ゼミとは…大学での学びとは…
私の大学では、そろそろゼミ選びを2年生がする時期がやってきました。そこで、上久保ゼミ12代ゼミ長として思っていることを少しここに書き残しておきます。もし、上久保ゼミの興味のある人がいれば、ぜひ読んでみてください。正直な私(元ゼミ長)の思いが書いてあります。
初めに何者?
自己紹介をきちんとしたことがないので私は何者かについて少し書きますね。
私の名前は、開原弓喜(かいはらゆき)です。
現在21歳の立命館大学政策科学研究科博士前期課程(修士)1年生です。
なぜ21歳で大学院に?と思う方もいると思うのでさらっと説明すると、飛び級で大学院にいます。
今は、上久保誠人先生に指導教員をしていただきながら研究者のひよこ🐥として日々研究について考えています。その傍で、立命館大学政策科学部の上久保ゼミの4年生のゼミ運営をしています。(ここに関しては説明が面倒なのでまたいつか飛び級の話とともにします)
では早速本題「大学とは」「ゼミとは」について書いていきます!Let's go!!
そもそも大学って何するところ?
みなさん大学って、学生生活最後のバカンスだと思っていませんか?
だから、適当に単位とって学士をもらって(=卒業)、就活に有利にするためのものくらいに考えをとどめていませんか?
特に立命なんて関関同立と言われる関西では有名な私大です。だから学歴のためとだけと考えていませんか?
まあ、ガクチカのために少しボランティアをしたり校外活動ちょっとやってみるとかバイトを頑張るとかっていう考え方になっていませんか?
その考え、私からすると「ちょーもったいない!」と思っています。
そもそも、大学とは…
高等教育の中核をなす教育機関のことです。学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授・研究することを目的としている場所です。
では、同じ高等教育でも高校と大学の違いは?というと…
高校は、教科書に沿った授業で先生の話を聞きながら学び、問題の解き方を教わる受動的な学びが主体です。
一方の大学は、自分で課題を発見して、その答えを追求する能動的な学びが主体とされています。
*簡単にかくと、「高校」は教育機関だが、「大学」はあくまでも研究機関。
→「学びたい」という自主性を重視している。
しかし、私の3年半の肌感覚ではほとんどの学生が受動的な学びのままになっているように考えます。
遊ぶことも確かに大事だと思います。しかし、遊びも半分に大学という研究機関に所属しているのであるから、研究もするのが大学生の役割なのではないでしょうか?
VUCA時代を生き抜くには…
そもそも、VUCA時代とはなんぞや?となる方もいるかと思うのでさらっと説明します。
VUCA時代とは、将来の予測が不可能な状況のことです。
以下のURLより図を引用
このVUCA時代を生き抜くためには、求められる個性を身につける必要性があると私は考えています。この求められる個性とは、勉学によって身につくのではないかと私自身は考えます。このVUCA時代は将来が予測不能なことを表しているということはよくわかったと思います。ではなぜ、このような世の中のために勉強が必要であると考えるかというと、研究をする上での過程や研究をする中で身につける力がこれらの予測不能な世の中に対して、自分自身に一本の基軸を持って考察し、歩んでいく力に変換することができると考えるからです。だからこの後も何度もこの言葉は出てきますが、勉強(研究)を一生懸命することは今後の自分にとても役立つのではないかと思います。
本題の上久保ゼミについて…
では、そろそろ本題である上久保ゼミについてお話をしていきます。
これはあくまで私の考えなので、全てが正しいわけではありません。ただ、上久保先生とお話ししていく中で感じたことやゼミ生としてゼミに参加した半年間そして、ゼミを運営するようになって1年の中で感じていることをお伝えします。
上久保先生とは
そもそも、上久保先生の専門分野やどんな先生かを知らない人もいるかもしれないので一応軽く説明をしておきます。
<上久保誠人(かみくぼまさと)教授>
・英国ウォーリック大学(University of Warwick)で博士号修了(政治学・国際学)
・現代日本政治論・政策過程論・国際政治経済学
・『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房,2018)
*専門は上記の通りですが、先生のお考えとして、「政治学は最終的に政策全体に目を向ける必要性がある。」ということもあり、政策全般を幅広く先生は見ていらっしゃいます。
詳しいことは以下のものを見てみてください
上久保ゼミはどんなことをするの?
