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バレンタイン特別企画

みなさんこんにちは。やまもとゆーきでーす。

今日は何の日かみなさんご存じですか?

そう!バレンタインデーです。

好きな人に思いを手紙やスイーツとしての形で伝えたり、特別なあの人と特別な時間を過ごす日!もはや日本の伝統行事であり、女の子だけじゃなく男の子もドキドキしてたまらない!って日に違いない!

そういうことで、今回バレンタイン特別企画として恋愛短編小説を書いてみました。

小説って読むの楽しいけど、書くこともすごく楽しくていろいろ想像しながら書きました。ぜひみなさん今日この瞬間、ドキドキしてみませんか?






かすかな想い~バレンタイン特別企画小説~

作:山元悠希


ふと見た画面、衝撃的な内容がつづられていた。

これ、、、、どういうこと、、、


噂にはなっていた。なんとなくだけど彼の口から出るフレーズの数々を頭の中で浮かべるたびに、不安と焦燥感はどんどんふくらんでいった。

あやかさんがふ、、

あやかさんと、、、

あやかさんに、、、


ずっと流れてくるその名前。間違いなく私ではないだれかだ。


翔太君と付き合ってから二か月がたっていくころだ。

彼は、私のこと愛していると口にしてぎゅっと抱きしめる。

真っすぐな目で私の名前を呼んでくれる。

この一つ一つの瞬間が幸せで、どれだけ忙しくっても会える日を心から待ち望んで彼のもとへ足を運んだ。

会えた日の喜びというのはなにものにも変えられなくて、彼じゃないとダメなんだって感じることができた。

だってとっても好きなんだもん。ずっと翔太君のこと考えてしまうんだもん。

自分の予定なんて放り投げてまで、ここまで人に会いたくなるほど好きという気持ちが溢れるのは初めてな

のかもしれない。 それと同時に私は彼に強く依存してしまってるのだとも感じてしまう。


彼の口からよくでる

あやかさん

という名前。

まあ、人がいいし女友達が多いのは当たり前だし、そのなかでもそのたくさんいる女友達を差し置いて私と

いう人間を彼女という立場で、彼のそばにいる存在として認めてくれたんだ。こんなに光栄なことはない。

大丈夫だ。大丈夫。きっと私のことしか見ていない、、、。


、、、のはずだったんだけどその強がりも持たないのかもしれない。


夜、二人をつなぐ電話も、付き合った当初のデートでも、その、あやかさんという言葉が彼の口から途絶え


ることはなかった。


一緒に遊びに行って、、、花火を見に行って、、、
こんな話を何回も聞くうちに、彼女である自分の身が危うくなってきた。

心が落ち着かなくなっていた。


いくら私と付き合う前の話だとはいえ、他の女性と二人で、、なんて想像もしたくない。

けどこれが事実なんだ。彼の身に起きた事実なんだ。


受け止められなかった。仕方ないのはわかっているんだ。


こんな素敵な男性、自分が隣にいることさえももったいなく感じることある。


それでも、、、なんだろう、、、、もう、、、いやだ、、、

傷つくことわかっておきながら、知ったら気にするって自覚していながら、電話越しで聞いてしまった。


別に怒ったり、嫉妬したりしないからさ、、あやかさんのこと好きだったの?


精一杯の強がりで口からでた言葉だった。怒ったりしないって、嫉妬したりしないってそんな自分がいるわ

けがない。常に自分が彼の彼女であるとともに、そばにいることができる唯一の女でありたい。

こう思っていたのに、嫉妬深いめんどくさい女だななんて思われたくなくて、必死で自分を作って嘘をつい

た。


好きだったのかな、あやかさんのこと、、、

複雑な気持ちで聞いた私の問いに

翔太君の答えは想定通りだった。

ゆみちゃんと出会うめでは、あやかさんのことが好きだった。


ね、、アピールとかしてたの?なんかこう、好きって気持ちが相手に伝わるような言動とか、誘いとかしてたの?


