25歳で人生初の合コンに参加して、うまく笑えなかった話
「今週の金曜に合コンあるんだけど、1人来られなくなっちゃって。○○さんも来ない?」
彼氏なし、猫とふたり暮らし。
今の日常に不満があるわけではないが、パートナーがいる人へのあこがれがあった。たまに飲む仲良い先輩に誘われた安心感もあり、「行きます!」と勢いで返事をした。
今まで合コンは都市伝説だと思っていたが、社会人になるとそういう機会は結構転がっているらしい。そういえば、誘われたことがないだけで「このまえ合コン行ってさぁ」という話はよく耳にしていたような気がする。
予定していた合コンは5対5。2日前に女性が1人来られなくなり、私は数合わせで呼ばれていた。ところが、男性側も1人発熱で当日キャンセルに。急遽4対5になった。
仕事では笑えるのに、なぜプライベートでは笑顔をつくれないのだろう
男性A
異常なほど周りに気を遣う方だったが、無理しているように見えた。わたしと同じで合コンに慣れていないのかもしれない。わたしの目の前に座っていたため、自然と他の方よりも話す回数が多かった。
「え!それiphone13?」
「あ、いやiphone14です」
盛り上げるために話題を作ろうとしてくれていた。笑え、わたし。上げってくれ、わたしの口角。心の中で格闘したが、わたしはバカ正直な人間だったようだ。口角が下がっているのに無理やり笑おうとして、口の形が変になった。
男性B
シュッとしたスーツ姿のサラリーマン。仕事が長引いていたのか21時くらいに遅れて来た。わたしの斜め前の席が空いていたため、自然とそこに座った。この時点でわたしの左隣に座っていた女の子はスイッチオフ。バカ正直なわたしも、リアクション最悪のヤバいやつに見えていたはず。
男性Bは、仕事がとにかく大変だと話していた。要約すると、「営業をやっていて、土日も電話がかかってくる。クレーム対応では毎日のように暴言を吐かれて大変」とのこと。わたしも以前は仕事で嫌なことがあったとき、「辛くて大変だ」と周りに話しまくっていたな。少し前のことをじんわりと思い出した。客観的に聞くとこんな感じなのか。
男性C
もうひとり、高そうなスーツ(仕事柄周りがみんな私服なのでスーツがすべて高く見える)を着ているふっくらした男性がいた。くりくりで大きな目。斜め45度に体を向け、足を豪快に組んで椅子に座っていた。
最後の30分程しか彼と話をしなかったが、話の内容よりも店員への態度がきつかったことが印象に残っている。気になったことを主張するのは悪いことではないが、最初からエンジン全開にする必要はないだろう。
彼との会話で唯一覚えているのは、「お客さんが少なくて困っていそうなバーを、『俺がおごるから』と女の子を集めて繁盛させた」という話。行動力には純粋に感心したが、話している本人が一番爆笑していた。
男性D
ほぼ話していないため、どんな人か全くわからない。小さめの白いワイシャツを着ており、上半身ぴちぴちだったことだけ記憶に残っている。
長い長い華金だった
結局誰ともLINEは交換しなかったし、誰も2次会に行かなかった。
帰ってSNSを開くと、ワールドカップに関する投稿であふれていた。ブラジルvsクロアチア戦の真っ只中だったよう。素人ながらにブラジルが勝つだろうと思っていたら、0-0で延長戦に突入。最終的にはPKでクロアチアが4強入りを決めた。
自分の予想や期待は当たらないものだな、と改めて思った。
両者の戦いぶりに今年一番の感動を覚え、そのまま入眠。次の日はほぼ何もする気が起きず、1日中ベッドの上で過ごした。