメーカーの製品を使い続けています。今はfinalが好きですが、それ以前はSennheiserを10年に渡って愛用していました。前半の5年間は学生時代に購入したHD650、後半5年はHD800を。Sennは暖かみのある血の通ったサウンドが好きでした。
2018年秋にfinal D8000を購入し、そこから現在まで4年弱が経過しました。おそらくHD800を使い続けた5年という期間は、このD8000についてはそれを超えるでしょう。HD650とHD800の通算で10年という長い期間までは分かりませんが、国内生産であり(保証期間は過ぎていますが)もし予期せぬ故障があっても自らの足で川崎の本社まで修理に出して症状を報告できるというのは、長期使用において大きなアドバンテージとなります。
ヘッドホンと比較すると期間は短いですが、それでもヘッドホンアンプやDACについても、過去を振り返ると同じものを3年は使い続けました。
例えその時、不満があったとしても
オーディオマニアの中には1年と持たずに機器を買い換えてしまう人がいます。ヤフオク等オークションサイトに出品しても、中古オーディオ店へ下取りに出すにしても、それなりに元手の足しとなりますから、余計にそれを後押しされる環境ではあることは確かです。
もちろんそれは個人の自由ではあるし、買い替えも楽しいですが、もう少しスパンを長く取ってゆっくりしてみても良いのではないかと思うことがあります。
そして、これが意外に盲点なのですが、単純に鳴らし込みを続けることで、一時の不満が、いつの間にか自然に解決してしまうことがあります。しかもこれが「年単位」のスパンだったりすることがしばしばあるのです。
これは、耳がその音に慣れるという面も少しは含まれますが、本当に長い年月をかけて鳴らしていくと、ヘッドホンならドライバーの動きがこなれてくるという意味でもあるし、ヘッドホンアンプやDACであれば機材固有の振動モードが徐々に落ち着いてくるということもあります。
メーカーによっては「エージングタイム」を明確に記載している場合もあります。何と200時間も300時間も鳴らし続けることでようやく音が落ち着いてくるという例も珍しくはないのです。みなさんは一日何時間聴きますか?仮に毎日1時間欠かさずドライバーを動かしたとしても、半年ではまだ足りない計算になりますね。では週に1回だけ、日曜日の2時間くらいしか使わない場合は?その方がもし1年で使わなくなってしまったとしたら、それはまだエージングが全く完了しておらず、本領を発揮されないまま仕舞われることになるかもしれません。それはなかなかに悲しいことです。個人的な感覚では大型のフロアスピーカーはもっと長いスパンで見る必要があるイメージです。
音は微細な振動モードの集合体
目に見えない微細な振動モードの集合体が音を支配しています。ケーブルによって音が変わるのは、線材の純度も要素のひとつではありますが、その構造や被覆の材質の影響の方が大きかったりします。そして何よりも、機器との接点になるプラグが一番重要です。
このようにプラグの下にインシュレーターを台座にして置くことで、僅かな傾きを防止することも有効な手法です。
電源ケーブルの音質に与える影響を小さくする方法がもうひとつあります。私の現在の構成のように、電源ケーブルはPSUに接続し、DCケーブルで各機器に供給する形です。筐体が分離されていると、電源ケーブルの振動モードは一旦PSUの箱で吸収されるようです。そこからDCケーブルによって多少の変化こそあれ、先の電源ケーブルよりはその影響度合いを小さくできます。電源内蔵型はトランスの振動モードが音質に影響しますが、それも電源と筐体を分けていれば伝搬しません。
本当にこの音と決まったら動かさないのが吉
全く同じ構成、配置であっても、ケーブルの抜き差しだけで音が前と変わってしまうことがあります。そんな馬鹿なって思うかもしれませんが。
要は同じ振動モードの癖を動かさないことによって馴染ませていたものが、不意に外したことによってリセットされてしまうのです。そして同じように戻したつもりでも、何故かそれが回復しないことがある・・・
日常生活の中でふとした瞬間にズレてしまった、触ってしまうことはいくらでもあるので、考え過ぎても仕方ない面はあります。それでも、自分の中でピタッと感覚が合う音に辿り着いたら、なるべくそこから現状維持を保つようにするのが得策であると考えます。
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