まあ、手をつないだりとか一緒に遊びに行ったりとかはしてたかな。でもほら、お互い忙しくなってきたし

予定もまったくといっていいほど合わないし、なんかこう、付き合うとはまた違うなとは感じててだから、

彼女にはしなかったかな。


そうだったんだ、、。


沈黙が続く、、、
気持が複雑になっていく。聞いたのも知ろうと決意したのも自分なのに、激しく後悔した。


彼のことが好きすぎて例え過去であろうと、彼と一線を越えようとしたその人を知らずにはいられない、

存在が気になって仕方がない、世に言うメンヘラに属されるであろう私は、心の動くままに手元にあった

スマホとにらめっこし、その彼女の、あやかさんという女のSNSを探し出し、片っ端から、投稿をじっくり

と見た。すごく充実した生活おくってんだな。心から楽しいと思えることに関して全力で取り組んでんだ

な。努力家なんだろうな。とっても女子力が高いんだろうな。数ある情報のなかから自分なりに彼女の

人柄、容姿を推測する。

絶対私は負けているきがする、、、。いつこの人に翔太君をとられるかわからない。そのときになったら私

はいったいどうしたら、、、。

大好きな人が他の人の手に渡ってしまう。自分のすべての要素を否定してしまう。自分しかもっていない魅

力って、特徴ってなんなんだろう。もう嫌になってくる


凹み続けるのもつかの間、衝撃的な一文を目にしてしまう。


一緒に見に行った花火。隣にいてくれた人には特別な感情があって忘れられない思い出となった。

もう終わりだと思った、、、私の負けだ、、、完敗だ、、、


それからその瞬間をめにしてからというもの、翔太君を少し疑ってしまうようになってしまった。

不安がよぎるようになった。翔太君のあやかさんへの思いがどうこうということだけではなくて、、、

その、、あやかさんという名の女が自分に害を加えるのではないかとの不安も強く痛感するようになった。

心の安定を保てない、、、それでも彼の前では何もなかったかのように自分を演じきって、本当のありのま

まの自分を押し殺した。


苦しかったけどそれしか、今の自分に残された方法はなかった。

こんな曖昧でなんともいえない複雑な感情を抱えたまま時は過ぎて2月12日になった。

そう、バレンタインデーだ。

日本では、恋人関係であり彼女としての立場が、相手に「好き」の二文字をお菓子などのプレゼントであらわす。

恋人同士ではなくても、思いを寄せている相手に告白という形で必死になって思いをこめてつくったスイー

ツを渡す。

これが今の日本の一般的なバレンタインでの風流であり、女の子にとっても、思いを告げられる男の子に関

してみても一大イベントであって、このイベントの前後では気持ちの変化が著しくなるのももっともだ。


当然、私だってきもちを込めて、気合を入れて準備に取り掛かる。

何が喜んでもらえるかな。どんな味が好みかな。甘すぎるのはな、、、。ちょっとビターにしてみようかな

そう相手のことを考えながらメニューを考えたり作ったりすることも楽しいものだ。


今年は、ショコラケーキに初挑戦することになった。

できあがるまで時間かかったけど、見た目も味も悪くなさそうだ。

よし。


わくわくした気持ちで出来上がったケーキをラッピングしてから、彼の家へと足を運ぶ。

そわそわした心が次第に体にも表れ始め、自然と早歩きになっていく。

今日、20時に迎えに行くね。


そうメッセージを送ったのにかかわらず、あまりにも早く会いたくて予定よりだいぶ前に着いてしまった。

ピンポーン

ガチャリ。


やっほーー。ごめんなんか先に着いてしまった。


お、ゆみ。よかった。無事に来てくれて。

これ、翔太君の口に合うかはわからないんだけど作ったから、食べてほしいいな。


あ、ありがと。めっちゃおいしそうじゃん。俺のためにこんなに上手に作ってくれたんだな。

まあね、ちょっとだけ気合をいれてしまったかな。

ありがと。なあ、ちょっと家でゆっくりしていきなよ。せっかくここまで来てくれたんだからあがりな。

ほんとに?じゃあ、お言葉に甘えて、、おじゃましまーす。


ガチャ

ぎゅ


戸を閉めたとたん、翔太君は私を抱きしめた。ぎゅっと。背丈が高い彼は、腕も長くて優しく私を包み込ん

でくれた。

なあゆみ、、、


ん、、、?


好きだよ


ありがと。私もだよ。大好き

ふと漏れた大好きという言葉


迷いもなく心からでた言葉だ。翔太君のことが好きだ。大好きだ。


でもさ、、、

ん???


翔太君が口走った、、、

ゆみ、最近元気ないなあって。なんか俺といるときたまに悩んでるような顔見せてる。なんか無理してる感

じっていうかさ、、、素のまんまのゆみではない気がするんだよね。

抱きしめながら私の耳元でささやいた。


なんかあるんだったら言って。俺の前で。ゆみが苦しんでる姿、絶対見たくないんだ。俺が守ってやりたい

んだ。


翔太君、、、

沈黙が続く、、、だって言えないよ。めんどくさい女だって思われたら私どうしたらいいんだろう、、、


心の中でまたもや葛藤する。再び、どうしようで頭がいっぱいになる。


ゆみ、、、


ちゅ

唇が重なる。手で私のほほをおおい、目をむけて話してくれた。


ちゃんと言って、、、。なにか不満があるんだったら言ってくれないと俺彼氏として失格だし、ゆみが苦し

む姿は絶対見たくない。 ね、、、?

翔太君さ、、、あやかさんのことどう思ってるの?なんかずっとずっと考えてしまっててさ。いくら前

のことだからとはいえ、やっぱり気になるし私やっぱりそんな強くないからさ、あやかさんのこと調べて

しまって自分と比べて自分なんてっておもって、、、それで悟られないように無理して自分をつくったりし

てたけどさ。でもやっぱり、不安になっちゃう、、、

ゆみ、、、

ん?


顔が近くなり再び唇が重なる、、、

そんな思いさせてたんだな。ごめんな。痛みに気づいてあげられなくて

でも俺、お前以外の女は何も思ってないよ。

あやかさんはもちろんのこと、、、だれも思ってない、、、


手を頭の上にのせて、見つめられる


ほんとに?私、すごく無理しちゃって、、、翔太君、あやかさんのこと好きになっちゃんじゃないかって

すごく不安だった。

そっか、、ごめんな。

俺、ゆみのこと大好きだよ。これからもずっと俺のそばにいてほしい。

ゆみ、、、愛してるよ


翔太君、、私も、、愛してる、、、


ぎゅっ

互いに抱きしめあった。

お互いの心と心を混じあわせるかのように、、


私の不安を心から消し去るように、、、

愛を感じあいながら抱きしめあった、、、。


好きだ、翔太君のことが、、、。

こうやって私を不安から救ってくれる、あたたかく抱きしめてくれる、、、

ずっとずっと一緒にいたいと思う。


2月14日 バレンタイン、、、

彼の愛を存分に味わえた。


この日が永遠に続けばいいのに、、、



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