・CA(クリティカル・アナリクス)
・The Guardian 書評
・研究書評
・研究発表
・慶應義塾大学の清水ゼミとの合同ゼミ
大まかに説明するとこんな感じです。次に、用語の説明を簡単にしていきます。
CA(クリティカル・アナリクス)とは?
CAとは、「1人対全員」という独特の形式で行うディベート・トレーニング法です。これを行うことで、「批判的分析力を磨く場」を自ら創るというものです。
このトレーニング法では、まず1人が「立論者」となります。立論者は、事前に社会問題の1つを取り上げて、それに対する自らの主張をA4・1枚程度の文章にまとめ、他のメンバーに提示します。その他の「討論者」は、立論者と反対の立場で、自らの意見をまとめてトレーニングに臨みます。
立論者は、できるならば自らの本来の主張と逆の立場で議論を組み立てることが望まれます。これは、議論において感情や主観、参加者が本来持つ思想信条の志向を排除し、論理のみを競うことを徹底するためです。
詳しい説明は以下のnoteをみてください
The Guardian書評とは?
まず、1日1つ、合計7つ、The Guardianの記事を読み、日本語でまとめて書評を書きます。そして、100~120字程度でまとめるというものです。これは、2020年に9代のゼミの皆さんが英語力の向上と世界情勢を知るためにと始めたものです。これによって、上久保ゼミのみんなは自身が興味がある分野だけではなく、様々な世界情勢に触れていきます。そして、自分が調べてきた内容をグループに分かれて発表し、他のメンバーから意見をもらったり、質問をもらい新たな知識として蓄えていきます。
研究書評・研究発表とは?
これは簡単、研究書評は毎週一本論文や本の一章文を読んできてA4一枚程度にまとめて、グループで発表するというものです。これをすることで、自分の研究についてどんどん知識を増やしていくだけではなく、異なる研究を行っている同回生の書評を聞くことで新たなインスピレーションを受けることができます。研究発表は基本的に、学期の初めと、中間、期末に行われます。3年生と4年生で内容や発表時間は異なりますが、自分の考えや研究をアウトプットする良い機会です。
慶應義塾大学の清水ゼミとの合同ゼミ
これは、毎年、冬に慶応大学総合政策学部の清水唯一朗研究室との合同ゼミです。基本的にお互いの研究を発表して相互にコメントをすることと、ディスカッションを行うことが通例となっています。これによって、互いに自分たちの研究を高めあっています。
ゼミの具体的な時間割
ゼミ自体は、今年度は毎週木曜日に行われています。
1限が3・4年生合同の「競争力プログラム」と言われる自主ゼミ
→これは、もともと学生が自分たちがどこか別の場所(敵地)に一人で行った際に議論などをすることができるようにと考案されたものでした。そして代を重ねるごとに変化していき、今ではCAとThe Guardian書評を行う授業となりました。
2限が3年生のゼミ
ここでは、主に研究書評とCAが行われています。
春学期は4回生のゼミ長が基礎的なCAのやり方や研究の方向性を確認しながら一緒に授業を行います。
秋学期からは3回生のゼミ長が決定するので、新ゼミ長によって授業が運営されます。
3限が4年生のゼミ
4年生のゼミに関しては、春学期は研究書評とCAが行われます。
そして、秋学期からはその代のゼミ長にもよりますが、卒論の執筆のための時間を多く取ります。
上久保ゼミの特徴
特徴1:
まず一番に伝えないといけないことは、受動的な授業は決してしないということです。授業は自分たちで作るという意識のものに行っていきます。基本的に先生が「これをしなさい」という指示は授業中に飛ぶことはありません。4年生の場合はゼミ長と副ゼミ長が15回の授業日程を組み、先生にそれを相談した上でみんなで授業を作っていきます。そのため、代によって授業構成は様々になります。私の代は『自由(責任感)を』テーマに授業を行いました。そのため、春学期の4年生の授業はその日のCA担当者が1日の授業日程を組むというものにしていました。CAもディスカッションにアレンジしてもOKなど自由にしました。これにも理由があって、自分で授業を回すことの重要さや自分が受け身ではなく、自分で考えて責任を持ってゼミ生の一人であると自覚を持ってもらいたかったからです。このように自分でゼミを回すことの重要性をゼミ長と副ゼミ長が全て負うのではなくみんなで分散して、より良いものを作り上げるというのが私の考えでした。
特徴2:
