イウしキー Advent Calendar2023-12-20 パスカルの三角形とフラクタルの話
この記事では数え上げは0から行います。
パスカルの三角形
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パスカルの三角形とは
添え字が0から始まるとすると、$${l}$$列目の左から$${i}$$番目の要素の値は$${_lC_i}$$となります。
シェルピンスキーのギャスケット
このパスカルの三角形にある操作を施します。それはそれぞれの値を2で割ったあまりが0でなければ色を塗るという操作です。すると、以下のようになります。
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そうするとこのような図形が現れます。これはシェルピンスキーのギャスケットという図形に似ています。
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シェルピンスキーのギャスケットとはフラクタル図形の一種であり、自己相似的な図形であり、自己の一部の形と自己の全体の形とが似るような図形です。
素数への拡張
今回は2で割った余りで判断していましたが、2以外の素数ではどうでしょうか。ここでは10未満の素数で割った余りが0でなければ緑としてこのような出力が得られます。
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このように、任意の素数でもシェルピンスキーのギャスケットのようなフラクタル図形となります。
2以上の自然数への拡張
それでは2以上の自然数で割る事も考えてみます。前の項目との違いは素数か合成数を含む2以上の自然数かという点です。
それではパスカルの三角形の各要素を6で割った余りで考えてみましょう。
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一見するとこの図形はガタガタになってしまい、色分けに失敗しているように見えるかもしれません。
しかし、ここで、6の素因数である2と3で割った余りでそれぞれ色分けしてみます。
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3で割った余りが0で2で割った余りが0でなければ緑
このようにしてみると、パスカルの三角形を6で割ったものはパスカルの三角形を2で割ったものと3で割ったものを重ねたような形になります。
これは計算によっても容易にわかるでしょう。
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まとめ
このように、パスカルの三角形にはフラクタル的な図形との関係もあります。
余談
イウしキーのアドベントカレンダーではシェルピンスキーのギャスケットに関してセル・オートマトンの記事でも言及しています。
シェルピンスキーのギャスケットがこのような形で色々な場面で現れるのはなかなか興味深いです。