採卵〜体質改善を始めるまで。
前回の記事の続きです。
採卵の日は、偶然休みだったので気にせず過ごすことが出来ました。
通っていたクリニックが全身麻酔しか選択肢がなかったので、前日の晩御飯以降の飲食なし。
水だけなら良いとのことでした。
朝、何も食べずに病院へ。
9:30予約で、準備など含めて8:30に到着。
私は低血糖になりやすい虚弱体質なので、ふらふらしながら通院したのを覚えています。(以前人間ドッグのマンモグラフィーで低血糖でぶっ倒れたことがあるほどの虚弱体質・・・。もちろん上半身裸でぶっ倒れました恥ずかし・・・。)
夫は休みを取って付き添いで来てくれました。
初めての採卵で不安でしたが、直前まで側にいてくれたので安心できました。
夫は採精があるため、採精室へ。私は採卵のため別室へ。付き添いはしてはいけないので、ちょっと不安。
8:30 クリニック到着
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8:45ごろ 準備、着替え・点滴・浣腸
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9:30 採卵室へ
案内された部屋へ入ると待機のベッドは何台かあり、私の他にも採卵を控えた方が数人いました。
初めてのことで不安だったので1人ではない、というのを見てほっとしたのを覚えています。
浣腸が何回やっても慣れません。全身麻酔だと仕方ないのですが・・・
採卵室では、看護師さん、培養士さんが忙しそうに動き回っていました。
1時間おきに採卵して受精卵作って、本当に忙しいし大変だ・・・。
と見ていると看護師さんがリラックスのために色々と会話をしてくれました。
全身麻酔は眠くてどうしようもなくなる感覚です。
ハッ!!と目覚めたら「終わりましたよ!ベッド戻りましょう!」と看護師さんが促してくれていました。
「お、おわった?!もう?!」と驚きつつも
麻酔で朦朧として、何も考えられません。頭がふわふわ?ふらふら?思うように体が動かない。
採卵時間自体は30分〜40分?くらい。
麻酔で眠っているから体感時間は5分(笑)
しばらく麻酔の影響で頭がクラクラして動けません。
吐き気もして、だた気持ち悪かったです。
これらはクリニックによっては局所麻酔もあるようなので、不安な場合はしっかり確認するべきですね。
ベッドで横になり、時間が経ってくると下腹部がチクチクと痛くなってきました。
綿を入れられているので、違和感も。取られる時が結構痛い。
卵巣に針を刺して卵子を取るので、そりゃまあ痛いですよね。
取れる個数によっては卵巣が腫れるそうです。
採卵結果は15分ほどで担当の培養士さんが伝えに来てくれました。
今回は19個取れたとのこと。
そのうち成熟卵11個、未成熟卵8個
沢山取れた!と嬉しかったですね。
少しでも可能性を上げるために未成熟卵も培養してもらうことにしました。
精子の状態はと言うと、あまり良くない。
濃度は上がらないので、
運動率を見るのですが、大体10%前後。
体外受精では受精しない可能性が高いということで全てを顕微受精にしました。
受精卵がいくつ出来るのかは翌日に電話で来るので、それまでは信じて待つしかない。いつでも電話に出られるようにiPhone肌身離さず持ってました。
幸い、体調は卵巣が痛む以外は特に異常はなし。
卵巣は腫れていましたが、20回針を刺したので普通は腫れるとのこと。
次の通院でまた様子を見ることになりました。
夫は私が戻ると不安そうな表情。
卵子の取れた数や全て顕微受精にしたことを伝えると申し訳なさそうに「そっか・・・ごめん。」と謝っていました。
謝らなくていいよ。
誰も何も悪くない。
帰りに痛み止めや、感染を防ぐための抗生物質など処方してもらい経過をみていました。
5~6日ほど生理痛に近いような鈍痛が続きましたが、
『あとは受精卵を移植すれば妊娠出来る!!』と希望があったので耐えられました。
《翌日》
受精卵が出来たのか結果の報告の電話が病院から来ました。
結果は
受精卵9個
反応なしが3個
未成熟卵の1つが成熟卵になりそれも顕微受精をして受精したとのことでした。
ここから培養をして胚盤胞になるまで育った受精卵が移植することができるとのこと。
桑実胚でも移植出来ますが、凍結出来るのは胚盤胞まで育った受精卵のみ。
私の場合は採卵で卵巣の腫れが酷く、次の周期まで待たなければいけないので、桑実胚は移植出来ませんでした。
1週間後に胚盤胞ができたのかどうか、連絡が来るとのこと。
その1週間は上の空と言いますか
不安の波が行ったり来たりといつにも増して情緒が不安定で
突然泣いたり、ぼーっとしたりと夫をオロオロさせて、困らせていました(笑)
だけど仕事だけは正気を保っていました。
プライベートなことに子どもたちを始め誰も関係のないことです。家に帰るとぐったり落ち込んでいましたが、職場では奮い立たせてました。
この頃は0歳からずっと持ち上がりの2歳児クラスを持たせてもらっていて特別かわいい子どもたち。
しかも私の場合社会人1年目で初めて持ったクラスで、思い入れもあり本当に目に入れても痛くないってこのことか〜!と実感したクラスでもあります。
思ったように保育が出来なくて、子どもたちにも同じ担任の先生方にも迷惑ばかりかけてましたが、子どもたちはいつでも付いてきてくれました。
この時期はクラスの子どもたちの可愛さにとても支えられていたように思います。
もんもんと不安定に過ごしているうちに遂に病院からの電話が来ました。
この日は仕事で、昼休みに電話が来ました。プライベートな空間は職場にはないので
職員玄関でコソコソと電話に出ました。
結果は
全滅でした。
全て胚盤胞になる前に崩れてしまったそうです。
原因を聞きましたがはっきりとは不明だそうで・・・
代わりに原因とよく言われていることを教えてもらいました。
乏精子症の場合、胚盤胞にまで育ちにくさはあるようです。
基準値の方でも良い精子ばかりではなく、奇形や運動率の良くないものも同じような割合であるそうでそれより濃度が薄いということはそれだけ良い精子の数も少なくなるのでより妊娠しにくい、ということなのだそうです。
そして今回、卵子の方もあまり質が良くなかったかもしれないということが分かりました。
特に異常もなく、違和感なども感じなかったそうですが精子の状態が良くない場合、
卵子の質を上げることでそれを補い胚盤胞まで育つ可能性を上げることが出来るかもしれないというのです。
どうすれば良かったのか?