生徒は一研究者としてみられる。これは私が感じていることなのですが、先生は確かに教授というお立場なので私たちよりもはるかに知識を持っていらっしゃいます。しかし、決して命令をされることはありません。これは私の推測ですが、おそらく先生は私たち自身を一人の研究者としてみていらっしゃるのではないかと思っています。そして、その自覚を持って欲しいのではないかと思います。以前私が1年生の時に、基礎演習の時間に上久保先生が「自分の研究分野でアジアで1番の研究者(知識量を持っている)になりなさい」と言われたことがありました。その言葉からも、先生は大学に入っている以上研究者として私たちを扱っているという認識を生徒にも持って欲しいのではないかと思います。
特徴3:
自分で選択することが出来、誰にも負けない知識を身につけ個人を強化することができるということです。ゼミでは個人が大切にされます。決して意見を真っ向から否定することはなく、まず皆が受け入れてくれます。その上でここは少し違うのではないかなどと、意見をくれます。そして、そのみんなの意見や賞賛を自信に変えて、敵地戦闘(上久保ゼミの用語です)をしにいきます。これは、自主性を持って、個人研究や課外活動に積極的にいくことです。でもこんなことする人を聞いたことがあまりないかもしれません。しかし、上久保ゼミはそのような人の集まりです。毎年必ず2〜3人はそのような敵地戦闘に自ら行く人がいます。それは他の人にとってはとても刺激になります。そして、気がついたらみんなのレベルがぐっと上がります。決して「上げてもらった」のではなく、自分でもがいてあげるのです。
どうして上久保ゼミは進学実績や就職実績がいいの?
うちの学部の中にはよく、就活のためのゼミがあると言われますよね😅
うちは、確かに進学実績や就職実績は良い方だと思います。私の同期も有名企業に就職する人ばかり…でも、先生にコネがあるわけでもなければ、インターンでゼミを休む人が続出するわけでもない。自分たちで掴み取ってきたものばかり。この秘訣はきっと、授業にきちんと出て、研究を直向きにやった結果だと思います。「VUCA時代を生き抜くには…」のところのに書いた、勉強をちゃんとするということができていたから、うまく行ったのではないかと私は思います。やはり、研究を素直にやっている人は、研究のプロセスを理解して、言語化しアウトプットすることが上手くなります。(これは、授業の方法など、上久保ゼミマジックかもしれません。笑)だから、自然と授業の意味を考えて行動をしていれば内定が取れたりするのではないかと思います。
上久保ゼミに入れば後悔しない?
よく上久保先生が「うちのゼミに入らないと後悔する」とおっしゃいます。しかし、それはある意味当たっているのかな〜と私は思います。確かに厳しいゼミであることは事実です。毎週の課題はあるし、期日も決まっていて、きついから入りたくない人も多いでしょう…
しかし、『学問を教材に自分で夢や志を掴み取る力をつける』ことが必ずできます。先ほど述べた進学実績や就職実績がそれを物語っていると思いませんか?
最後に
上久保ゼミについて色々と書きましたが、まあー簡単に言えば、「自分で考える力」が今後の世の中では大事で、その力をつけるなら政策ではうちしかないのではないかと思います。ぱっとこのnoteを見ると先生が何もされていないように見えるかもしれません。しかしそれは大間違いです。先生は生徒のことを第一にとても考えていらっしゃいます。自分から話しかければ必ずわかります。よく、高校生の時の延長線で、先生から声をかけてくれるまで動けない子がいます。しかし、教授というのはその領域のプロフェッショナルです。例えば、桝太一さんと話す機会があるとします。そうしたら自分から聞きたことがあれば連絡を取って、話に行きますよね。桝さんも今は研究者として大学で活躍されています。桝さんに置き換えたらわかることですよね… 教授はそのような立場の方です。自分で聞きたいことがあるなら機会を作らないと先生から「どうしたの?」と聞いてもらえると思ったら大間違いです。先生方はどの方もお忙しいです。論文の執筆もあれば、授業もある、記事の執筆だってある。そんな先生方がゼミを持ってくださって、私たちに時間を提供してくださっているのだからこそ、その時間は有意義に活用しないと…っと私は思ってしまいますね笑
まー話は長くなりましたが、もし上久保ゼミに興味がある人はぜひ一度教室にきてみてください。雰囲気もわかると思います。
私でよければいつでも時間を取るので、話も聞きます。
話が聞きたい人は連絡ください。お待ちしていまーす😊
*連絡が取りたい方は、
このアドレスまで…ps0478rf@ed.ritsumei.ac.jp
以上12代ゼミ長の独り言でした〜