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40500円で、少しだけ生まれ変わる
ここ3週間ほど、正直冴えない日々だった。
仕事も、すごくセンスの良い何かを作りたいのに、かたちにできない。最近太り気味だからか、髪型もファッションもきまらなくて、持ってる服全部イマイチに思える。服自体は山ほどあるのに、自信持って着ていける服が一枚もない。
なんか、私って冴えてない…そんな感じだった。
そんななか、気分転換に昨日、4ヶ月ぶりくらいに美容室に行った。くせ毛を活かしたふんわりしたショートカットに変身させてもらった。
おしゃれおしゃれ、悪くない。馴染みの美容師さんにほめられて、その気になる。
そのあと、調子づいた私は日比谷のファッションビルで、素敵だと思った服なんでも試着してみることにした。
コロナの影響か店内はひどく空いていたけど、春の軽やかな服がたくさん飾ってあって、素敵な服をみるのは本当に楽しいって思い出した。
社会人になって初めの数年は気合を入れて結構お高い服を着ていた私だけど、繊細な服の取り扱いが苦手で、ダメにしてしまったときの勿体無さが嫌で、最近はファストファッションやオンラインショップで試着もせずに買った服を使い捨てのように着ることが多かった。服の質なんて見る人にはわからないし、それよりもいつもきれいで毛玉や毛羽立ちのない新しめの服を、客先で恥ずかしくない服を着る方が優先度が高くなってたかもしれない。
でも、心からお気に入りの服を着て過ごすことは、お気に入りの自分でいることで、お気に入りの自分でいることって人生においてかなり優先順位上位にくるんじゃないか?
そんなふうに思った。
袖がふくらんだパープルブルーの花柄のブラウスと、ミント色のラフなざっくりしたワークシャツワンピースと、首の空きが大人っぽいネイビーブルーのニットカーディガンと、さわやかな白いタンクトップ。
試着した時、これを着た自分キマってる!って嬉しくなった4つの服を手に入れて、月並みだけどなんだか少し新しい自分になれた気がして、気持ち良かった。
美容院5500円。新しい服全部で35000円。
40500円で、ちょっとでも良い自分に生まれ変われるなら、冴えない自分を抜け出せるなら、安いものだ。
私が稼ぐお給料は、家賃や食費やスマホ代や、そんな生きてくための色んなことに使う必要があるけれど、自分がお気に入りの自分でいられるためのお金はあんまり出し惜しみしないようにしたいな。
人から見て恥ずかしくない、じゃなくて、自分が好きでいられる自分でいよう。自分の「好き」もさぼってるとわからなくなってくるから、あんまり妥協しないでちゃんと探そう。そんなふうに思った。
明日は新しい服、どれ着て行こうかな。
久しぶりに、月曜を少しだけ楽しみに思う。