第23話:出会いと関係性①親・先生
前回「人生の目的は【学び】である
という話をしました。
その手掛かりは、これまでの体験にある。
ということで、これからしばらく
今までの人生の体験、そして
そこでの人間関係について
考えていきたいと思います。
人は必ず、親から生まれてくる
子供のいない人はいますが
親のいない人はいません。
そして、赤ちゃんや子供の時は
一人では生きていけないので、
必ず誰かの保護下にあります。
言い換えれば、わたしたちは必ず
「育ててくれる誰か」という
目上の存在と関わってきています。
その代表的な存在が「親」や「先生」です。
「目上の人との関係」は
100%誰もが体験してくること。
だからこそ、無視できない影響があり
それをどう扱っていくかで
その後の人生も変わってきます。
目上の人との関係性
目上、目下という言葉が示すように
上下の概念が入るこの関係は
「縦の関係」ということになります。
ここで自然と起こる現象が
上 > 下
という構図。
上の方が、下よりエライ。
上の方が優れている。
上の方が力がある。みたいな感じです。
基本が保護者と被保護者の関係なので
これは致し方ないとも言えます。
しかし、実際は皆年を取るので
かつて下(子供、後輩、部下)だった者が
やがて上(親、先輩、上司)になる。
このサイクルが本来自然なのです。
が。
かつて「下」だった人が
立場的には「上」になったとしても、
「三つ子の魂」の部分で
「下」を引きずっていることがよくあります。
無自覚な「三つ子の魂」
本来、親や先生、師匠というのは
「越えるもの」
であるはずです。
「守破離」という言葉が表すように
最初は師匠の教えをしっかり守った後
やがてそれを破り、最終的には
離れて(越えて)こそ、進化があります。
しかし、多くの人は
長年に渡り目上、特に親の存在に
支配され続けます。
それはどうしてかというと、
元々の関係であった
「保護者」-「被保護者」から
抜け切れていないからです。
体も大きくなり力も付いたのに、どこか
「保護されている」
思いが残っているのです。
保護されている、という立場は
保護してくれている相手に
存在の安全を依存しています。
なので、目上の存在を越えられない
守破離に至れない限り、それは
基本「依存」ということになります。
親に対する不満の正体
親離れ、というのは簡単に言えば
親に依存するのを止める、ということです。
物理的にも、精神的にも。
これが意外と難しいのは、
「責任を取り切る」のが怖いから。
人生というのは、失敗や苦労の連続です。
努力しても上手く行かなかったり
誰かから責められたりします。
そんな時、そんな残念な現実が
「全て自分のせい」
とは、なかなか受け入れにくいものです。
そこで、自分のせいじゃないなら誰のせい?
となった時、手ごろに責められるのが
「安全を守ってくれていた」目上の人。
100%の人が持っている「親」という存在は
そうやって、大変便利な
「自分は悪くない」錦の御旗になるのです。
しかし、基本「自分のせいではない」なら
現状に対しコントロールも持ちません。
なぜならば、全てが自分次第ではなく
「コントロールしている人次第」なので。
そこで無力感が生まれたり、
自分を支配する相手への怒りが生まれる。
親に対し、そうした感情がある人は、
心のどこかに「親のせいで」という
気持ちがないかどうか、
考えてみる価値ありと思います。
また、全く関係のない第三者だったら
そこまで気にならないことが、
親や師匠だと妙に腹が立つ、納得できない
ということがよくあります。
その裏側には、立場的に
自分の上である存在なのだから
立派であって欲しい、正しくあって欲しい
という気持ちがあるのです。
自分を守り導いてくれる存在には
「理想」を期待してしまうもの。
しかし、現実が理想通りではないと感じるので
「理想であるべきなのにそうでない相手」に
怒りを感じてしまうわけです。
どうすれば目上依存を越えられるか
ここまで分かってくると、
どうすれば本当に「親離れ」できるか
答えは見えてきます。
まず、相手を理想化していないか
よく考えてみること。
「親(上司)のくせに」
「裏切られた」
「許せない」
などという思いがあるのであれば、
あなたは今だに、相手を
理想フィルターを通して見ています。
なので、まずはそこに気づきましょう。
理想化するのを止めましょう。
そして、相手も人間であると受け入れます。
この受け入れができるには、
あなた自身が人間として成長し
相手の弱さや不完全さを許容できる
器を持っていることが必須です。
人によっては、子供時代の経験などから
親との感情的しこりが
なかなか解消できない人もいるでしょう。
その場合は、一旦親とは距離を置いて
そこまで感情を刺激されない
他の人たちとの関りの中で
自分の器を育てることも有効だと思います。
尊敬できる所は何だろう
完全に理想通りとはいかない
目上の存在ですが、
その人のいい所、尊敬できる所は
なんでしょうか。
あなたが「それ」を尊敬するのは
あなたの価値観・生き方が
そうした点に基づいているからです。
ということは、
あなたが尊敬する誰かの性質というのは
あなた自身が持っている性質
ということにもなります。
それを見せてくれる相手に
ぜひ感謝の念を持ってください。
そして、自分自身が持つその性質を
磨いて行って欲しいと思います。
一方で、尊敬する面もありながら
「イヤだな」と思うところもあるでしょう。
その場合は、
「自分だったら、こうする」
「もっとこうすれば良くなる」
という発想をします。
相手を非難する「相手ファースト」ではなく
自分だったらどうするか、という
「自分ファースト」思考を持つのです。
そう考えていくと、
自分に成長の機会を与えてくれる相手に対し
感謝できるようになります。
本当の「親孝行」とは
このように全体を見ていくと、
・目上の人を理想化しがち
・依存に気づき、相手を受け入れる
・相手から学び、相手を越える
のが、目上の人との関係性の
ポイントということになります。
そして、魂的に見た場合
人生の目的は「学びと成長」ですので、
本当の意味での親孝行とは
あなたが学び成長すること。
あなたは、ご自身の学びのために
親御さんとのご縁をいただきました。
ですので、あなたが親を越えることが
何よりの親孝行になるのです。
・相手を理想化することをやめ
・自分ならどうするか、自分ファースト思考を持ち
・実際に行動する
意識してみてくださいね。
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