エコノメソッド スクール日記④ コンセプト
こんにちは。
今回はエコノメソッド4つの構成要素のコンセプトについて感じたことを書いていきます。
エコノメソッド スクールでは、1か月半程度ごとに一つのテーマ(戦術アクション)について取り組んでいき、12〜13歳の最終学年を終えたときに、サッカーをする上で基礎となる個人戦術が一通り習得できている状態を目指しています。
例えば、関東のスクールでは4月の初めから5月中旬までU10が「ボールキープ」、U11とU12が「パスとドリブルの判断」に取り組んでおり、それを終えてから現在までU10は「1対1のディフェンス」、U11、U12か「サポート」をテーマにトレーニングを行なっています。
そして、同じテーマでも練習のたびにフォーカスするポイントが違います。そのポイントがコンセプトであり、このコンセプトの理解と実践の積み重ねが選手としての成長に繋がります。
サポートがテーマの期間なら、
「パスコースを作る」
「相手から離れる」
「ボールホルダーの状況によってサポートの種類を変える」
などなど様々なコンセプトがあります。これをトレーニングごとに段階的に習得していきます。
では、コンセプトごとに戦術的な原則を習得していくメリットは何でしょうか。僕は、汎用性の高い一般的なプレー原則を習得できることが1番のメリットであると考えています。
「サッカーをする上でだいたいの場面はこれで通用します」という決まりがわかっていれば、当然プレー判断も良くなりますよね。
一方で、一般的とかだいたいという言葉が伴うということは、必ず例外が存在することも忘れてはいけません。チームに所属しそこで試合を行なっていけば、必ずチーム特有の原則があるし、選手個々の特性に応じた戦術、得点差、相手の特徴など他にもプレーに影響を与える要素はたくさんあるため、コンセプトが通用しない場面も少なくないでしょう。
ここで重要なのが、物事を学ぶ順序です。チーム特有の原則とか例外的な原則を学んでから一般的なものに入ろうとすると、その特有な状況でのプレーに慣れてしまい、合理的な判断力に欠けてしまいます。
「あいつはフィジカル強いから前が空いたら縦に蹴れ」は、フィジカルの強いあいつがいなければ適用できない原則ですし、日本サッカーでよくある「開始5分はセーフティに」は、様々な状況も効果的に解決できる原則であるかどうかは甚だ疑問です。
サッカーではレベルが上がれば上がるほど、考えることを飛ばして感覚的に適切な判断をすることが要求されますが、こうした汎用性の低い原則が体にまで染み付いてしまうとかなり問題です。年齢が上がれば上がるほど、後から変えるのはなかなか難しくなるでしょう。結果、そうした選手は技術とフィジカルでなんとかやるしかない選手になってしまうのではないでしょうか。
そうならないためにも、まずはきちんと整理された一般的な原則、つまりコンセプトを小さい年代からきちんと習得し、年代を経るに連れて例外的なものに触れていけばいいのではないかと思います。
高校時代にバックパスをしたら怒られたり、前向けないと理由も指導もなしに評価を落とされたりした環境を経験した僕からすれば、小さい頃から段階的にコンセプトを習得できる場があることは本当に羨ましいなーと思う限りです。