ペルソナとターゲットユーザー像との向きあい方
先日関わったプロジェクトでペルソナとターゲットユーザー像を定義しました。
そこで、ぶつかったことのない問題にぶつかり、あらためてどのようにペルソナとターゲットユーザー像と向き合うか学びがあったので共有します。
今まではプロジェクトの目的に合わせてユーザーイメージを作り、こんなときこのユーザーならどのように動くのか?どのような情報が欲しいのか?などと作成したユーザー像をもとにペルソナさんを動かし、チームで同じ目線で議論を進めることが出来ていると感じていました。
そのプロジェクトでは定義したターゲットユーザー像よりも自分がターゲットユーザーにはまり過ぎて、ユーザー像を超えてしまったのです。イメージしたユーザーよりも自分が考えられて動けてしまうからです。何が起こったかというと、プロダクトを検討するときに軸がすべて「自分なら」になってしまったのです。客観的に考えられない、もしかしてあのペルソナさんなら違うのではないのか??? などもんもんとして進めずらくなってしまいました。本末転倒です。作ったペルソナが足かせとなってしまったのです。ペルソナ作って終わり問題は昔からありますが、まさかペルソナに羽交い締めにされるとは思ってもいませんでした。
私は自分がうまく進められていないと感じ、デザイン部のメンバーに相談しました。多くのユーザーにとって使いやすいものになっていないのではないか?もしかしたら求めているものが違うのではないか?
一緒に進めているチームのメンバーも同じようにペルソナで議論できていないと感じているのではないかと不安に思ったからです。
現状と具体的にどんなときに問題と感じたのか。直近のプロダクトで説明しました。
ペルソナとユーザーイメージ像との向き合い方
ユーザーに近すぎることは問題ではなくどのように扱っていくか。
いくつかアドバイスをもらいました。それがペルソナやターゲットユーザー像とどう向き合うかとても参考になったので共有します。
ユーザーイメージがイメージすぎる
どういうことかというと、いつもなら足りているように感じていたユーザー像も、自分や一緒に進めているメンバーの方がもっている判断軸や情報が多いため、そのユーザー像では足りていない用に感じる。なのでそのペルソナさんでは検討できない。ならば、その分を叩き潰してスキマを埋めてしまえばよい。ということです。
なるほど。ペルソナを叩いて育てていくのです。
ユーザー像で判断できる状態を作っていく「デザインを進めながら定義を深めていく」とはこのようなこともあるのか、と腑に落ちました。
ここで気になったのはユーザー像がいくらでもイメージでき情報を追加できてしまうため、膨大となりで重要な点がぼやけてしまうところです。そして読むのもだるくなる量になります。
枝葉をおとす
そこで、ユーザー像をこのように見直していきました。
ユーザーが大事にしていることや嫌いなこと、判断するきっかけや欲求など、どのように考えて動くのかヒントになるポイントを簡潔に抜き出すことです。例えば、
(そのサービスを)
「夫と相談して老後の資金もしっかり担保しておきたいので、長期的に利用したいと思っている」
※適当です、何かは想像におまかせします
夫との関係性や、計画的な性格であることなどを盛り込みたくなりますが、ユーザーの欲求は
「長期的に利用したいと思っている」
ということです。
もしアウトプット用に体裁を整え情報を盛り込んだものを作ったとしても、自分用に必要なものに削ぎ落としたものを用意しておくと良いようです。
ペルソナを増やしすぎない
ユーザーにインタビューしたり話を聞くたびにあれやこれやと検討パターンを増やしたくなるし(デザイナーとして叶えたくもなります)どれが本質的に重要なことか迷子になるときがあります。
ユーザーに話を聞いたり、利用ユーザー層を読み込んでいくたびに必要な検討要素が増えるように感じることがあります。
それに合わせてペルソナも追加で必要なのでは?などと悩むこともありますが、まずはプロジェクトのエクスペリエンスゴールをもつ一人に絞り、そのペルソナで検討を深めていきます。
絶対ではありませんが、どのように使うのか、本当に必要か目的がはっきりしている場合に追加すると良さそうです。
そのプロジェクトでめざすエクスペリエンスゴールが同じであれば、多少の差のあるユーザー像は増やさない。こういう人もいる、あんな人もいるとパターンを増やしていくと判断軸がぶれてしまうからです。
別の目的をもったプロジェクトなど、ターゲットユーザーやプロジェクトのゴールが違う場合に新たに定義していく。例えば、BtoBtoCのサービスであれば、プロジェクトのターゲットユーザーがtoCかtoBといったレベル感です。
作ってからの育て方と向き合い方でした。
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