【整備事例】LS460ヒーター効かない、冷却水漏れ
今回はヒーターが効かないということで入庫したLS460の故障探求から修理までの内容の記録です。
同じ症状や整備の際の参考にしてください。
故障探求
LS460にて、ヒーターが全く効かないとのことで入庫しました。
オートエアコンということもあり、温度切り替えの制御をしているモーターの不具合かなぁと思いつつ、点検をしてみると、オートエアコン関係に異常は見られず、診断機を繋いでみても特に故障コード等もなし。
エンジンルームを見てみると、冷却水が減っている
しかし完全になくなっているわけでは無いが、一応加水してみることに・・
すると温風が出てきたため、原因は冷却水が少ないことだと判明しましたが、
漏れ箇所が見当たらない・・
調べてみると、ヒートエクスチェンジャーという箇所からの漏れが多いそう
しかしそこは、インマニを外さなければ見えない場所でした
しかしなんとかスロットルの下にあるスポンジの隙間から検査カメラを突っ込んで漏れ箇所を確認できました。
取り外し
まず「インテークダクト」や「エアクリーナボックス」などを上から順に外していきます。
そうしてインマニを外していくんですが、インマニの上に配線が覆いかぶさっていて、これをどかさないと外れないようになっています。
サービスマニュアルを見ると、写真左側の配線を外して、右側によけると記載されていますが。
①の配線の先はスターターモータに繋がっており、外すにはエキマニを外さないとアクセスが出来ないとのこと、
正直そこまでやってられないので、唯一フリーになる②の方向からなんとか抜くというやり方でやりました。
①、③、④の配線は外せないので、遊びができるようにだけして、他の人に手伝ってもらいながら、なんとか外しました。
一人でも出来なくはないと思いますが、片手でインマニ持って、片手で配線どかしてやるようになるので、なかなかキツイと思います。
インマニが外れると問題の箇所が見えてきます。
思っていたよりは、漏れが少なかったですね。
ここからインジェクター関係の配線を外して、燃料のパイプを外して、ヒートエクスチェンジャーを外していきます。
ここはガスケットなどはなく、液体ガスケットを使用しています。
まずは綺麗に清掃をして、オイルストーンなどで古いガスケットを除去
面を整えます。
反対側も同様にやっていきます。
万全を期すなら新品交換が良いのでしょうが、特にゆがみなどもみられなかったので今回は再使用しています。
液体ガスケットはスズキのディーラーでも使っている、スリーボンドのグレーを使っています。
これが私の中では一番信頼度が高いです。
組付け
あとは逆手順で組み上げれば終わりなんですが、取り外しの中で一つ問題が発生しましたので、対処をしていきます。
それはインジェクターのカプラー割れです。
部品屋さんに確認したところ、補修用のカプラーの取り扱いはないということで、仕方なくタイラップで抜け止めをして組み付けることに。
しかし見事に右側の黒いカプラーは全部割れましたが、左側のシルバーのカプラーは無事でした。
トヨタのカプラーはよく割れますね、インジェクターは滅多に外さないのでいいんですが、イグニッションコイルのカプラーも良く割れます。
熱が入る場所で、年数も経っているので仕方ないんですが。
あとは元に戻して、冷却水を入れて、エア抜きやエンジンルームを洗ったりして、最後に漏れチェックをして完了です。
しかし今回の場所の場合漏れ確認が目視でできないので、厄介です。
検査カメラがあればいいですが、ない場合は完全暖気で試乗して、臭いで判断するしかないかなと、
まとめ
ということで今回の修理は完了です。
この手のクルマの場合、エンジンまでの距離が遠いので、ずっとつま先立ちで作業していたため、途中から膝の裏が痛くなってしまい大変でした。(チビなので)
このクルマはヒーターへの配管の取り付け位置が上についている関係上、エンジンがオーバーヒートする前に、ヒーターが効かなくなるようになり、そのまま放置していると、オーバーヒートを起こすような構造になっています。
気づきやすい反面、いざオーバーヒートした時は、ヒーターで冷やすという応急処置が効かない上に、漏れ箇所は見えないと、ちょっと注意が必要な車ですね。
おまけ(プラグ交換)
ついでにプラグの交換も同時に行ったので、やり方を載せておきます。
エアクリーナーボックスなどを外し、コイルを止めている10ミリのネジを外し、カプラーを外したら、コイルの下にあるオイルシールをマイナスドライバーを使ってコイルと一緒に外します。
するとコイルを抜くことが出来ます。
こうしないとボディにコイルが当たってしまって抜けないんですね。
あとはプラグを交換して、元どうりに組み付ければ完了です。