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CS 大学生のアメリカ就活失敗体験記


はじめに

留学前に目指していたアメリカ・シリコンバレーでの Software Engineer 就活は失敗に終わりました。しかしながら、もう一度大学 1 年生に戻ることができるなら、そこそこ上手くいく自信があるので、私の経験を反面教師としていただければ幸いです。
また、当初の目標は達成できなかったものの、アメリカの日系企業の内定、日本の外資系企業から内定を獲得し、納得のいく結果となったので、海外就活時の併願先選びの参考になればと思います。

追記: 私は OPT 3 年有、GC / 国籍は無です。一般的な CS 専攻留学生です。

自己紹介

私はカリフォルニア州立大学で Computer Science を専攻していました。高校時代はプログラミングも英語もできませんでしたが、自分を変えたいという思いと、シリコンバレーで働きたいという夢を持ち、海外の大学を目指しました。
コミュニティカレッジから 4 年制大学への編入ルートを選び、卒業しました。(家庭が裕福ではなかったため、大部分の留学費用は返済型の奨学金とインターンシップで賄いました。本記事の議題とはズれるのでまた別記事にします。)

インターン経験

ソフトウェアエンジニアを志望していたので、数社でソフトウェアエンジニアのインターンシップを経験しました。
アメリカの企業は書類選考で 99% 落選するので、resume の差別化を図るためにインターン経験が必須です。下記の resume は実際に私が応募の際に使用したものです。

実際に使用したResume

受けた企業 内定 / 落選

日本

  • Amazon Web Services | Solutions Architect | 内定⭕️

    • ボスキャリでの内定。全て日本語で行われた。

    • 一次面接では CS について幅広く質問される。2 割程度しか答えられなかったが、分からない質問には答えようとする姿勢を見せた。

    • 最終面接は OLP に沿った behavioral 面接と技術面接のループ面接。技術質問は App Dev を選択。開発経験があれば比較的容易だった。

  • Citi | Technology Software Engineer | 内定⭕️

    • インターン経由での内定。業務も面接も全て英語。

    • 「Why Citi? Why Finance?」など意欲に関する質問があった。

    • VP, SVP, Head との面接。behavioral メインで少し技術について聞かれるが、Coding Interview はなし。

  • サイバーエージェント | フロントエンドエンジニア | 内定⭕️

    • 技術に関する深い質問が多く、実務経験が重要。

    • 本選考で 1 回落ち、インターンも 3 回落ちたが、早期に受けると再挑戦可能。

    • インターン時の会社の雰囲気が最も良かった。定期的に当時のインターン同期で集まっている。

  • LINE ヤフー | フロントエンドエンジニア | 内定⭕️

    • 当時 LINE と Yahoo の合併後で、連携が取れていない点に不安があった。

    • 面接を通して技術レベルの高さを感じた。

  • 楽天 | バックエンドエンジニア | 内定⭕️

    • インターン経由での内定。

    • 英語の使用頻度は配属先による。インターン先兼内定先部署ではほとんど英語を使用しなかった。

    • エンジニアが少なく、ビジネス職比率が高いため、エンジニア同期ネットワーク作りが難しい印象。

  • Google | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

    • Coding Interview の対策をほとんどしていなかったため、1問も解けなかった。恥ずかしい。

  • Amazon Web Services | Cloud Support Engineer (Internship) | 2次面接落ち

    • 個人的には SA より CSE の方が難しいと感じた。

    • お題のアーキテクチャをプレゼンする面接があり、バックエンドの開発経験がないと難しい内容だった。

  • Amazon | Software Development Engineer (Internship) | オンラインアセスメント落ち

    • 確か全部解けたが、落選。

  • Goldman Sachs | Synthetic Products Group Engineering | 1次面接落ち

    • 全て英語。

    • 書類選考

      • Coding 2 問 (LeetCode Easy + Medium レベル)。

      • 大学初級数学 10 問程度のテスト。時間制限はかなり余裕がある。

    • 1次面接

      • 最初の 15 分でデータ構造に関する技術質問。

      • 後半 45 分で Coding Interview (LeetCode Medium レベル)。自己評価 4/5。

  • BlackRock | Analytics & Risk - Aladdin Wealth Tech | 6次面接落ち

    • ほぼ全てのチームメンバーと面接。Coding interview はなく、behavioral のみ。

    • 4回日本語、2回英語面接。

  • Societe Generale | Information Technology - Trainee | 4次面接落ち

    • 全て英語(フランス人が多くアクセントが聞きづらい。)

    • コーディングテストは Python指定だった。

    • そういえば返信がまだ来てない。サイレントお祈りかな。

  • DeNA | ソフトウェアエンジニア | 2次面接落ち

    • 一番面接体験が良い企業だった。考えさせられるし楽しい内容だった。System Design interview っぽさを取り入れている唯一のメガベンチャーだと思う。

  • Visional | ソフトウェアエンジニア | 1次面接落ち

    • 面接に慣れていない初期に受けた。記憶がない。

  • GMO | ソフトウェアエンジニア | 書類落ち

    • 新卒710万円プログラムに惹かれて応募したが、特に実績もなく書類で落選。

  • Mercari | ソフトウェアエンジニア | 書類落ち

    • インターン含め 4 回くらい申し込みしたが、全て書類で落ちた。逆求人でも唯一面談を組まれなかったので、相性がわるいのかな。日系で一番興味がある企業だったので悔しい。

