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タイの激ヤバホラー『女神の継承』もう観ましたか?

観たほうがいい。と言いたいところですが・・・

話題のホラー映画『女神の継承』
を、シネマート新宿で鑑賞。もともとアップリンク吉祥寺でビールでも飲みながら観るつもりだったところ、前日には中心付近の席がすべて埋まってしまっているという・・・(シネマート新宿の方が席数が多い)。
ちなみに、相当なホラー好きでない限り昼間の鑑賞をおすすめしたい。夜に鑑賞すると、帰り道、後ろを気にしながら歩くことになる。

『女神の継承』

あらすじ

タイの小さな村で祈禱師をしているニム。ニムは姪であるミンの様子が、少しずつおかしくなっていることに気づく。体調不良に陥り、人が変わったように荒々しい言動を繰り返すように。ミンの母親でありニムの姉ノイは、一族の後継者として女神バヤンがニムからミンに憑依しようとしているのではと考える。代替わりの儀式をニムに依頼するが、ミンに憑依しようとしているのは、女神ではなかった————。

韓国×タイ

『コクソン』(こちらもだいぶ恐い・・・)で知られるナ・ホンジンが原案・プロデュースした本作。「祈祷師」というキーワードが2作品の共通項だ。監督と脚本をタイ出身のバンジョン・ピサンタナクーンが務めることで、『コクソン』とはまた違った、独特の雰囲気に。タイという土地の湿度高めな蒸し暑さも、本作とは相性が良い。

ストーリーは、ドキュメンタリーを模したモキュメンタリ―形式で進む。ある取材班がタイの祈祷師を取材するために、ニムの一家を撮影しているという設定だ。おかげでリアルさが増し、恐怖が倍増。それに加えて「何か」に憑依される若く美しいミンを演じたナリルヤ・グルモンコルペチ(22)の演技がとにかく恐い!
※劇中では激コワだが、実際はめちゃくちゃ可愛い。

ポイント3つ

ミンが変わっていく様子

ミンはもともと、呪術など信じておらず、叔母が祈祷師をしていることもばからしく思っている。天真爛漫で可愛らしい。友達も多いタイプだろう。そんな彼女が、急に怒鳴り出したり、幼い子どものような仕草を見せたりする。顔色も悪い。誰が見ても以前のミンではないのだ。この、ミンが徐々に別人になっていく演技がすごい。怪演とはこういうことか、と。

完全に憑依されたミンは、どう考えても人間じゃない動きをし始める。彼女の長い手足だからこそ出来るのだろう・・・。

監視カメラに映るミンが恐すぎる

ミンを助ける祈祷が必要だが、大規模なため準備に数日かかる。その間、家族はミンと同じ家の中で過ごさなければならない。よく一緒に居られるなというのが正直な感想だが、「何か」に乗っ取られたミンの恐さをまだ家族もあまり理解できていなさそうだ。特に、母親のノイからするとどんな姿でも娘なのだ。

夜になるとミンは部屋から出てきて家中を荒らす。それがどんどんエスカレートしていく。暗視カメラで目が光っているミンが不気味だ。結構長い間(そう感じただけかもしれないが)この監視カメラのシーンが続く。おそらく、一番ビクッとなるポイントが多い。

女神バヤンとは何だったのか

これが本作においては重要だろう。最後の最後にヒントを出してくれる。だが、何が正解なのかは分からない。女神がどういう経緯で人々に信じられるようになったのか、詳しい情報も劇中では開示されない。ニムの一族は先祖代々、女神バヤンを信じているが、女神は誰に憑依していたのか。それとも、そもそも憑依していないのか。ただ、その存在をただの迷信と否定すると、逆にミンに憑依しているものの存在にもハテナが浮かぶ。鑑賞後に「なぜそうなったのか」と考えずにはいられない。

まとめ

よくよく考えるとツッコミどころは多い。とはいえ、鑑賞中は恐怖が先行して、それどころではない。もともとホラーが得意なわけではないが、ミッドサマーを1人で鑑賞できたことで調子に乗りすぎていた。同じように「いけるっしょ」と思っている方々、心の準備は万端に。観終わったあと、きっと考察を検索してしまう。終わった後まで、作品の中に引き込まれているというより、引きづり込まれるのが、本作を推せる理由だ。

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