私なりに精一杯頑張ったつもりでした。
私は卵子の質を上げるということがどういうことなのか知識もなく、全く分かっていなかったのです。
体外受精に挑むのに意識が足りていなかった。
こんなに時間も労力もお金もかけたのに夫にも自分の体にも申し訳なく、自分の浅はかさに嫌気がさしました。
すぐに夫に電話をして報告をしました。
「全部だめやった・・・。ごめんね.・・・。」
「全滅てこともあるんやな。謝ること何もないで。」
一通り話して電話を切ると、思わず外に出て母に電話していました。
気付いたら涙が溢れてぼろぼろと泣いていました。
もう私は我が子に会えないかもしれない。
妊娠の可能性が果てしなく遠く、もう手が届かないように思えてなりませんでした。
当たり前のように思っていた子どもの存在が、あの時は暗く重くのしかかり、色んな人に深い嫉妬心が芽生えました。
こんなこと思いたくないと酷く自分が嫌いになりました。
大好きな子どものことを嫌いになりたくない。
初めて保育士の仕事を辞めたいと思いました。
今、書きながら当時を思い出して泣きそうになっています。
当然のように成功すると思っていた私は今まで頑張った治療を思い出し、目の前の事実を受け止めきれずにいました。
いくら深呼吸をして落ち着かせようとしても頭の中は全滅、失敗、何がいけなかった。夫に申し訳ない・・・。
お金もたくさんかかったのに駄目だった。どうしたら良かったのか。と不安な言葉が次々と浮かんできます。
1人では抱えきれなくなってこのまま仕事に戻れない。
そう思った私は外に飛び出して母に電話をしていました。
母には以前より治療の話をしていました。孫の顔が見られないかもと話すと「そんなんどっちでもいいことよ」と言ってくれるような母です。
本当は楽しみにしてくれてるのを知っていたので、すごく心苦しかった。
全滅だったことを言うと
母「そんなすぐ上手くいくなんて、思ってへんかったで」
私「え?」
母「普通の妊娠でもそんな簡単に出来るもんちゃうから。難しいことしてるんやし、そら難しいわ。」
母とはなぜか、ずばっとその時必要な言葉をくれるもんですね。その後もたくさん慰めてくれました。ありがたいです。
私が急に電話する時は何かあった時だと分かってくれているのだと思います。思い詰めすぎてたと肩の荷が少し降りた気がしました。
当事者でないから言えるのかもしれませんが普段から自分のことをよく見ている人がくれる言葉ってパワーがあります。
母のおかげでいくらか冷静になれました。仕事は何とかいつも通り過ごせました。
ぐらぐらと気持ちが揺れている感覚がありましたが
いつも通りに過ごすことで少しずつ事実を受け入れていくことが出来たように思います。
家にいたらきっとこの事ばかり考えて、ぐるぐる悩んで自分を責め続けていたと思います。
仕事の日で良かったのかもしれません。
私は自分の感情にも不器用なので不安なことがあると、周りが見えなくなりがちです。そして自己嫌悪になるという。
やっかいでめんどくさいやつです。
以前より改善しようと努力していますが、何かあるとすっかり元に戻ってしまい慌ててしまうのです。
普段から余裕を持って過ごせるよう、先の先まで読んで動くことを意識してます。
さて、ここからどうしようか。
家に帰ってトイレに篭って考えました。
(トイレとお風呂は考えるのによく篭ります)
治療を休むのも1つ。卵巣はまだ腫れたままですから、無理は出来ません。
次挑戦して、まただめだったら?でも挑戦しなければ、我が子に会うことは一生ない。
一生ないのだと、そう思った瞬間涙がまた出てきました。
我が子に会えないこの悲しさを同じように色んな人が感じている。頑張っている人が他にもたくさんいる。
1回の失敗くらいで諦めるなんて出来ない。
2回目の体外受精に挑む決心をしました。
ここから体質改善について調べ、ひたすら実践をしていくことになります。
長々とお付き合いありがとうございました。
最後まで読んでいただいて、嬉しいです。
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