アメリカ

追記: インターンは CPT、本選考は OPT を使用予定でした。

  • Daikin Comfort Technologies North America | Software Engineer | 内定⭕️

    • ボスキャリ経由での内定。OPT 3 年が切れたら H1B サポートに移行。

    • 8割日本語、2割英語で面接。

    • Coding interview はなし。behavioral のみ。

  • Amazon | Frontend Engineer (Internship) | 最終面接落ち

    • 人生で初めてアメリカ企業の面接だった。英語面接。

    • 30 分 * 3 のループ最終面接。

      • フロントエンドの技術質問。

      • React UI コーディング面接。

      • JavaScript 指定 Coding Interview (LeetCode Easy と Medium の中間レベル)

  • Amazon Web Services | Cloud Support Engineer (Internship) | 最終面接落ち

    • 24/7 対応のため Seattle 本社で日本人採用をしているらしい。

    • 面接は日本語。

    • 面接ではCSの知識や問題解決方法などを聞かれた。バックエンド開発経験がないと難しい質問。

  • Paypal | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

  • SnapChat | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

  • DataBricks | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

  • TikTok | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

  • eBay | Software Engineer (Internship) | コーディングテスト落ち

  • その他書類落ち200社以上

イギリス

  • Bloomberg London | Software Engineer | 3次面接落ち

    • 全て英語で行われた。

    • 1次面接: Coding Interview 1 問 (LeetCode Medium) 自己評価 3/5 → positive feedback

    • 2次面接: Coding Interview 1問 (LeetCode Medium)  自己評価 5/5 → positive feedback 

    • 3次面接: System Design interview 自己評価 2/5

      • System Design interview 経験がなかったので、InterviewCat やByteByteGo を用いて対策したが、対応できなかった。

      • イギリス英語の理解に苦労。1時間の面接で scaling まで進めるのが難しかった。

感想

アメリカでは、インターンシップから return offer を通じて新卒を採用する傾向が強いと感じました。そのため、本選考の書類選考はほとんど通過できませんでした。やはり、インターンシップでの内定を得た後、return offer を獲得することがアメリカ就活におけるベストプラクティスであるようです。

反省点

これは現在 CS Major で留学している学生へのアドバイスです。今後アメリカで就職活動を行う上で必要だと感じた点を共有します。学部 3 年時にインターンシップを獲得し、return offer を目指すことを前提としています。院生の方は学部 3 年を院 1 年と置き換えてください。以下が具体的な行動です。

学部1年

  • YouTube や Udemy などを用いて Full Stack な CRUD アプリケーションを作れるようになりましょう。

  • Wantedly などを用いて日本の企業でエンジニアとしてインターンシップに参加し、実務経験を積んでください。高学歴またはマイノリティでない限り、職務経験なしでアメリカでインターンを獲得するのは難しいです。

  • 同時に、LeetCode などで Algorithm & Data Structure を勉強しましょう。目安は LeetCode 60 の Easy, Medium が解けるレベルです。

学部2年以降

  • LinkedIn などを利用して、アメリカでインターンシップに可能な限り応募します。書類が通過した企業のコーディングテストは確実にクリアしましょう。

  • 受かることができなければ、日本の外資系企業やメガベンチャーの長期インターンシップに参加しましょう。
    最近では Google、Indeed、Amazon、SmartNews などの国内トップ企業が採用を凍結していることが多いため、外資金融の Tech Intern が良い選択肢です。

オススメのインターン先

  • アメリカでのインターンシップが見つからなかった場合のおすすめは、Bloomberg Tokyo の Software Engineer Intern です。完全に外国と同じ職場環境で、書類突破率が米国に比べ高いです。インターン後にニューヨーク本社やロンドンオフィスでの return offer を得る可能性もあります。実際に Bloomberg Tokyo のインターンに参加した友人はニューヨーク本社の内定を獲得しました。

  • Coding interview に慣れていない場合は、Citi もおすすめです。外資系投資銀行の中では Goldman Sachs や Morgan Stanley に比べて、behavioral 面接の比率が高く、受かりやすいです。

  • 日本の企業を受ける際、魔法のスプレッドシートから自分の興味のある企業を受けるといいです。また、逆求人を使うと1日に10社受けたりできます。私は下記日系企業をインターンで受けました。
    (ゆめみ、Wantedly、DeNA、Mercari、Fast Retailing、サイバーエージェント、PLAID、CARTA Holdings、pixiv、楽天、パーソルキャリアなど)

Bloomberg Tokyoの募集

注意点

Frontend および Mobile 開発のみの経験に偏るのは避けましょう。これらの分野は初心者にとって取り組みやすいかもしれませんが、アメリカや外資系企業の就職市場では、Backend または Full Stack 開発の経験が主流です。
私自身、就職活動時に Backend の実務経験がほとんどなかったため、応募可能な企業が限られていました。System Design を重視する企業の面接では不合格が多く、Tesla のように Full Stack の経験を評価する企業も存在します。さらに、外資系企業であっても、日本マイクロソフトや AWS Japan のサポート系インターンは、アメリカ SWE 就職にあまりプラスにはならないため、避けた方が良いでしょう。

最後に

AWS Japan に新卒で入社することにしました。唯一内定をいただいたアメリカの日系企業に入社することも考えましたが、アーキテクトを学べる、ビジネス的視点が育まれる、新卒ネットワーキングの機会があるAWSの環境に魅力を感じ日本への帰国を決断しました。
また、個人的に食事や家族のことを考えるとアメリカに中長期的に住むことは考えられなかったです。

*有料部分については削除いたしました。
X の DM にて質問受け付けます。CS 留学生の方に優先的に返信いたします。

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